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【2020アニメ】「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」アニメレビュー

(64点)全12話

夢中になれる世界は、ひとつじゃない。

人気のVRMMO「NewWorld Online」に超大型新人現る!?

あらゆる攻撃を無効化し、致死毒スキルでモンスターもプレイヤーも徹底蹂躙!
異常な戦いぶりから「歩く要塞」とも「ラスボス」とも呼ばれる
そのプレイヤーの正体は、ただの美少女初心者だった!

何を隠そうこのメイプルは、
友人のサリーに勧められてゲームをスタートさせたばかり。
ゲーム知識に乏しく、ステータスポイントをVIT(防御力)に極振りしてしまい、
最初はザコモンスターにすら翻弄される始末だったが……。

痛っ……くない!?

モンスターにどつき回されてもダメージゼロ、
さらには運良く一撃必殺のカウンタースキルまで手に入れてしまう!

ひと癖もふた癖もある仲間たちも加わり、ますます成長していくメイプル。
ノーダメージな大冒険が幕を開ける!TVアニメ「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」公式サイト

防御力に極振りした主人公と仲間の冒険を描いたファンタジーアニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (64点)
完走難易度 普通

原作は夕蜜柑先生。

監督は大沼 心・湊 未來さん。

制作はSILVER LINK.。

防御力

©2020 夕蜜柑・狐印/KADOKAWA/防振り製作委員会

VRMMOに初ログインした主人公が、「防御力」でのし上がっていく冒険ファンタジーアニメだ。

主人公は初ログインのステータス振りで防御力に極振りをする。

スピードやパワーなどに目もくれず防御力に極振り。いかにも女の子らしい可愛い発想なのだが、ゲームなのでそもそも痛みを感じないはずなのだが。(笑)

初めての街的なところにダイブした主人公は、スピードがゼロだから歩くのがめっちゃ遅い。バトルが発生しないフィールドではステータスは普通反映されないのに、のそのそ歩きになってしまう。

さらに初めての草むら的なところでレベル上げをして、どんどん防御力が上がっていき、毒耐性などのスキルもゲットする。

そして1話のBパートでいきなり高難度のダンジョン的な場所に1人で挑み、攻撃できない主人公はボスを「食べて」倒す。めちゃくちゃだ。(笑)

最後にはソロで倒した上に最強の「攻撃」まで手に入れる。

ツッコミどころは結構あるが、主人公が「防御力に極振りしている少女がいる」とゲーム内で有名になっていく過程は面白く、1人で行くような場所ではないダンジョンを1人で攻略してしまう意外性も面白い。

しかも1話にして早くも、防御に特化する主人公のアイデンティティは崩壊している。

確かに攻撃はできないとはタイトルには書いていないが、それにしてもダンジョンのボスの技を盗んでしまえて、しかもそれが「猛毒」というのはずるすぎはしないだろうか。だが一周回って面白い。

つまり主人公は毒を撃って守るだけで良い。ゲームバランスが早くも崩壊の危機に瀕している。(笑)

ただ1話の掴みとしては良い。防御力に特化するという意外性、その意外性で早速話題になり、ゲームに誘った友達よりも強くなり、最強の盾と矛を1話にして手に入れるという展開。

今後のストーリが展開に期待が膨らむ1話になっている。

バランス調整

©2020 夕蜜柑・狐印/KADOKAWA/防振り製作委員会

3話の冒頭で、運営によるバランス調整が入る。

盾の貫通や主人公が持つスキルの回数制限など、明らかに主人公の弱体化をピンポイントに狙った調整になっている。(笑)

1人のプレーヤーが強すぎてバランス調整が入ることなどありえないし、仮にあったらそのゲームはすでに崩壊していると思うのだが、そのツッコミは伏せておく。(笑)

それはさておき、強さが天井に到達する前に調整が入るのには正直驚いた。このアニメはしっかり「VRMMO」という仮想世界の範疇を超えないことを意識して作られている。

出る杭は打たれる。主人公最強と称されるアニメでは普通青天井になっていくものだが、この作品はあくまで「ゲームの世界」だ。

本気の戦いではなくあくまでゲームという「遊び」の延長線上。圧倒的な力を持つ主人公も「強さ」というより、「可愛さ」がより分かりやすく前に出ている。

モンスターやプレイヤーとのバトルを楽しむというよりも、仲間とダンジョンを攻略して素材やスキルをゲットする。純粋にゲームで楽しむという方向性だ。

ギルド

©2020 夕蜜柑・狐印/KADOKAWA/防振り製作委員会

主人公と主人公をゲームに誘った友達は、中盤家を購入しギルドを結成する。

それまでに出会い、探索を共にしたキャラをギルドに引き入れ、主人公はギルドマスターになる。

中盤まで主人公と友達の2人で冒険をしていたが、仲間が加わることで賑やかになっているし、有名プレーヤーを引き入れることで、主人公のコミュニティーはどんどん拡大する。

しかし、中盤に差し掛かってもストーリーが変わり映えしないことが気になる。仲間と冒険をして程よく苦戦して最終的には倒して強くなる。

確かに「可愛さ」というところは意識して作られており、シリアスとは無縁の世界観を貫く意志は伝わるが、それでも退屈だ。

バトルの迫力もしっかりあって力を入れているのは分かるのだが、背負っているものがないとやはり燃えない。

主人公の行動目的は純粋な「楽しさ」の追求。楽しいからゲームをして、友達や仲間とワイワイ冒険するのが楽しいからギルドを結成する。

当然重い宿命などない。同じVRMMOアニメでデスゲームに閉じ込められる有名なアニメがあるが、「ゲームで死んだら現実でも死ぬ」なんてこともない。(笑)

自ずと緊張感というものが生まれにくい。このダンジョンを攻略できないと…とか、イベントで1位になれば…とか、何か一点に賭ける主人公の思いというのも特にない。

主人公の目的はしっかりしている。ゲームを楽しむこと。そこにブレはない。

だが同時に冒険アニメでそれでいいのかという思いもある。ゲームをみんなで仲良く楽しむ。それはそれでアニメの1つの形なのだろうが、中盤まで盛り上がるポイントが一切ない。

主人公は盾でとにかく守って、序盤で倒したボスの猛毒で攻撃する。その繰り返しで本当に心からゲームを楽しんでいるのか疑問に思うところもある。(笑)

あらゆるシーンでその猛毒を使っており、その汎用性の高さから運営に目を付けられてもおかしくはないのだが、なぜかそこに調整は入らない。(笑)

7話では、クエストを受注した主人公が陸を使わずに、空を移動することでモンスターとのエンカウントを避けて、労せずにクエストをクリアする。

システムの抜け穴…というかチート行為と捉えられても仕方のない行為だ。(笑)

そういったご都合的な部分も妙に気になる。もちろんコメディなので笑いとして受け取るべきなのだろうが、作品にのめりこめない分、細かい設定などにどうしても目が行ってしまう。

バトルには迫力がある。しっかり力を入れて丁寧に描かれているのがわかる。しかしバトルがバトルの域を出ない。

ダンジョンに入ればモンスターがいる。だから戦う。それ以上でもそれ以下でもない。

キャラクターが楽しそうにゲームをして、それを見て純粋に楽しめるなら問題はない。ただ刺激を欲する人には物足りない作品かもしれない。

強者

©2020 夕蜜柑・狐印/KADOKAWA/防振り製作委員会

終盤に第4回目のイベント戦が開催され、強敵が主人公の前に立ちはだかる。

序盤から上位ギルドの長として何回か登場していたキャラが、主人公のギルドと対決し、リーダー同士の一騎打ちが始まる。

ようやく冒険バトルアニメらしい盛り上がりが来た、という感じだ。強くなった主人公と有名ギルドの長の一騎打ち。燃えないわけがない。

序盤から登場していた強敵が終盤に主人公と戦う。お約束だが熱い展開だ。

それまでのほんわか癒し冒険アニメの雰囲気はどこえやら、死力を尽くして戦う2人。

ついに主人公は隠していた奥の手まで使って戦うのだが、もはや防御力に特化していた可愛い面影はみじんもない。(笑)

奥の手で主人公はロボットアニメでよくあるアレを操縦して戦い、あたり一帯を破壊するほどのパワーを見せる。

ゲームバランスどうこうの次元ではなくなっている。いろいろツッコミどころが満載だが、それでも可愛いだけの世界に退屈していたタイミングでの激しい戦闘だったので心が震えた。

総評:無双

©2020 夕蜜柑・狐印/KADOKAWA/防振り製作委員会

序盤こそ、防御力に極振りする主人公の特異性や可愛さにスポットが当たっていたが、中盤以降は主人公がどんどんチート化していき、ただの主人公最強アニメになっている。(笑)

序盤で見せていた可愛さや癒しが消え、中盤以降はバトル多めの胸熱シーンが多い。

しかしその方向転換には好印象を持っていて、中途半端に可愛さを残してどっちつかずになるのではなく、気持ちが良いほど180度変わっている。

どっちつかずで中途半端な感じにはなっていない。ちゃんと意図してバトルへ舵を切っているので違和感はないし、平和な世界から一転した迫力のある対人戦は見どころがあり、無機物のモンスターとの戦いにはない駆け引きがあった。

むしろ可愛さは完全に消えている。終盤主人公が会得した「暴虐」というスキルは主人公が怪物化するスキルなのだが、ビジュアルが完全に可愛さとは対極に位置しており、最後に巨神兵のごとく暴れまわる姿には笑うしかなかった。(笑)

序盤の「可愛い主人公」というイメージがあってこそ生まれる笑いであり、可愛い主人公がおぞましい怪物に変身して、プレイヤーを捕食し、破壊光線的な技で蹂躙する姿はもはや悪役のそれだ。(笑)

いろいろやりたい放題で、なぜか主人公が持つスキルは誰も所持しておらず、誰も認知していないというご都合的な部分も気にはなるが、主人公最強アニメならではの爽快感はしっかり味わえた。

ストーリーの流れもしっかりしており、序盤からラスボス感を出していた2人のキャラクターが、終盤に主人公と相まみえ決着をつける。

最後にはノーサイドで敵味方関係なく祝杯を挙げ、これからのお互いの健闘を誓いあう。特に珍しいストーリーではないが、きっちりまとまっている作品だ。

バトルシーンの枚数は多めで迫力があるし、技も多彩で見ごたえがある。ところどころ作画が崩れかけているシーンはあるものの、全体的に安定している。

起用されている声優さんも驚くほど豪華で、PVが3弾まで作られているのを見てもわかる通り、かなり力を入れて作られた作品だというのが伝わった。

ご都合的な部分がそれほど気にならなければ、十分楽しめる作品ではないだろうか。

雑感:防振り

©2020 夕蜜柑・狐印/KADOKAWA/防振り製作委員会

防御に極振りしていた時代が懐かしくなるアニメだった。(笑)

中盤以降はもはや可愛かった主人公の面影はなく、ついに怪物化してプレーヤーを食い始めたときは、さすがに「これなんてホラーアニメ?」となったものだ。(笑)

だが仲間からの呆れたツッコミが入ることで、それがきっちりと笑いになっており、終始シリアスになり切れない「コメディ感」が残っていたのは「防振り」らしくて良かった。

驚いたのは配信サービス「dアニメストア」の「お気に入り登録数」だ。

この防振りをお気に入りに登録している人の数はゆうに13万を超えている。こんな数字めったに見かけない。一体何が追い風になっているのか。

お笑い芸人の有吉さんが観ていたというのが話題になっていたが、その影響だろうか。だとしたらなんとも恐ろしい影響力だ。

主人公の名前と声優さんの名前が一緒なのも何かの縁なのだろうか。意図したキャスティングにしてもハマり役だった。

平和で可愛い世界と、シリアスなバトルシーンがしっかり二極化されていて、どちらも楽しめるような構成の工夫も見られた作品だった。

可愛い主人公と迫力のあるバトルシーンが見たい人、それに最強主人公アニメが好きな人には十分オススメできる作品なので、ぜひ観て欲しい。

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