アニメ

【2015アニメ】「クラスルーム☆クライシス」アニメレビュー

(53点)全13話

キャラクター原案・かんざきひろ × シリーズ構成・丸戸史明 × 監督・長崎健司
7月より“アニメイズム”にて放送開始!

オリジナルTVアニメ「Classroom☆Crisis』がいよいよ始動!

キャラクター原案はイラストレーター かんざきひろ が務め、
監督はドラマ演出に定評のある 長崎健司 が担当。
さらに細やかな人物描写で高い人気を誇る 丸戸史明 がシリーズ構成を務めます。

かんざきひろが描く「魅力的なキャラクターたち」が、
長崎健司の演出する「広大な宇宙」を舞台に、
繰り広げる「学園×勤労ラブコメディ」を丸戸史明が紡ぎ出す!

この物語は、高校生サラリーマンの悲哀を描く
青春グラフィティである!TVアニメ「クラスルーム☆クライシス」公式サイト

ロケットエンジンを開発する企業で働く高校生を描いたSF×企業×青春×ラブコメディ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (53点)
完走難易度 普通

原作はMONTWO。

監督は長崎健司さん。

制作はLay-duce。

多ジャンル

©2015 CC PROJECT

このアニメは多種多様なジャンルで構成されている珍しいアニメだ。

近未来モノであり、SFモノであり、お仕事モノでもあり、青春モノでもあり、ラブコメモノでもある。

30分13話で表現するにはかなり無理のある構成だが、とりあえずは上手く着地していたように思う。

メインとなる高校生たちが協力して高性能のロケットエンジンを作りつつ、夢を叶えようと頑張る子供たちの足を引っ張る大人がいて。

そういった理不尽な大人との葛藤もしっかり描かれていたし、エンジン作りに青春を捧げる高校生らしい甘酸っぱさのある作品だった。

ただ1話の疾走感がとんでもない。

誰が主人公かどんな物語なのかつかめないまま、突然転校生の誘拐事件が起き、それを教師を差し置いてクラスメイトの一人が独断で助けに行く。

アニメの世界観を紹介する1話が明らかに説明不足で、視聴者を置いてけぼりにしてしまっていた。

転校生

©2015 CC PROJECT

1話はメインキャラがいるクラスに転校生がやってくるというお話から始まる。

しかしその転校生が謎の組織に誘拐されたとの情報が入り、クラスメイトが協力してロケットを飛ばして救出作戦に出る。

だが道中でロケットは破損してしまい、さらに転校生は自らの力で誘拐犯の手を逃れ、救出作戦は無駄になってしまう。

そしてその新しい転校生が実は、新しいクラスメイトでもあり、全員が所属する会社のお偉いさんでもあり、ロケットを壊したことによる経済的損失をクラスメイトに糾弾する。

この転校生はかなりアクが強い。

誘拐されたと聞き一目散に助けに来てくれたクラスメイトをこき下ろし、何一つ感謝の弁を述べることなく、ロケットを壊したことで失った百ウン億円の損失を非難するばかり。

後に彼はただのツンデレであることが発覚するのだが、序盤の何様としか思えない態度は確実に人を選ぶ。

あまりのウザさに、1話にして視聴を切ってしまう人もいることだろう。

転校生はクラスメイトたちが所属する部署がコスパに見合わないことから、解散させようと画策していることもあり、クラスからは浮いた存在になっている。

こじんまり

©2015 CC PROJECT

スケールの大きい設定の割に、妙にこじんまりしている作品だった。

宇宙を自由に移動できる世界で、しかもその宇宙での航行を可能にするロケットエンジンを製造する高校生を描きながら、描かれるのはなぜか「政治的いざこざ」。

しかも半分は兄弟喧嘩のようなもので、転校生の兄が専務と社長をしており、途中から「メインキャラたちが所属する部署を解散させようとする兄2人に抵抗する弟転校生の物語」になっている。

ただ命令するだけの無能な兄専務を手のひらで転がしたり、逆に思惑が外れてもう一人の兄である社長に転がされたり。

選挙だの大臣だの労働組合だの、小難しい政治的要素がかなり多めに含まれており、序盤から10話あたりまでずっとその内輪もめのストーリーだった。

「結局何がしたいアニメだったのだろう?」という感想だ。

裏側の政治的いざこざに翻弄される高校生を描きたかったのだろうが、あまりにも離党だとか連立政権だとか、どうでもいい成り行きに尺を使い過ぎてしまったせいで、高校生たちの奮闘劇が完全に疎かになっていた。

高校生が大人からの理不尽を乗り越えるという本筋がありながら、遠回りなストーリーにたっぷり尺を使っていた。

もっとシンプルなストーリーにして、もっと対立を色濃く描き、壮大な世界観を活かした壮大なストーリーにすることもできたはず。

にも関わらず、内輪もめの方向性が強かったせいで、メインとなる高校生の成長や変化が疎かになっていた。

ラブコメ?青春?

©2015 CC PROJECT

この作品は「青春グラフティ」だとナレーションでも冒頭で説明される。

公式サイトのイントロには「ラブコメ」という紹介もある。

しかしどちらも全くこの作品からは感じられなかった。

描かれたのは転校生と兄2人の政治的駆け引きばかりで、肝心のエンジン作りがダイジェスト形式になれるなど、完全にストーリーが逆転していた。

エンジン作りには莫大な資金がかかっているので、政治色が絡むのは仕方のないことだが、明らかに不要とも思える展開の連続で流石に萎えてしまった。

ようは兄2人と話し合えば済むところを、政治だ組合だと無駄な設定やキャラを持ち込んで、余計にストーリーを複雑にしてしまっていたし、テンポもかなり悪くなっていた。

結局は青春もラブコメもおまけ程度の扱いになっており、オリジナルアニメならではの迷走をしてしまったと見る他ない。

総評:ぶっ飛んでいる

©2015 CC PROJECT

いろいろとぶっ飛んだアニメだった。

まずは高校生が所属するエンジン開発の部署に百○億円単位で投資されているということ。

いくら優秀で革新的なアイディアを持った若者とはいえ、高校生とまだ20代前半の若者が教師をするクラスに百億円以上も投資するだろうか…

どうやら現実とはお金の価値がだいぶ違うようだった。(苦笑)

さらに惑星を行き来できる時代設定でありながら、なぜかストーリーの中心となったのはメインのキャラがたちが所属する部署に転校してきた部長と、兄の専務・社長の2人との駆け引きやいざこざばかり。

兄の2人は何とかしてコスパに見合わない部署を解散させようとするのに対し、最初は解散させる気満々だった転校生が、政治家にも根回ししして何とか解散を阻止しようとする。

最初は部署を解散させようとしていた転校生が、徐々にクラスに馴染んでいく様子も描かれていたし、彼らの居場所を守ろうと行動する転校生にも納得できた。

しかし30分13話という限られた尺がありながら、不必要とも思える政治的シーンが多すぎた。

クラスメイトのために頑張る転校生にフォーカスされるばかりで、エンジン作りに励むクラスメイトはほとんど描かれない。

そのせいで10人という少人数のクラスにも関わらず、1人2人のキャラを除いて、名前も顔も覚えられず特に印象に残らないまま終わってしまった。

余計なキャラや余計なシーンを削って、クラスメイトが対立しながらも成長していく過程をたっぷり描いても良かったかもしれない。

キャラデザがかんざきひろ先生ということもあって、可愛さはずば抜けているし、作画においても不自然な箇所はあったが大崩れはしていない。

転校生役を演じられた内田雄馬さんも、憎たらしい中に見える優しさが詰まった素晴らしい演技で、当時新人とは思えないような演技だった。

ラストは少し駆け足感があったが、しっかり綺麗にまとまっていたし、次回作への期待を煽るような終わり方になっていた。

一つの作品としては良く出来ていると思うし、30分13話を観る価値は十分あると思う。

しかし壮大なスケールに見合ったストーリーに出来なかったものかと、やはり勿体ない印象はぬぐえない。

個人的な感想:どうした丸戸先生

「冴えない彼女の育て方」で有名な丸戸先生。

このアニメでもシリーズ構成・脚本を担当している。

脚本を全話担当したわけではないものの、13話のうち11話は丸戸先生が書いている。

にも関わらず、どうしてこんなアニメになってしまったのか。

公式サイトのイントロには「学園×勤労ラブコメディ」と紹介されている。

しかし政治色が強いストーリーに、学園もラブコメディも全く感じられなかった。

大人たちの理不尽に負けじと頑張る高校生の姿はあったものの、メインキャラ同士の葛藤だったり絆だったりが描かれるシーンは全くなかった。

せっかくの宇宙という壮大なスケールがありながら、中盤ダラダラと政治家を使った兄弟の駆け引きが行われて、期待と違うことにガッカリした視聴者もいたことだろう。

アニメ作品ではないが、同じようなロケットを扱った作品で「下町ロケット」というドラマがある。

下町の工場で働きながら夢を抱くキャラたちを魅力的に描いた作品だ。

同じような仕事をして同じような夢を持つキャラが登場するはずなのに、面白さは雲泥の差だ。

この作品は、とりあえず世界観や設定ありきのストーリーになってしまっており、全てを描くには明らかに尺が足りていなかった。

円盤の売り上げは750枚ほどで2期の可能性はほぼない。

これから盛り上がるというところで終わってしまっており、つくづく惜しい作品だった。

政治的駆け引きに興味がある人、丸戸先生とかんざきひろ先生のコラボが好きな人にはぜひ観て欲しい。

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