アニメ

【2020冬アニメ】「ダーウィンズゲーム」アニメレビュー

(23点)全11話

平凡な高校生である須藤 要(スドウカナメ)のもとに見知らぬアプリ「ダーウィンズゲーム」の招待メールが届く。アプリを起動させてしまったカナメは、プレイヤー同士が異能を駆使して戦うゲームに巻き込まれてしまう。わけもわからぬまま、襲い来る強力なプレイヤーとのバトルを切り抜け、カナメは生き残ることが出来るのか!?TVアニメ「ダーウィンズゲーム」公式サイト

デスゲームでのサバイバルを描いたファンタジーアニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (23点)
完走難易度 超難しい

原作はFLIPFLOPs先生。

監督は徳本善信さん。

制作はマジックカプセル。

デスゲーム

©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会

この作品はいわゆる「デスゲーム」を描いたサバイバルアニメだ。

主人公がある日、なんとなしに開いたアプリが実はデスゲームへの招待状で、なんとなしにタップした結果デスゲームに参加することになる。

見覚えのないアプリを開いてバトルスタート。突然のデスゲームに戸惑う主人公。少しずつ状況を飲み込んで適応していく。

「なにかの夢だよな?」と主人公が視聴者の目線に立ってくれるお決まりのセリフが出てくるような展開が、1話で繰り広げられる。(笑)

正直1話を観た感じ目新しさは見当たらないし、引き込むような面白さもない。

主人公がデスゲームに招かれる経緯となったのはただの「偶然」で、開かなくても良いアプリを開いた結果でしかない。

そこには命を賭ける理由も、デスゲームを生き残るための目的も何もない。ただ巻き込まれただけだ。

偶然巻き込まれた主人公は友人の言いつけを守らずに勝手にアプリを起動し、その結果友人は死んでしまう。友人は死に際に「悪かったな。巻き込んで」的な捨て台詞を吐くが、巻き込んだのは明らかに主人公の方だ。

さらにヒロイン的なポジションのキャラが何やら意味深なことを言って、主人公を助けようとメッセージを送るが、主人公は無視して結局1人で敵を倒してしまう。

さらに1話の後編扱いとなる2話では、主人公とヒロインが戦う流れになり、最終的に主人公が勝つのだが、さっきまで殺意むき出しだったヒロインが急にデレだし、ついには「家族を作ろう」という突拍子もないことを言いだす。(笑)

正直何が何だかついていけず、1話で確かになったのはヒロインが可愛いことくらいだ。(笑)

テンポの悪さ

©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会

主人公とヒロインが仲間になり、3話からイベント戦が開始する。

しかしテンポが異様に悪い。

バトルが開始する前にイベントの説明、主人公がルールを飲み込む過程、さらに局面局面で思ったことをつぶさにセリフにしているため、全くゲームが進まない。

いちいちセリフにしなくても良いような場面でも、主人公は視聴者の目線に立って丁寧に説明をしてくれる。

だがそれによってバトルアニメの「熱さ」が失われてしまっている。どうにも尺を稼いでいるようにしか見えない。

主人公が何も言わずに動いてくれれれば勝手に「意図」は生まれるし、いちいちモノローグで説明せずとも、視聴者がいろいろ考える「遊び」を作ることが出来る。

このアニメの場合は「ルールがこうで、こういうことはできなくて、こういうことはできて、今自分がこうしたらこうなって…」と1から10まで主人公が説明しているため、それが単調さを生んでしまっていて、観ている方はワクワク感を味わえない。

主人公の思考がそれこそ常人離れしていて、説明しないと分からないようなものだったら理解できるが、残念ながら主人公が説明してくれるのは周知のことか、常識的なことだけだ。

ある程度すっ飛ばしても問題ないところまで律儀に説明する必要などない。ただでさえデスゲームは「緊張感」を維持することが大変で尺にも限りがあるのに、「説明」に余りにも尺を使い過ぎていた。

眠くなる

©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会

3話で始まったイベントは結局8話まで続く。1クールの約半分をイベントに費やしたことになる。

明らかに尺の使い過ぎた。イベントが始まる前はそこまで長続きするような示唆はなかったし、イベントというのは「短期間だけ開かれるちょっとしたボーナスステージ」というイメージがどうしても先行する。

中身自体もそこまで凄いことはやっていない。敵と戦い一時的に手を組み、大ボスに挑む。

その過程で起こる駆け引きをかなり重視していて、キャラ一人一人の心情を丁寧に汲み取りながら、なるべく視聴者に駆け引きを楽しんでもらおうという工夫も見える。

しかし先述の通り、その「丁寧さ」が逆効果。

説明がそれほど必要のない場面でも丁寧に説明した結果、余計なところで尺を費やし、キャラのモノローグや会話ばかりが増えていく。

キャラがセリフを口にするばかりで一向にストーリーは進まない。テンポがあまりにも遅すぎる。

しかも肝心の見せ場でも合点がいかない、という事態にもなっている。

主人公は8話でラスボスと対面し、イベントのクリア条件である「宝」をいち早く見つけるわけなのだが、そのキーとなるのが「185911」という数字だ。

その前のシーンでとある女の子キャラが、「ダーウィンの進化論」の年号が「185911」であることを導き出す。

後はその番号の謎を解けば、肝心のゲームクリアに繋がるお宝が見つかる、という流れだ。

しかし、女の子がその番号の謎をあれこれ考えたのにも関わらず、最終的には「駅のロッカーの暗証番号」という何ともあっけないオチになっている。

「で?ダーウィンの進化論の意味は?」という至極当然の疑問が消えないまま、勝負は主人公の勝利で終わる。

作品のタイトル回収に繋がるヒントでもあるのかと期待したが、単なるこじつけにしか思えない「ダーウィンの進化論がうんぬんかんぬん」の下りは明らかに不必要だ。

イベントの最後で、主人公が頭のキレる狂人に対して一か八かのはったりを利かせたシーンでは緊張感があったし、そこには確実に「死」への恐怖があった。

しかし、肝心の宝の在りかを示す番号の謎があまりにシンプルすぎて「1クールの半分の尺を費やしてこれ?」と、盛大な肩透かしを食らったのは言うまでもない。

もはや

©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会

8話では前触れなしにいきなりバトルが始まる。

他のクランとの同盟を結ぶためのバトルであることがすぐに明らかになるのだが、それにしても急すぎるし、主人公の余裕のある素振りや銃を平気で使う立ち回りにも違和感が拭えない。

もはやどこに向かっているのか分からなくなっている。

主人公の内なる野望もかなえたい夢も、崇高な目的も何も明示されていない。

ただデスゲームが淡々と進み、どうでも良いキャラがあっさりと死んでいき、一時的とはいえ命を賭して戦った仲間の死を置き去りにしている。

イベントの最中に仲間になった水使いのキャラも、最初はヒロインを殺そうとしていたのに大人しく仲間になっている。

しかも二重人格を持っているのにその設定に触れられない。気づいたら主人公と共闘をしている。

マシンガンを使っていた男もイベント限定の協定だったはずなのに、イベント終了後もなぜかクランに残っているし、主人公のことを堂々と「俺のボス」とか言っちゃっている。

極めつけは「サンセットレーベンズ」とかいうカッコ良いクラン名までいつの間にか出来上がっており、もう何がなんだか分からない。

飛び飛びでいろんなことが進み過ぎて、何がしたいのかも、どこに向かっているのかも、何を見せられているのかも謎なまま進んでいく。

その後も、最強の暗殺者と高速道路でカーチェイスを繰り広げたかと思えば、車の故障で逃げられないとか意味不明な理由で降参して、最強キャラがあっさり仲間になるしで、デスゲームからはどんどん遠のいていく。

激突

©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会

終盤に主人公はラスボスと激突する。

イベントの最後で主人公におちょくられたラスボスは、主人公の友達を誘拐して人質にする。

ラスボスとの決着で1クールを締める。着地点としては問題はない。

しかしそこでその友人がラスボスに殺されてしまい、主人公が絶望するシーンが問題だ。

1話で友人が死んだ場面でもそうだが、「主人公にとっての友人とは?」がごっそり抜け落ちているので、お涙頂戴のシーンでも全く感動できない。

そもそも主人公の数少ない友人がみんな死んでいる、という状況自体が異常だ。使い捨てのような扱いを受ける友人が不憫でならない。

総評:迷宮

©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会

自分は今、何のアニメを観ているのか。

迷宮入りしたかのような錯覚を覚えるほど、どこにも向かわないフワフワしたアニメだった。

主人公は中盤で、誰も殺さずにゲームをクリアすることをクランの命題として掲げる。主人公がデスゲームの中で取る立場としては王道だが、そこをイベント後にはっきりさせる。

にも関わらず、友人の死を切っ掛けに殺人者へと変貌を遂げる。幾分の躊躇もなく。大元の元凶であるラスボスに怒りが向くなら分かるが、真っ先に手下を皆殺しにする主人公。

特に葛藤などをするシーンもなく突然「お掃除だ」と言って、相手クランの敵意のないメンバーまで殺していく主人公。もはやどっちが悪者か分からない。

主人公が闇に染まる。自分の中の正義と大切なものを天秤にかけ、自分の正義を捨ててまで大切なもののために自分を犠牲にする、という主人公の変化をやりたいのは分かるが、それをやっているのはもう最終話の11話だ。

最後の印象に残るのが殺戮者となった主人公、という何とも寝覚めが悪い終わり方になっている。

最後のまとめもゲームマスターらしき人物が出てきたり、新キャラが滑り込みで出てきたりでかなり急ぎ足だ。

結局ヒロインがゲームに参加した目的である「宿敵」も出てこずじまいで、9話で協定を結んだランク1位の猛者も行方をくらましてしまった。いったい何のための9話だったのか。

作画は安定していたし、バトルのカメラアングルも技の躍動感もあったし、ヒロインの鎖の捌きっぷりはク〇〇カを思わせてシンプルにかっこ良かった。

ヒロインは終盤突然ヤンデレ化して、主人公大好き&なんでも言うこと聞いちゃうキャラに変貌してしまったが、上田麗奈さんの透き通った声がぴたりとはまっていたし、素直に可愛かった。

ただそれ以外は清々しいほど何も残らないアニメだ。大前提として度々持ち出していた主人公と友達との「友情」も、それについての描写が皆無なので全く感情移入できない。

友情が観ている側に伝わっていないので、主人公が終盤で起こした「殺人を厭わない」という変化にも説得力が生まれず、視聴者にとっては「いきなり殺人鬼になった」という気持ち悪い印象しか残らない。

尺の配分がおかしなことになっていたし、大した中身もオチもないイベント戦をダラダラと見せられ、仲間になったはずのキャラと一度も共闘せずに終わる。適当にも程がある。

ラスボスの声を担当したのが松岡さんで、悪役をやらせたら独特の味を出してくれるで有名なお方なのに、脚本がこれでは使い損だ。

バトルシーンやキャストの演技には見どころがあっただけに、残念な作品だった。

雑感:シュカをもっと見たかった

©FLIPFLOPs(秋田書店)/ダーウィンズゲーム製作委員会

個人的にはシュカの可愛さを全然堪能できなかったことも心残りだ。

せっかくビジュアルがとびぬけて可愛くて、声優も上田麗奈さんで、鎖鎌を使って戦うというかっこかわいい魅力的なキャラだったのに、中盤からは全く出番がない。

「バディもの」としての側面もあるはずなのに共闘しているシーンが少なく、お互いが衝突するようなシーンもない。

この作品は面白くできそうな要素がそこら中に転がっていながら、それらを全て無視して、明後日の方向に進んでしまったように見える。

コンセプトも主人公の目的も明確なものは何もなく、到達点もあやふやで、あやふやな状態で無理やり進み、締めくくっている。

一応はラスボスを倒すことで完結はしているのだが、2期を匂わせるような展開で終わっており、主人公の変貌といい気持ち悪さだけが残っている。

つまらない、という以前に作品の体を成していない作品という感じだ。

気になる人にはぜひ観て欲しいが、オススメはできない。

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