2020年

【2020アニメ】「食戟のソーマ 豪ノ皿」アニメレビュー





(72点)全13話

実家の定食屋「食事処ゆきひら」で料理の腕を磨いていた幸平創真は、
父親の勧めで超エリート料理学校「遠月茶寮料理學園」に入学。
ライバルとの食戟、仲間との研鑽を重ね、料理人として徐々に成長を続けていた。

時が経ち、2年生に進級した創真はついに学園の頂点、
遠月十傑評議会“第一席”の座へと、のぼりつめたのだった――。

そんななか、世界的な料理コンクール「THE BLUE」の招待状が遠月学園へと届く。
「THE BLUE」とは、若手料理人たちが名声を懸け競う正統派な美食大会――
しかし、今回は従来とは趣向が異なり、常軌を逸したお題ばかり!?

新たなライバルが現れ、波乱の予感が漂う「THE BLUE」の行方は……!?
次代の料理界の担い手を決める食戟が、幕を開ける!TVアニメ「食戟のソーマ 豪ノ皿」公式サイト




エリート料理学校での料理バトルを描いたグルメアニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (72点)
完走難易度 易しい

原作は附田祐斗先生・佐伯 俊先生。

監督は米たにヨシトモさん。

制作はJ.C.STAFF。

食戟の最終章

©附田祐斗・佐伯俊/集英社・遠月学園動画研究会4

「豪ノ皿」は「食戟のソーマ」という作品の「6期」にあたる作品で、ついにこの6期が最終章となっている。

原作を最後までアニメ化できる作品はごくごく限られている中で、この「食戟のソーマ」はその栄誉を授かっている稀有な作品だ。

もちろんそれは面白いからに他ならない。「食戟」という新しい料理バトルを題材に、学園でしのぎを削るライバル同士の熱い切磋琢磨を描いている。

食戟がジャンプで連載開始されたころ、筆者はまだ当時高校生で、ジャンプを毎週買って読むほどのジャンプオタクだった。

1話を読んだときの衝撃は、今でも昨日のことのように覚えている。

まだ学園に入る前の創真が、定食屋を潰しに来た大人たちを料理でうならせる。

そしてうなった挙句、男女問わず服が「はだける」というとんでもない絵が挿し込まれていて、友達と大笑いをしたものだ。(笑)

そんな食戟もアニメ化して、連載も終わった末にアニメも6期で幕を下ろしたと思うと、時が一瞬にして過ぎ去ってしまったかのような不思議な感覚を覚える。

そんな個人的な話は置いておいて、前作5期の内容は新遠月十傑との戦いに勝利した創真たちが、新しく十傑となるというストーリーだった。

たっぷりと12話の尺を使って、新遠月十傑とのバトルが描かれており、さすがに尺を取りすぎている感もあったが、二転三転するバトルで盛り上がった印象だ。

続く今作6期はなんと、創真がついに遠月十傑の第一席に。

入学式に全校生徒の前で「てっぺんを取る」と啖呵を切った創真の姿を思いすと、「ついにここまで来たんだな…」と親心のような気持ちが芽生える。(笑)

親心と言えば田所ちゃんにも。あんなに入学式当初は田舎っぺ丸出しで、四宮シェフの試験で理不尽に落とされそうになって、何度も挫けそうになった弱い田所ちゃんが、今や遠月十傑の第十席。

昔の姿からは想像できないほどの大出世だ。何度も田舎に帰ることを覚悟していた田所ちゃんが、学園でも有数の料理人に。

ギリギリで凌いで下から数える方が早い人の方が、最終的に意外と生き残っていることはどの業界でもあるあるだが、まさに田所ちゃんはしぶとく、そして自分の努力で道を切り開いたカッコいい乙女だ。

創真が一席の座に、田所ちゃんが十席の座に就いて周りからの視線がどう変化するのか。また周りとの関係がどう変化していくのか。大いに見どころ満載の最終章になっている。

BLUE

©附田祐斗・佐伯俊/集英社・遠月学園動画研究会4

「BLUE」という料理大会が6期の大きな見どころ。

世界中の25歳以下の料理人が集まるという大会に出場すべく、選抜食戟を行い、そこで振るいにかけられた創真とタクミと田所と薙切の4人が出場する。

そしてキーパーソンとなるのが、6期で赴任してくる鈴木先生というミステリアスな先生。

薙切を妻にもらおうとする先生と、別に好きというわけではないが、それを阻もうとする創真の間で食戟が発生。

その場では創真は完敗を喫してしまうが、直後に始まるBLUEでリベンジを誓うという流れになっている。

そしてそのBLUEが最後の戦いに相応しい大会になっている。

舞台は城で、それぞれの門で出されるお題をクリアし、お城のてっぺんでの1対1の決戦で優勝者を決めるというもの。

最後の創真の晴れ舞台。リベンジをかけた大会。元遠月第一席との再会。意外性のあるお題。

今までの食戟のソーマらしさを踏襲しつつ、いつまでも高みに挑もうとする創真のカッコよさ、そして意外性のあるお題に意外性のある答えを返す創真。

やっていることは1期と何も変わらない。それなのに色あせない面白さ。これは本当に素晴らしいことだ。

だがBLUEで出てくる料理人が、ついに料理と縁がなさそうな面白キャラが登場してくるあたり、さすがにネタ切れ感が顕著になってしまっている。(笑)

裏の料理人だとか、彼らが持つ面白二つ名とか、奇怪な料理器具で奇怪な料理方法をしたりとか、「さすがにそれはないだろw」とツッコミを入れたくなるほど、料理からは逸脱している。(笑)

誰も突っ込まずに真剣にやっているから余計に面白い。ゴール手前で激しく息切れしているランナーのごとく、最後のあがきとばかりに何とか面白くしようという涙ぐましい努力の結晶のように感じる。

まあどんなに癖のあるキャラがいようと、そいつらが悪ければ悪いほど主人公の創真のカッコよさがより際立つというもの。

最後まで創真が創真らしくいるということ。それが6期まで放送できた何よりの理由だろう。

総評:最後まで「食戟のソーマ」

©附田祐斗・佐伯俊/集英社・遠月学園動画研究会4

最後の瞬間まで食戟のソーマらしい面白さの詰まった作品で、いろいろな思いが去来する中、感慨深い思いで観終えることができた。

食戟という斬新な料理バトル。ただの料理バトルではなく、高校生同士の学園での地位と名誉をかけた勝負。

そんな食戟でしのぎを削る創真とライバルたち。四宮シェフを相手どった創真の時のように、仲間のために包丁を握る展開もアツアツで、料理の奥深さとともに、バトル本来の熱も楽しめる作品だった。

そしてなんと言っても実食での大げさな論評。審査員はありとあらゆるグルメ用語を引っ張り出し、その味を様々な事象や現象に例え、最終的に服が脱げる。こんな馬鹿げたアニメは他にない。(笑)

だが服が脱げているのにいやらしさは全くない。ちゃんと恥部は隠しているし、声優の方々も思い切り喘いでくれるからむしろ気持ちがいい。

親と一緒に見られるほどではないが、立派なギャグとして成立している。

最初にこの絵を漫画で見たときの衝撃は一生忘れることはない。料理とエロ。一生縁がないと思われる両者が邂逅し、ここまで絶妙な相性を見せるとは。

しかし1つ気になるといえば、もはや「勝負の行方を予想する」という楽しみはなくなっているということだ。

選抜戦も純粋なトーナメント戦も、どの大会においても勝敗が事前に決まっているようなもの。「最終的に残るべきキャラクターは誰だ?」と考えれば、誰でも予想がついてしまう。

したがって選抜戦も予選も、「勝敗をつける」という観点に置いては、意味がない。

予選をやらずとも選ばれるのは主人公含めた「初期メン」と相場が決まっているので、茶番でしかなくなる。

何とか全キャラに出番を与えようとする工夫は見えた。選抜でサブキャラの料理を見せて成長を感じてもらったり、創真以外の主要なメンバーの活躍や成長が感じられるような尺を作っている。

そして結果が分かり切っている勝負でも実力伯仲を演じて、なるべく最後まで勝敗が分からないように伸ばし、中身の濃いバトルにする工夫も見えた。

田所ちゃんは1期の頃と変わらない可愛さを残しつつ、しっかりと自立した一人の料理人になっているし、タクミは1期の頃と比べても仲間を大切に思い、創真といがみあう敵対関係が徐々にライバル関係へと発展し、BLUEの本戦でも創真とのコンビであうんの呼吸を見せている。

もちろん薙切も。孤高の存在で創真の料理を否定しかしなかった女王が、仲間のために戦い、創真に感化されて料理への熱を燃やす至高のライバルに。

もちろん創真自身も。てっぺんを取ると宣言した入学式。そこでの創真は定食屋での経験を笠に着て、「余裕で頂点を取れる」と他の料理人を見下している感があった。

しかし仲間とともに研鑽を積み、敗北に敗北を重ね、いろんな経験を積み重ねた先にトップと言っても差し支えない「遠月十傑第一席」の座。そしてBLUEという権威のある大会での準優勝。

勝っても負けても料理が好きという気持ちを忘れず、常に笑顔で調理台に向かい、常に先進的なアイディアを駆使して、意外性のある料理を提供して周囲の度肝を抜く。

変わるところは変わり、変わってほしくないところはそのままに。そんな魅力あふれる創真という主人公がいたからこそ、6期というスパンでアニメ化することができたのだろう。

雑感:思い出

©附田祐斗・佐伯俊/集英社・遠月学園動画研究会4

連載当初のことを思い出すと感慨深いものがある。

毎週食戟のソーマを読みながら同時進行でご飯を食べるという時間が、受験期の私にとって至福だった。(笑)

1話を初めて読んだときに「これまたとんでもない作品が始まったなw」という感想を抱いたのは記憶に新しい。

まさかその作品がアニメ化して、さらに最終章までやってしまうとは。あのときは想像もできなかった。

6期は流石にゴール寸前ということもあって息切れもところどころ目立ったが、最後まで料理バトルの楽しさがあり、創真のカッコよさがあり、仲間との絆があった。

願わくば遠月を卒業した彼らがどんな道に進むのか。それだけ見届けて終わりたかったのが正直なところだ。

記憶に残るような素晴らしい作品だった。まだ観ていない人は6期だけでも面白いので観て欲しい。

お粗末!!!




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