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【2018アニメ】「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」アニメレビュー

(81点)全12話

銃と鋼鉄の世界《ガンゲイル・オンライン》でソロプレイを満喫している女性プレイヤー・レン。可愛いものが大好きな彼女は全身をピンクの装備で統一し、コツコツと地道にプレイを重ね、実力をつけていた。そしてとあることからPK――プレイヤー狩りの面白さに目覚めたレンはPKにのめり込み、ついには「ピンクの悪魔」と呼ばれるまでになる。
そんなレンは美人でミステリアスなプレイヤー・ピトフーイと出会い、意気投合。彼女に言われるがまま、チーム戦イベント《スクワッド・ジャム》に参加することになる。TVアニメ「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」公式サイト

「ソードアート・オンライン」のスピンオフアニメ

大人気バトルファンタジーアニメ「ソードアート・オンライン」の外伝作品。

本家アニメ2期前半の舞台となった「ガンゲイル・オンライン」にハマる少女の戦いを描いたファンタジーアニメ。

原作は時雨沢恵一先生。

監督は迫井政行さん。

制作はStudio 3Hz。

SAOの世界から派生した作品

引用元:©川原礫・KADOKAWA/SAO Project

アニメ好きなら一度は耳にしたことがあるタイトル「ソードアート・オンライン(以下SAO)」。

主人公含めた1万人のゲームプレイヤーが、デスゲームに囚われるバトルファンタジーサバイバルアニメだ。

そのSAOから派生したのがこの作品だ。

ガンゲイル・オンライン(以下GGO)はガン、つまり、銃を扱って戦うフルダイブ型のFPSゲーム。

GGOはSAOアニメ2期で出てくるゲームで、ちなみに、この作品ではSAOのキャラは一人として出てこない。

全く新しいキャラで紡がれるストーリーとなっている。

コンプレックス

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

主人公のアバターネームは「レン」

リアルでの本名は小比類巻 香蓮。

香蓮は自分の身長が他の女の子よりも高いことにコンプレックスを持っており、新しい自分になれるゲームに、自分の居場所を探していた。

そんなときに出会うのが、GGOの背が小さくて可愛いアバターだ。

香蓮はリアルの自分と違う可愛い自分になれるGGOが憩いの場になっていき、どんどんのめり込んでいく。

リアルでの自分を忘れるため、ゲームに違う自分を求める。なりたい自分を演じる。

違う自分、なりたい自分になれるレンにとってのGGOが、リアルの香蓮にどのような影響を及ぼすのか。

仮想世界と現実の関連性や、レンの心変わりというところに焦点が当たる。

ピトフーイ

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

待ち伏せキルを繰り返し、「ピンクの悪魔」と恐れられていたレンの前に現れるのが、ピトフーイという謎の女性。

彼女はかなりGGOをやり込んでおり、レンに戦いのいろはを教え込んでいく。

武器の使い方やリアルな銃との違いまで。

彼女の手ほどきを受けたレンはみるみる成長していき、一緒にゲームを楽しむ中で絆を深め、一つの「約束」を交わす。

それは、「いつかレンがピトフーイを倒すことができたら、現実で会う」というもの。

その約束が大きな伏線となり、物語は動き出していく。

そして「スクワッド・ジャム」という大会が開かれる。

エム

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

エムはピトの知り合いで、リアルでの予定があるピトの代わりにレンと組んで、「スクワッド・ジャム」に出場することになる。

かなりの手練れで戦場慣れしており、冷静沈着で戦況を読むことにも長けたエムは、レンとのコンビで次々と難敵を撃破していく。

そしてついにラスト2組になったところで、エムの衝撃の本性が明らかになる。

常に冷静で、ナイフの使い方やスナイパーライフルの使い方も熟知していて、相手方の意図を素早く読むこともできる頼りになる男の本性。

エムはプレイ1時間後に読むように言われていた、ピトに渡された手紙を読み終えると、急にレンに銃口を向ける。

しかし裏切り行為ではなく、手紙を読んだ上での行為。

手紙には「優勝以外は許さない。もし優勝できなかったら殺す」と書かれていた。

一見冗談に思えるこの言葉。

しかし、ピトの内面を知っているエムはレンにピトの本性を教える。

戦場で頼りになっていたエムのいきなりの豹変。

それまでのイメージが壊され、予想外の本性が露わになり、作者の思惑通りに衝撃を受けてしまった。

屈強で頼りになる兵士が実はヘタレというキャラ付けは見事なものだが、一つ気になったことがある。

それはなぜレンを殺そうとする必要があったのか。

優勝しないとピトに殺されてしまうなら、優勝するしか生き残る方法はない。

それなのに仲間であるレンを殺すという行動は、明らかに目的と矛盾している。

諦めるような状況でもないし、原作通りのストーリーなのかは分からないが、大げさに見せるための演出にしか見えなかった。

狂人

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

エムの口から語られる本当のピト。

彼女はエムの言うところの『SAOルーザー(失敗者)』

SAOをβテストの時点からかなりやり込んでおり、いざゲームのサービスが開始したときも、もちろん始める気でいたが、人生を左右する用事が重なったことでデスゲームを回避。

本当なら自分の幸運に感謝をするところだが、ピトは違った。

彼女は「命がけの戦い」をする場を失ったことで、逆に自暴自棄になってしまう。

彼女は「死」に対して過剰な興味を持っており、他人を殺すこと、他人に殺されること。

命を懸けた戦いというのを求めて生きている、まさに「狂人」だ。

スクワッド・ジャム終了後にレンは、リアルで会ったエムの口から、次のスクワッド・ジャムにエムがピトと組んで出場することを聞かされる。

さらに、ピトが次のスクワッド・ジャムで優勝できなければ自殺を図り、エムもその後を追うというのだ。

エムはピトを愛していて、自分の命を懸けるほどの愛情をピトに、現実のピトに持っている。

そこでエムはピトの自殺を阻止するために、リアルの香蓮にピトを「殺す」ことを依頼する。

ゲームで負けたら自殺。リアルのピトは一体どのような闇を抱えているのか。

彼女はGGOを、自分の命を懸けた本物の戦場にしようとしていた。

直接対決

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

レンはエムの頼みを聞き入れ、ピトを殺すため、リアルのピトを生かすために第2回スクワッド・ジャムに参加する。

ピトは大人数を相手にしても、全くひるむことなく、むしろ殺し合いを歓迎するような態度を見せる。

レンはコンビを組んだフカ次郎とともに、ピトがいる場所へ向かう。

そしてついに相まみえる2人。

序盤でGGOについてレンに教えていたピト。

「師匠と弟子」の関係だった2人は、命を懸けた戦場で「ライバル」として互いの意地をぶつけ合う。

絶対に殺す。

2人の意志は同じだが、その根っこは違う。

レンは現実のピトに生きてもらうために、かたやピトは、命を取るか取られるかの興奮に身を任せるだけ。

カーチェイスに銃の打ち合い、ナイフでの近接戦闘。

戦いの面白さが詰まった一対一の決着は…レンに軍配が上がる。

最後はレンがピトの喉元に文字通り食らいつき、失血死させて勝利。

あくまでゲーム上での決着だが、そこにはゲームの枠を超えた、譲れないお互いの意地を懸けた戦いでもあり、やるかやられるかの緊張感が確かに存在していた。

迫力満点のガンバトル

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

アクションの力の入れようが尋常ではない。

アクションのレベルの高さでいえば、SAO本家を超えるクオリティだったのは間違いない。

銃を撃つ動作や交わす動作だけではなく、ナイフを握っての近接戦闘にも非常に迫力があった。

バトルを演出するBGMもGGOの世界観と合っていたし、アクションだけではなく、随所に「駆け引き」もあってリアルの戦場が楽しめた。

エムの戦況を的確に分析する能力は特に光っていて、相手の行動に対して即座に案を練り実行に移す。

その作戦に対して満点の回答を見せるレンとのコンビネーションも抜群。

レンの俊敏性を活かしたスタイルも白眉で、敵の懐に一瞬で入り込み、アサルトライフルを連射して敵を一掃するのも爽快の一言。

GGOだけではなく、リアルなFPSに生かせそうな要素もたくさんあって、非常に見ごたえがあった。

セリフで間を繋ぐのではなく、しっかりアクションで見せる。退屈とは無縁の白熱した展開。

ここはSAO2期ができなかった部分でもあるが、外伝の方がよりリアルで迫力のあるバトルが描かれていた。

どちらでも

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

SAOを知っている勢も、知らない勢も楽しめるアニメだ。

そういう工夫がしっかりなされている。

SAOのキャラは一切出てこないが、SAOでカギを握ったワードがいくつも出てくる。

「ソードアート・オンライン」がまさにそうで、ゲームで死んだら現実でも死ぬゲームに恋い焦がれた、ピトという女性キャラ。

しっかり本家のファンも楽しめるような設定が随所にあり、SAOの大ファンである私も、すんなり作品に入り込むことができた。

逆にSAOを全く知らない人でも、間違いなく楽しむことができるだろう。

本家を知っていなければ分からないような設定も用語も一切出てこない。

あるのは銃やナイフを使ったシンプルな「バトル」と、戦場での駆け引きだけ。

本家に寄りすぎて新規を全く取り込めないのも問題だし、逆に本家ファンをないがしろにして、全く新しい内容にしてもイマイチな出来になってしまう。

バランスを取るのが非常に難しい部分だが、このSAO外伝アニメはどちらでも楽しめるような配慮と仕掛けがあり、単体でも楽しめるようなクオリティの高いアニメだった。

緊張感

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

命を取るか取られるか。

「これはゲームであって、遊びではない。」

という有名なSAO開発者・茅場晶彦の言葉があるが、まさにその言葉が当てはまるような緊張感が終始、醸し出されていた。

ゲームを「ゲーム以上」に見せる。

死んでもやり直せるのではなく、死んだら終わり。ゲームオーバー。

「死んでも大丈夫」というぬるい雰囲気が一切ない。

ピトの狂気とも呼べる人間性。死への憧れ。

さらには効果音や、本物の出血と見まがうような演出。

もちろん声優さんの演技も。

ゲームで死んだとしてもリアルで死ぬわけではないのに、あたかも「死んだら終わり」のような空気感が、作り手の意志によって見事に作り出される。

ここは本家でも見られた部分で、「死んだら終わりのデスゲーム」はもはやSAOの専売特許。

死なないために戦う。相手を殺す。大事な人を救うために戦う。

受け手によっては「ゲームなのに過剰だ」と思える演出の数々も、「SAO作品らしさ」として受け止めることができる。

綺麗

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

脚本的に綺麗にまとまっている点についても、言及しないわけにはいかない。

リアルでコンプレックスを持つ主人公がゲームに逃げ、新しい自分として生きる。

その過程で諦めずに立ち向かうことの大切さを学び、リアルでの自分を好きになる。人間的な成長。

さらには序盤で張った伏線。「レンがピトを倒したら現実で会う」という約束。

予想通りのレールに乗ったと捉えることもできるが、最初の伏線を回収する過程で、その約束に「約束以上の意味」を持たせている。

それこそが「ピトの命」

レンは自分がお世話になってピトを生かすため、エムは「愛するピトに何としても生きてほしい」という心からの願いを持っていた。

そしてもちろん、ピトの真の意味で狂った人間性がなければ、命を懸けたラストバトルには発展しない。

全ての要素が満たされ、始まるピトの命を懸けたラストバトル。

白熱の一対一を制したレン。

最後には約束通りピトのリアルと会い、ゲームへの向き合い方を改めるピト。

GGOでレンとピトが共闘するシーンで幕引きとなる。

初めから終わりまで一つの線になっていて、かつ、起承転結がはっきりしていて、綺麗にまとまった脚本だった。

演技も秀逸

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

もちろん声優さんの演技も素晴らしい。

レンを演じた楠木ともりさんの可愛さ。リアル香蓮とレンのギャップ。

耳に心地よい高音で、ちょこまかした動きと表情の変化もあってとにかくキュート。

リアルでの落ち着いた雰囲気とのギャップもGOODで、主人公に相応しい魅力溢れるキャラだった。

エムの声を演じたのは興津和幸さん

エムの渋く大人びた雰囲気から一転した、5話の泣きべそ演技とのギャップがかなり衝撃で笑えた。(笑)

ピトを演じた日笠陽子さんの演技も流石の一言。

長年声優界のトップランナーであり続ける理由が、ピトいう役を通して見えてくる。

日笠さんが演じる悪人はどこか憎めない。

狂った中にも人並みの優しさや温もりがあり、正直日笠さんでなければ、ピトをここまで魅力的に演じることができなかっただろう。

レンと組んでスクワッド・ジャムに出場したフカ次郎を演じたのは赤﨑千夏さん。

赤崎さんは清純派のヒロインを演じることも多いが、彼女が演じるちょっと抜けた感じのひょうきんキャラが、私は大好きだ。(笑)

軽口をたたくフカ次郎と、それをサラッと交わすレンの関係性も見ていて気持ちがよく、レンのために戦う姿やいざというときに頼りになる姿もあって、物語の良いスパイスになっていた。

このように実力派の声優さんたちが演じたことで、キャラの魅力もより一層引き立ち、作品のクオリティを何段階も引き上げていた。

総評:見事なガンアクション

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

ガンアクションアニメの中でも、群を抜いてクオリティの高いアニメだった。

躍動感のあるキャラの動き、派手なエフェクト、BGMもGGOの世界観にピッタリマッチしていて、唯一無二の世界観が作り上げられていた。

逃げ場を作ることなく、あくまでアクションで見せる姿勢も称賛に値するのではないだろうか。

SAO本家の方は、倒すべき敵が序盤で出てきて、その敵と相まみえるラストまでの密度が薄く、ラスボスとの決着時には熱が冷めてしまっていた。

半面この外伝アニメでは、アクションでしっかりと魅せていたし、要所に伏線や見どころとなるシーンを入れ込んでいて、思わず沼にハマってしまうような構成になっていた。

魅力あるキャラもそこにかけ合わさって、一つの作品として非常に高いクオリティに仕上がっていた。

しかし気になった点もいくつかあった。

・どうしてピトはレンに目をかけたのか
・リアルのピトが「命を懸けた戦い」に憧れを抱くようになった原因
・ひたすら真っすぐなストーリー

ゲーム界隈で話題になっていてピトも興味を抱いていたとはいえ、なぜピトはレンに肩入れして、手間をかけてまでGGOのいろはを伝授したのか。

ピトの性格的に「何となく」という答えに落ち着きそうではあるが。(笑)

そして最も気になったのが2番目のいきさつだ。

ピトはどうして生死を懸けた戦いに執着するようになったのか。

どんな過去があってピトはそこまで狂った人間になってしまったのか。

かなり重要な部分だとは思うが、最後まで描かれることはなかった。

尺の都合上カットする羽目になったのかもしれないが、描いて欲しかった部分だ。

最後の「ひたすら真っすぐなストーリー」というのは、良い意味でも悪い意味でもある、と私は思っている。

誰もが最後に回収されると分かるような伏線を序盤で見せ、最後にはしっかり回収される。

身長の高さにコンプレックスを持っている主人公が、ゲームを通して自分に自信を持てるようになる。

師匠と弟子が、命を取りあうライバルとして戦場で相まみえ、最後には弟子が師を超える。

約束通りピトの正体が、香蓮の憧れで勇気を貰っていた歌手・神崎エルザだと判明する。

12話で綺麗に収まった美しい作品だ。

しかし悪い意味で言うと、「真っすぐなレールの上」「馬鹿正直」と表現することもできる。

展開が予想できてしまうと、分かっていても最後の展開で100%の興奮を覚えることができない。

エムの予想外のギャップはあったものの、ストーリーでもう一アクセント欲しかったというのが正直なところ。

ただそこは個人的に気になるだけで、大きな問題とはならない。

丁寧な作りだったのは間違いなく、ガンアクション要素に命を懸ける緊張感というスパイスが加わって、リアルに近い戦場が見事に描かれていた。

個人的な感想:本家を超えた

引用元:©時雨沢恵一・KADOKAWA/GGO Project

この外伝アニメは「本家を超えた」数少ない作品として記憶に残るだろう。

派手なガンアクションで心をガッチリと掴まれ、戦場での駆け引きや、命のやり取りという緊張感もプラスされて、終始目の離せないアニメだった。

スピンオフが本家を超えることは滅多にないのだが、この作品に関しては、全てにおいて勝っていると言ってもいいだろう。

正直外伝アニメにしておくのはもったいないくらいのクオリティだ。(笑)

アクションアニメが好きな人、可愛い女の子が好きな人、FPSが好きな人、ガンマニア、ファンタジー系のアニメが好きな人、主人公最強が好きな人…などなど。

幅広い層にこのアニメを勧めることができる。

少しグロいと思うような描写もあるが、あくまでゲーム上での演出なので、過度に気にはならない。

ぜひ興味がある人は、本家を知らなくても観てほしい。オススメだ。

といってもレビューを読んだあとでは難しいかもしれないが。(笑)

どうやら原作の方は絶賛刊行中らしいので、いずれ読む機会があったら、ぜひ読んでみたいと思う。

アニメ「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」を観るには?

「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」は以下のサービスで視聴することができます👇

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