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【2014アニメ】「デンキ街の本屋さん」アニメレビュー

(65点)全12話

マンガを愛する書店員さんたちの青春コメディ!
水あさとが描く、コミック専門書店で働く人たちの<本屋 de 青春>グラフィティ! デンキ街のディープで楽しい本屋の毎日。マンガを愛する書店員さんたちの、にぎやかコメディ開幕~!!  主人公・海雄(うみお)くんのバイト先〈BOOKS うまのほね〉。そこではみんな何かのマニアだったり、コアなファンだったりとちょっと濃い目のキャラ多し。仕事を教えてくれる先輩女子は、先輩だけど年下さん。……さてさて、海雄くんのバイト生活はうまくやっていけるかな?TVアニメ「デンキ街の本屋さん」公式サイト

電気街にある本屋さん

電気街(明言はないが確実に秋葉原)にあるコミック書店で働く男女を描いた日常ラブコメディ。

原作は水あさと先生。

監督は佐藤まさふみさん。

制作はシンエイ動画。

コミック書店の日常

引用元:©水あさと/KADOKAWA メディアファクトリー・コミックうまのほね

コミック書店「うまのほね」で働く男女を描いた作品。

書店での業務、棚出し・包装・シール貼り・レジなど。

書店での仕事をリアルに再現していて、残業するシーンもあったりで、少しブラックな面も。

仕事場以外でも、一緒に打ち上げパーティーをしたり、花見をしたり。

仲睦まじい様子が何度も見られ、また、「恋愛」の要素も少なからず見られた。

序盤から何となくのカップリングが出来上がっており、定番のイベントなんかもありつつ、距離を縮めていく過程も描かれていた。

定番イベント

引用元:©水あさと/KADOKAWA メディアファクトリー・コミックうまのほね

ラブコメの定番イベントと聞いて、何が思い浮かぶだろう。

お見舞い。相合傘。バレンタイン。水着回。温泉回。ラッキースケベ。お泊り。

流石にラッキースケベはないが、定番と思われるイベントは一通りこなしている印象。

初初しいキャラ同士のかけあいだったり、グッと距離が縮まる言葉や行動だったり、何気ない一言に動揺したり。

各イベントで、かなり男女の距離が縮まる。

手垢まみれのイベントとはいえ、関係が深まっていく過程という意味では、重要な役割を担っていた。

キャラが可愛い

引用元:©水あさと/KADOKAWA メディアファクトリー・コミックうまのほね

キャラの可愛さはかなり追求されている。

女の子はみんな丸みを帯びた輪郭になっていて、見た目がまず可愛い。

表情も豊かで、恥じらったり怒ったり、いろんな顔が見られる。可愛い。

性格もみんな個性的で、優しく、まっすぐなモノを持っている。可愛い。

そして声も可愛い。

竹達彩奈さん、高森奈津美さん、津田美波さん、相沢舞さん、佐藤聡美さん。

可愛いどころの声優が集まっており、見た目も中身も可愛いキャラがとにかく集まっているという感じ。

ロリ、巨乳、ボクっ子。

キャラの魅力で視聴者の心をつかむという点では、申し分のないレベルにあると感じた。

しかし中身は…

ツッコミ不在

引用元:©水あさと/KADOKAWA メディアファクトリー・コミックうまのほね

ツッコミがいないため、ボケがほったらかし。

しかもそのボケがマシンガンのように繰り返されるので、もうメチャクチャだ。

ギャグの部分をそこまで重視していないと言われればそこまでだが、他の日常コメディがそうであるように、笑えるポイントが要所でなければ、視聴を継続することは困難である。

なぜなら、ただでさえ「日常風景」という変化に乏しいシーンが続く中で、ギャグまでつまらなかったら、どこにも面白さを見出すことができないからだ。

繰り変えされるボケの応酬が、全て流されることで奇妙な空間が生まれる。

視聴者にツッコませるというボケもあるとは思うが、誰もツッコまないし、ボケが多すぎるしで、ギャグとして全く成立していないように思えた。

新八やヒメコやタカトシみたいな存在が一人でもいてくれれば…

そう思わざるを得ないほど、ボケまくりのカオスな空間と化してしまっていた。

執拗なまでのいじり

引用元:©水あさと/KADOKAWA メディアファクトリー・コミックうまのほね

「先生」という漫画家志望のキャラがいる。

その先生が度々、「女子力いじり」の被害に遭う。

私生活を盗撮されたり、勝手に点数評価されたり。(笑)

確かにギャグとしても、先生のギャップを引き出す意味でも、多少入れても良かったとは思う。

しかし、あまりにもいじりシーンが多い。

原作がどうなっているのかは分からないが、一つの「お馴染み展開」にするには、あまりに不快感が大きすぎた。

「いじりも度が過ぎればいじめに発展する」とはよく言うが、途中からあまりにしつこく挟んできたので、いじめ二歩手前くらいまでは行っていた。

なぜそこまで「女子力」をいじる必要があるのか。

先生は多少ラフなところはあるが、そこまで男子が引くような女子力の低さは持っていない。

なのに過度にいじりを入れてくるせいで、魅力が増すどころか、完全にマイナスの方に働いてしまっていた。

せっかく夢に向かってまっすぐで、恋愛に関してはウブで、でもガサツなところもあって。

ギャップが魅力的な女の子だったのに、ガサツの部分をフォーカスしすぎたせいで、可愛さが半減していた。

非常に残念。

キャラを立てるという部分で、もうひと工夫、ひと修正が必要だったと思う。

恋愛を描き切れていない

引用元:©水あさと/KADOKAWA メディアファクトリー・コミックうまのほね

恋愛の過程は描かれていたものの、どこで好きになったのか、どうして好きになったのか。

「きっかけ」の部分を描き切れていなかった。

1話から観ていくと、早い段階で、3つのカップルが「コミックうまのほね」内に存在することが分かる。

先生と海雄。カントクとひおたん。腐ガールとソムリエ。

しかし、無理矢理ねじ込まれた感があり、どうしてこのカップリングなのか、最後までしっくりこなかった。

というのも好きになった理由、カップリングが出来上がる過程が描かれていなかったためだ。

好きになるのには必ず理由がある。「何となく」で始まる恋は、恋愛アニメにはほぼ存在しない。

例えばそれは、鉢植えに水をやっている姿、不良から勇敢に助ける姿、誰に対しても平等に接する姿…などなど。

好きになる理由が一つも描かれていないがために、全く感情移入ができない。素直に応援ができない。

恋愛アニメにおいて、この欠陥は結構致命的ではないかと思う。

7話でつもりんがカントクに膝枕されるシーンがある。

2人は過去に付き合っていて、つもりんはカントクに「もう一度やり直せないか?」と言う。

しかしカントクは「好きな人がいる」と断り、つもりんは泣いてしまう。

元カレとのヨリを戻そうとしてフラれ、号泣する女の子。

泣くほど好きだったというのが伝わる名シーンだ。

しかし不思議と心に響かない。

それもそのはずで、カントクとつもりんが付き合っていたという事実以外、そこには存在しないからだ。

どうしてつもりんはカントクが好きなのか、どうやって好きになったのか、付き合っていたときはどんな関係だったのか。

何一つ情報がない。だからつもりんの気持ちに寄り添うことができない。

しかも7話では、それまで恋愛シーンでは全く登場しなかったカメ子が突如、カントク争奪レースに参戦。

カメ子がカントクを好きな素振りも、好きになるきっかけも全くなく、恋愛に興味がないキャラとまで思っていたのに、いきなりカメ子がピックアップされて困惑してしまった。

これらのシーンでも分かるように、恋愛コメディとうたっていはいるが、全体的に掘り下げが足りないように思う。

つもりんとカントクの例だったら、過去の回想を入れても良かったと思うし、そうすれば、より2人の関係性・魅力というのも上がっていただろう。

カメ子の場合でも、きっかけを描いてくれないと、ただの邪魔者にしかならない。

もちろん尺の都合もあるが、先生に対するしつこいまでの「女子力いじり」だったり、昭和映画のような白黒劇場だったり、エロ本Gメンの過去だったり。

明らかに不必要なところをカットして、もう少し厚みのある恋愛を描けなかったのか、と思ってしまう。

かなり恋愛シーンは多めで、恋愛に力を入れているのは伝わってきたが、「面白いラブコメ」として勧めるには、後2,3歩足りなかった。

総評:キャラが可愛い

引用元:©水あさと/KADOKAWA メディアファクトリー・コミックうまのほね

このアニメは、かなり「キャラ萌え」に力を入れて描かれていた印象。

キャラの個性もしっかり立っていて、どのヒロインも魅力的だった。

しかし見どころは、他にこれと言ってなく。

このアニメを「日常ラブコメディ」という括りで評価をするならば、「日常」も「ラブ」も「コメディ」も、どれも及第点以下だった。

書店の日常や仕事の内容、混雑時のてんてこまいな様子などの「職場の日常」に限らず、一緒に打ち上げで盛り上がったり、温泉に行ってハプニングに巻き込まれたり、2人きりイベントで良い感じの雰囲気になったり。

「日常パート」だけは唯一、しっかり描けていたと言えるかもしれない。

しかし「恋愛」「ギャグ」という側面で見たときに、物足りなさは否めない。

「恋愛」においては、この作品の生命線でもありながら、描写が不十分。

お見舞いやバレンタインなどのイベントを通した関係の変化が描かれていて、特に物語の終盤は見入ってしまうシーンがいくつもあった。

しかし肝心の「好きになった理由」の掘り下げが弱いせいで、応援したくなるような関係まで到達せずに終わってしまった。

公式サイトのあらすじにある「胸キュンな恋愛模様」は完全な見掛け倒し。

ギャグにおいても、ボケばかりが目立って、ツッコミらしいツッコミが最後までなく、ツッコミポジションのキャラも最後まで現れず。

ツッコミ不在でも面白くなると思っている人でも、この作品を観れば、ツッコミがいないとギャグが成立しないことがはっきりと分かると思う。

暴れるだけ暴れて、ボケるだけボケて、最初からツッコミを入れるという発想がなかったのかもしれないが、笑いが全く生まれない作品だった。

個人的な感想:もったいない

引用元:©水あさと/KADOKAWA メディアファクトリー・コミックうまのほね

これだけ可愛いキャラがいて、豪華な声優も揃っているのに、ストーリーが味気ないせいで、凡庸な作品になってしまったのが、つくづく残念だ。

純情なラブコメを描きつつ、ところどころにエロを挟んできたのも、評価が分かれるところだが、個人的には好きだった。

とことん純情も悪くはないが、ほどよいエロ要素はキャラの可愛さを引き立てることにも繋がり、相乗効果をもたらす

特にひおたんが巨乳キャラで、何度かその豊満なボディを晒すシーンがあるのだが、反応も含めてとにかく可愛いの一言。

しかし、やはりキャラが立っている割には、掛け合いで何も生まれず、はっきりとした関係の変化もないまま終わってしまった。

せめて関係が進展すれば、恋愛アニメとして一定の評価はくだせたように思う。

最初に説明したように、このアニメでは序盤から3つのカップリングが存在する。

先生と海雄。ひおたんとカントク。ソムリエと腐ガール。

残念ながら、この3組のどれも、関係がはっきりと変化するには至らなかった。

どちらかが告白しOKすれば「変化」としては明らかだが、そこまではいかなくとも、一歩手前の、お互いがはっきり好きと分かる段階までは来ていたように思う。

だが3組とも関係の変化どころか、告白イベントさえなく。

3組もあれば、1組は、はっきりと関係の変化があっても良かったのではないか?

勇気が必要な告白イベントは、恋愛アニメの一番の見せ場と言っても過言ではなく、例え失敗したとしても、視聴者の心をガチっと掴むこともできる。

3組とも、偏ることなく、告白の一歩か二歩手前までは順調に来ていた。

でもあと一歩。あと一歩を描いてくれれば、個人的には多少不満も解消されていたかもしれない。

何度も言うように「過程」は不十分だが、一つの決着が見られれば、納得もして「ちゃんと恋愛していたな~」と感慨にも浸れるというもの。

落としどころとしては妥当な線だと冷静に受け止める気持ちがある反面、やはり恋愛アニメの醍醐味「告白イベント」は見たかったという心残り。

アニメ化から6年。

原作も終了し、アニメ2期はほぼ100%あり得ない。

それだけに、1期で強引にでもまとめ切る覚悟があっても良かったのでは、と無理難題を押し付けるようだが、思ってしまった。

残念ながら、万人にこのアニメはオススメできない。

恋愛アニメが好きで、なおかつ日常シーンの連続に耐性がある人、または、キャラ萌えさえ楽しめれば良いという人はぜひ観てほしい。

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