2021年

【2021アニメ】「五等分の花嫁∬」アニメレビュー





(74点)全12話

「落第寸前」「勉強嫌い」の美少女五つ子を、アルバイト家庭教師として「卒業」まで導くことになった風太郎。林間学校での様々なイベントを通し、さらに信頼が深まった風太郎と五つ子たち。そして今度こそ、五つ子たちの赤点回避をすべく家庭教師業に邁進しようとした矢先にトラブルが続出。さらに風太郎の初恋の相手である“写真の子”が現れ・・・!?風太郎と五つ子の新たな試験が幕を開ける──!!TVアニメ「五等分の花嫁∬」公式サイト




大人気五つ子ヒロインのラブコメアニメの第2期

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (74点)
完走難易度 易しい

原作は春場ねぎ先生。

監督はかおりさん。

制作はバイブリーアニメーションスタジオ。

第2期

©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁∬」製作委員会

1期が放送されたのはちょうど2年前。近年のラブコメ作品の中でも有数の人気を誇る作品がこの「五等分の花嫁」だ。

タイトルの通り、五つ子のヒロインと主人公の出会い、勉強を通して深まる関係。ざっくりとこんな感じのザ・ラブコメ&ハーレムアニメだ。

制作会社をはじめ、スタッフが一新されていることに、1期から観ている人は気づくかもしれない。

というのも、1期の制作を担当した手塚プロダクションが主に「作画」で失敗をしてしまい、大人の都合で制作会社を変更する運びとなった。

1期と2期で制作会社が変わることは稀に良くあるが、ここまで外野から見て分かりやすいバトンタッチはそうそうない。(笑)

どれほど酷かったかは、ぜひ1期のアニメを観て確認して欲しい。(笑)

したがって、キャラデザは別作品かと思うほど鮮明になっており、血色も髪質も圧倒的に良い。細かい演出の部分でも格段にクオリティが上がっている。

ラブコメ作品においては、やはりキャラクターの「可愛さ」は生命線になってくるので、制作会社を変えた決断は間違いなく良かったと思う。

ストーリーは1期と地続きになっており、ここからようやくラブコメのスタートラインに立ったという感じで、徐々にヒロインたちが主人公に惹かれ始め、争奪戦が勃発していく。

揉め事

©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁∬」製作委員会

とはいえ、序盤は1期と変わらず揉め事が中心になっている。

わがままで子供気質なニ乃が、喧嘩の種になって仲たがいをして一時的に別居。主人公の頑張りの甲斐があって、最終的には再び集合する。

1期と同じことをやっている。15話くらい消費してもなお、五つ子はなかなか勉強に本気になってはくれない。

主人公は頑張っている。手書きプリントを自作するために徹夜したり、五つ子のことを本気で心配して間を取り持ってもいる。

なのにそれがなかなか報われない。いつまで経っても二乃は輪に加わろうとはしない。それが地味にイライラする要因になっている。

全てを可愛いで片づけることは簡単だ。実際に可愛いから人気があるわけで、一にして全と言ってもいい。

だが細かくストーリーを分解していくと、あんまり進展していないことに気付く。5人を机に向かわせるのに苦労をしすぎている。

焦点は「机についてから」なのに、一向に机につかせる以前のストーリーが展開されている。1期と変わり映えしない。

二乃のダダのこね方は子供にしか見えない。子供でももう少し分別のある怒り方をする。他人が頑張って作ったものを簡単に壊すことなどできない。

なかなか、キャラクターをプラスの方向に掘り下げていくことを、2期の中盤までには出来ていない。マイナス面ばかりが取り上げられ、あんまりラブコメを観ているという気持ちになれない。

ストーリーが中途半端だ。とはいえ残り半分の尺が残っているので、そこでラブコメらしい展開に期待したいところだ。

攻略開始

©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁∬」製作委員会

ちょうど半分の折り返しの7話のタイトルが「攻略開始」とある通り、ようやく本格的なラブコメが始まる。

その先陣を切るのはなんとニ乃。一番恋愛に縁遠かった二乃が恋人候補に名乗りを上げるというまさか過ぎる展開。

それを偶然盗み聞きしてしまった一花。各ヒロインが自分の気持ちに正直に行動するようになり、主人公と五つ子の関係が一気に動いていく。

二乃の告白は大胆そのもの。バイクでの告白は主人公が風の音で聞こえなかったとごまかす「鈍感主人公」のパターンかと思いきや、仕切り直しで「あんたみたいな男でも好きになる女子が地球上に1人くらいいるって言ったわよね。それが私よ。残念だったわね。」となんとも二乃らしい言い回しで告白をする。

「好きと嫌いは表裏一体」とはこのことだろう。ついさっきまで主人公を一番嫌っていた次女が、なんといの一番に主人公に告白をする。恋愛バトルの口火を切っていく。

その後も堰を切ったかのように一花や三玖も二乃に続き、ごとよめがその本性を表していく。

「そうそうコレコレ」という感じだ。告白をうやむやにするような寒いギャグをしなくて良かったと胸をなでおろしている。

グダグダと告白や好意をごまかして引っ張ることも多いラブコメアニメだが、ごとよめではしっかりと「告白」をする。それを主人公が聞き、考え、ちゃんと返事をする。ここがしっかりしていないラブコメは多い。

朴念仁とか唐変木は、ラブコメアニメにとって美徳だし便利な設定かもしれないが、読者のイライラももれなくセットで付いてくる代物だ。(笑)

その点、ごとよめの主人公・風太郎はちゃんとボケずに女の子と向き合っている。それだけで好印象だ。主人公がしっかりしているとラブコメはブレない。

総評:後半戦から本番

©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁∬」製作委員会

前半と後半の差が激しい2期だった。

前半は赤点回避を目指すために勉強を頑張る5人と、主人公に1期から反目し続ける二乃と、そんなニ乃に厳しく当たる三玖と五月のお話になっている。

正直「まだそれやってるの?」という感じだ。1期の最初から主人公を拒絶している二乃は相変わらずで、勉強をやる気にならずに主人公のことも嫌いというのは、5人ヒロインの格差があるとはいえ、あまりに遅すぎる。

二乃にキツイ言葉で罵られたい人なら歓迎できる展開かもしれないが、あいにく四葉推しなのでうんざりしている。(笑)

だがちょうど折り返しになる7話から、恋模様が急激に変化し、これまで散々主人公を嫌ってきた二乃がなんと真っ先に告白をする。

そこから一花が三玖の格好をして主人公を騙したり、一花が四葉の「自己犠牲」を利用して抜け駆けをしようとしたり、五つ子ならではの事件が勃発していき、恋模様はさらにカオスになって面白くなっている。

「同じ格好をしたら見分けがつかない」という五つ子ならではの特性を上手くストーリーにしているし、主人公が「完璧に見分けることができる」というのを1つの「愛」の指標にしている。これは1期でもそうだった。

五つ子をヒロインにするなど普通の発想ではまず無理だ。それでもこの作品は上手くやっている。最初から難易度がHARDなゲームモードをプレイングスキルで上手くカバーしている感じだ。

その代わりトレードオフとして、いや、トレードオフという表現が正しいかは分からないが、ストーリーが超絶面白いというわけではない。

ギャグと分かるようなはっきりとしたギャグはないし、ラブコメと言ってもそれほど恋愛要素が強いわけではない。

主人公がめちゃくちゃモテモテという感じでもないし、ヒロインがみんな積極的でハーレム状態なわけでもない。

家庭教師や学校のイベントごとを通してじっくりと仲を深めて、少しずつ勉強もできるようになり、主人公への信頼も上がっていく。この作品は大器晩成型だ。

二乃のような主人公への不満を引きずるキャラクターもいたり、三玖や一花のように、胸に秘めた思いを直接ぶつけずに悶々としていたりと、恋愛においては2期の途中まではほぼ進展はない。

恋愛アニメにしては物足りないような、ラブコメにしてはギャグが少ないような、青春アニメにしてはカタルシスに欠けるような、ちょうど中間あたりにある作品という感覚でいる。

立ち位置がはっきりしない分、分かりやすい面白さがない。レーダーチャートは綺麗な五角形だが飛びぬけている数値がない。

思うに五つ子全員に出番を均等に与えつつ、物語を成立させることは言うほど簡単ではない。しかもそれをアニメ版として、12話という尺に収めるとなったら、その苦労は察して余りある。

どう頑張っても偏りが出ると思うし、この手の萌えアニメは偏りが出たら非難轟々だろうし、別々にキャラクターごとに区切ってしまったら「五つ子」にした意味がなくなる。これは難しい。

だからこそ「五つ子の変装」の下りが中心になるのも無理はないのかもしれない。誰かが誰かの変装をすれば、分かりやすく「2人以上」をストーリーに巻き込むことができるからだ。だがそれもワンパターン化してしまっている。

しかし、1期よりははるかにクオリティが上がっているのは間違いない。作画は別次元に良くなっているし、それだけでもキャラクターが何割増しにも魅力的に見える。

どのキャラクターにもほぼ均等に出番があり、それぞれの個性がストーリーを動かし、トラブルを乗り越えて「やっぱ五つ子は仲良くが一番!」という原点に立ち返る。流れは綺麗だ。

その輪に主人公はいない。ラブコメにも関わらず、主人公を除外したところでヒロインだけがいる「五つ子」というグルーピングがなされており、この作品の重要な核となっている。

主人公は決して五つ子の関係に過剰に首を突っ込むことがない。程よい距離感で5人を見守る立場に立つこともできる。そんな彼の分別も、彼をより魅力的なキャラクターにしている。

確かに典型的な鈍感主人公ではあるが、好意に対してしっかりと答えるし、1人1人にしっかり向き合っている。これぞ本来あるべきラブコメ主人公の姿かもしれない。

超絶面白いわけじゃない。それでもヒロインの可愛さと、それぞれのキャラクターでそれを補って余りある面白さのある作品だ。3期にも期待したい。

雑感:3期

©春場ねぎ・講談社/「五等分の花嫁∬」製作委員会

3期がすぐに決定したらしい。しかし、漫画はとっくの昔に連載を終了している。

このケースはかなり珍しい。漫画が終わった後に2期が放送され、なおも3期が放送されることなどあまりない。それこそ鬼滅クラスの作品でないと、お金を捻出するだけでも大変だ。

つまり、ごとよめは人気だけでももうトップクラスというわけだ。漫画が終了してもなお、アニメ続行を願う声が大きということ。

もちろん私も一ファンとしてそれを願っている。実は誰と結婚するのかも、もう知っているのだが、まさかのアニメオリジナルな展開にもこっそり期待している。

可愛いヒロインに癒されたい人は是非観て欲しい。1期は…興味がある人は観て欲しい。




COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です