アニメ

【2020アニメ】「地縛少年花子くん」アニメレビュー

(48点)全12話

ねえ、知ってる? この学園にある七不思議の話……
かもめ学園に伝わる一番有名な七不思議の噂。

旧校舎3階女子トイレ3番目には花子さんがいて、
呼び出した人の願いをなんでも叶えてくれるんだって。
呼び出し方は簡単、ノックを3回。
それから————
「花子さん、花子さん、いらっしゃいますか?」

「はーあーい……」

自分の願いを叶えてもらうため、花子さんを呼び出したオカルト少女の八尋寧々。
しかし、彼女の前に現れたのは男の子の幽霊、“花子くん”だった。

おばけなのにドSでちょっとエッチな花子くんに振りまわされて
様々な怪談に巻き込まれていく寧々。
果たして寧々は無事に学園生活を送れるのか!?
誰も見たことのないハートフル便所コメディが今、始まる——TVアニメ「地縛少年花子くん」公式サイト

ドSな地縛霊に振り回されるドタバタコメディ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (48点)
完走難易度 普通

原作はあいだいろ先生。

監督は安藤正臣さん。

制作はLerche。

花子くん

©あいだいろ/SQUARE ENIX・「地縛少年花子くん」製作委員会

このアニメはかの有名な地縛霊である「花子さん」が登場する「怪異」を扱ったファンタジーアニメだ。

といっても世間で認知されているまんまの花子さんではなく、学ランを来た少年の姿で主人公の前に現れる。

願いを叶えてくれるという花子くんに、主人公は「意中の先輩と両想いにしてほしい」というお願いをする。

しかし力を持たない花子くんに翻弄され、禁断の縁結びのアイテムを使ってしまった主人公は魚の姿になってしまうが、花子くんの助手になるという交換条件で人間の姿に戻るというのが1話の内容だ。

紙芝居調で場面が転換し、独特の演出でストーリーが展開されていく。1話からこの作品らしい世界観が随所に見られて、非常に作り込まれているのがわかる作品だ。

ストーリーにしても花子くんというイケボの地縛霊に翻弄される主人公の可愛さがあり、意中の相手に振り向いてもらうために頑張る健気な姿がある。

自分のことばかり考えて行動した主人公が大事なことに気づき、最終的に花子くんとの契約を結ぶことになる。

ハチャメチャな日常が始まることを予見させる流れがあり、1話でグイッと作品に引き込まれてしまう。

カクカクした動きでアニメとしてはどうかと思うような演出も、日本昔話のちょっと怖いお話のようで味がある。

真実

©あいだいろ/SQUARE ENIX・「地縛少年花子くん」製作委員会

回を追うごとに花子くんの真実について、徐々に情報が積み重なっていく。

序盤で敵として戦った七不思議の怪異も、中盤で新しい怪異が登場した際に、七不思議の怪異同士が顔見知りで争う理由がないことが明らかになる。

つまり本来花子くんと主人公の敵ではないということ。序盤の七不思議の怪異は暴走した結果、主人公にちょっかいを出したことが明らかになる。

怪異の「噂」を流している張本人も登場する。このアニメの設定では噂通りに怪異も変化する。つまり噂を流す人の裁量で悪にも善にもなる。まさに諸悪の根源。

そして同時に花子くんの弟を名乗る瓜二つの怪異が登場し、終盤に向けての伏線も張る。

様々なことが明らかになり、終盤に向けての盛り上げも抜かりがない。

七不思議に迫るという方向性はありつつも、同時進行で花子くんの秘密に迫るという構成になっており、見ごたえのあるストーリーになっている印象だ。

さらに視聴者を置いていくことをしない作品だ。主人公が今自分が知らないこと、知ると核心に迫ること、つまり「伏線」をセリフとして説明してくれるので、その時点でまだ明らかになっていないことを「整理」することができる。

前の回を見直すという楽しみはありつつも、やはりめんどくさい。そんな時短勢に優しい作品で、そこまで入り組んだ謎というのもないから非常にとっつきやすい。

味方側のキャラに焦点が当たることも多くなり、普段Sっ気のある花子くんが見せる誠実さのギャップとか、花子くんという友達のために気を揉む主人公とか、女子力が高くてさりげない優しさが光る祓い手の男の子とか。

それぞれのキャラに魅力があり、個性があり、彼らのことをもっと知りたいし、彼らがどういう選択をしてどういったストーリーになっていくのか自然と気になってしまう。

ノリ

©あいだいろ/SQUARE ENIX・「地縛少年花子くん」製作委員会

ストーリー構成のレベルの高さがありつつ、全話通してノリが少し寒い。

これは好き嫌いが分かれるポイントかもしれないが、ギャグからシリアスになる流れとか、主人公が甲高い声でわめくとか、演出がワンパターンなのも気になるところだ。

いい感じに和やかな雰囲気になったところでお約束のようにギャグシーンが入る。そしてギャグを挟んだらシリアスに戻る、というパターンが多い。

原作がこういうノリなのかもしれないが、さすがに中盤以降は飽きが来ているし、ハイハイまたこのノリね、という若干冷めた気持ちになっている。

演出の引き出しこそ、原作をより面白くするための制作陣の腕の見せ所だと思うのだが、あまりに同じノリが続いてしまっていてつまらない。

総評:行き先は?

©あいだいろ/SQUARE ENIX・「地縛少年花子くん」製作委員会

どうにも形容しがたいアニメだ。

一応は「七不思議と向き合う怪異モノ」という扱いでくくることはできるのだが、怪異が絶対悪としては描かれていないため、バトルシーンや回想シーンでもイマイチ迫力がでない。

序盤に限れば、主人公にちょっかいを出す悪霊が描かれており、花子くんの力で姫である主人公が救われるという勧善懲悪&ヒーローのかっこよさ的な面白さがあった。

しかし、中盤に怪異が完全な「悪」でなくなる。七不思議同士が実は顔見知りで、そこそこ仲が良いということが判明し、それ以降どこに向かって何を得ようとするのかが分かりにくくなってしまっている。

伏線を妙に引き延ばした挙句、最終的に花子くんの真の正体や、弟を名乗る存在についても明らかにならないまま終わってしまっている。

終盤のバトルシーンでも盛り上がりそうで盛り上がらない。

祓い手の男の子と因縁のある怪異との対決にも関らず、流れや雰囲気をぶった切るような無駄な演出やギャグパートがあり、唯一盛り上がりそうなバトルでも全く盛り上がらない。

キャラそれぞれに魅力は感じるものの、魅力あるキャラ同士の関わりだったり、それによって起こる葛藤や関係の変化など、人間ドラマ的な展開がないのでバトル以外にも特に見どころはない。

怪異や七不思議などのファンタジー要素があり、それを活かす独特の作画や紙芝居調の演出など、作品の良さを引き出してはいたと思うが、アニメとしてはやはりパンチが足りない。

1話に作品の方向性は見えた。意中の先輩への思いを語って、その思いが自分の一方通行であることを怪異を通じて知り、主人公が成長するという中身の濃いストーリーになっている。

2話以降もそういった「変化に富んだ」展開を期待していたが、特に花子くんとも祓い手の男の子とも、意中の先輩とも目に見えるような進展はなく、バトルも迫力に欠け、主人公の目的がはっきりせず、ラブコメ的な展開も消える。

バトルならバトル。ラブコメならラブコメ。ギャグならギャグ。どこで面白さを演出するのかどこを見てもらいたいのか、最後まで自分には分からなかった。

怪異・怪物・妖怪など、そっち形のファンシーな世界に興味があるなら終始目を輝かせるかもしれないが、ストーリーで見たときには目的が最後まではっきりしないアニメだった。

最終話には1話で登場した怪異の眷属が再び登場し、「またいずれ来る」という花子くんの1話のセリフ通りになったわけだが、最終話にしては盛り上がりに欠けるし、前話にあたる11話で「真実」にまた近づいたと思った矢先で、結局寸止めを食らっている。

伏線を読み解く楽しさがあり、真実が少しずつ明らかになる面白さもある。だがキャラ同士の関係性が薄っぺらく、最後まで盛り上がりに欠ける作品だった。

雑感:緒方さん

©あいだいろ/SQUARE ENIX・「地縛少年花子くん」製作委員会

緒方さんが主演を務めるアニメは久しぶりな気がするのだが気のせいだろうか?

緒方さんの声はやっぱり凄い。数々のイケボで身体がしびれた女性の方々はきっと多いことだろう。(笑)

アニメの評価としては正直難しい。なぜなら伏線は残ったままだし、人間的な要素を映し出す葛藤もほぼない。

もし2期が放送され、いろんなことに変化が起きればこの作品の印象はガラッと変わるかもしれない。

花子くんはかっこいいしヒロインは可愛い。バトル&ラブコメ。怪異ファンタジー。売れる要素は揃っていると思うが果たして。

気になる人はぜひ観て欲しい。

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