おすすめアニメ

【2010アニメ】「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」アニメレビュー

(71点)全12話

陽光差すある穏やかな午後、私立藤美学園は突如として地獄の底へ叩き落された!
何の前触れもなく侵入した<奴ら>——生ける屍は、人を襲い、喰らい、そして新たなる<奴ら>を生みだす。
悪夢の世界と化した学園内で、小室孝と幼馴染みの宮本麗、親友の井豪永は、校舎の屋上へと辛くも逃れる。しかし、麗をかばい<奴ら>に噛まれてしまった永は!?
一方、学園の各所では、孝たちの他にも生き残りをかけて戦いを続けている生徒たちがいた——。

原作コミックス1〜5巻、富士見書房より絶賛発売中!
この壊れてしまった世界で、キミは生き残れることができるか!?TVアニメ「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」公式サイト

「奴ら」との戦いを描いたサバイバル×ファンタジーアニメ

「奴ら」と呼称するゾンビとの戦いを描いたサバイバル×ファンタジーアニメ。

原作は佐藤大輔先生×佐藤ショウジ先生。

監督は荒木哲郎さん。

制作はマッドハウス。

奴ら

引用元:ⓒ佐藤大輔・佐藤ショウジ/富士見書房/H.O.T.D.製作委員会

登場キャラたちが「奴ら」と呼称するゾンビたち。

ゾンビに侵された日常と、ゾンビに支配された世界で生きぬく高校生たちを描いた作品だ。

突如壊れる日常と、ゾンビに噛まれた人間が次々とゾンビ化していく恐怖。

日常が失われる瞬間。ゾンビの恐怖に学校中が染まる瞬間。

静から動。間を取った演出で一気に引き込まれる。

他の生徒を蹴倒し、自分が生き残るために親友を蹴倒す。

1話から怒涛の展開で、一気に作品の世界観に飲まれてしまう。

エロ

引用元:ⓒ佐藤大輔・佐藤ショウジ/富士見書房/H.O.T.D.製作委員会

不自然なほどのエロ要素を入れ込んでいる作品でもある。

パンツやおっぱいを映す必要がないときでも、執拗にパンツやおっぱいアングルで見せてくる。(笑)

お風呂のシーンでは湯気や不自然な光が全く仕事をしない。(笑)

そんなエロ描写含めて、キャラや背景作画のクオリティも到底10年前とは思えない。

顔が崩れることがほとんどないし、2020アニメとして放送されても綺麗な部類に余裕で入る。

肉感たっぷりに描かれたキャラ絵は、キャラデザ&作監を担当された田中将賀さんのこだわりを感じる。

田中さんが超平和バスターズの一員で、新海誠監督からキャラデザに抜擢される理由も一目でわかる。

さらに、ゾンビとエロの相性が意外に良い。

ゾンビ作品特有の気持ち悪さや嫌悪感をエロが上手く緩和してくれる。

エロだけではなくギャグも同じく、緊張感で張り詰めた心を和らげてくれる。

1話のインパクトは絶大で、気を抜くと呼吸すら忘れてしまうほどの疾走感だ。

主人公が偶然、教師がゾンビ化する瞬間を目撃し、生徒や教師が次々とゾンビになっていく。

ゾンビに噛まれ血が盛大に吹き出し、まともだった人間だゾンビ化していく阿鼻叫喚の光景が繰り広げられる。

加えて、両想いだったはずの正ヒロインにフラれた主人公と、正ヒロインの訳アリな関係も匂わせてくる。

胸焼けがするほどのシリアス展開の中で、シリアスとは一見似つかわしくないパンツやおっぱいの描写が挟まれる。

緊張の糸が切れてしまう危うさもあったが、上手くバランスが取れていたし、作品の世界観として上手く溶け込んでいた。

脱出

引用元:ⓒ佐藤大輔・佐藤ショウジ/富士見書房/H.O.T.D.製作委員会

学校に立てこもる保守派と、危険を冒してでも家族の安否を確かめに行く行動派。

主人公たちは校外にもゾンビが溢れていることを承知で、マイクロバスで学校からの脱出を図る。

ストーリーの流れは序盤ではっきりするが、スムーズにいかないところが面白い。

性格に問題がある教師がバスに乗車したり、途中で正ヒロインの麗が降りることを決断したり。

正ヒロインポジションの麗がアンチヒロインとして描かれていたことも印象的だ。

麗が付き合っていた主人公の親友がゾンビになってしまい、主人公が歯を食いしばって親友を殺したときも、主人公を突き放すような言動をし、かと思えば次の瞬間には主人公に泣きつき、一人にしないでと涙する。

バスで脱出を図った際も、自分が嫌いな教師が乗ってきたとはいえ、ゾンビで溢れ返った街へ一人で繰り出す決断をしてしまう。

ヒステリックで、感情的で、脆くて、嫉妬深くて、計算高い一面も垣間見える。

おしとやかで、従順で、健気なヒロイン像とは遠くかけ離れれている。

しかしそこに魅力があり、ためらいがちで行動が鈍い主人公に代わり、ストーリーを動かす役割も担っていた。

緊張感

引用元:ⓒ佐藤大輔・佐藤ショウジ/富士見書房/H.O.T.D.製作委員会

1話の緊張感はすさまじい。

ゾンビが人を食らう絵の連続で感情が恐怖で染まる。

恐怖と気持ち悪さで軽い吐き気を催してしまうほどだ。

ゾンビと聞くと終末世界が舞台で、キャラ背景全てにおいて、どんよりとしたタッチで描かれることが多い。

しかしこのアニメの場合、キャラはとてつもなく綺麗で、背景も特にどんよりとした雰囲気はない。

透き通るような青空、学校近くの桜並木。

日常が少し前に残っていたこと、ゾンビに侵食された世界でも日常が残っていることを思い知らせる描写で緊張感が一層高まる。

緊張感のスイッチを自在に切り替える演出は見事で、常に手のひらで転がされていた。

しかし序盤がピークだった感はやはり否めない。

中盤以降はお色気描写やギャグ要素によって、緊張の糸が切れてしまうような場面が何度かあった。

要所で挟むなら良かったがそれ自体がメインとなってしまっており、肝心のゾンビとの戦いだったり、家族の元へ向かうという方向性だったりが失われてしまっていた。

最初の家に到着するまでに9話。あまりにも遅い。

10話にはとってつけたような仲たがいがあり、前触れもなく憤るキャラにポカーンとするしかなかった。

思い通りにいかないというところを強調したかったのだろうが、目的を達成する過程も経なければ面白くない。

総評:作画

引用元:ⓒ佐藤大輔・佐藤ショウジ/富士見書房/H.O.T.D.製作委員会

鮮やかな色彩と表情たっぷりのキャラは、アクションでもキレッキレで躍動感も抜群。

太もものむっちり感やお胸の張りと艶もこだわって描かれていて、エロへの力の入れようも素晴らしかった。

作画が酷いと観る気が失せてしまうが、このアニメは一目作画を観ただけで作品に入り込んでしまう。

そんな稀有な作品だ。

ゾンビとエロの不釣り合いに思える組み合わせも、世界観を壊すことなくマッチしていて、お互いに相乗効果を生み出す。

しかしそれも序盤まで。

バスで学校を脱出して以降は、徐々に盛り下がっていき、緊張感が失われていった。

パンツやお尻の表現も露骨になっていき、不必要なギャグで一気にしらけてしまう。

生死を懸けた戦いのはずが、ついにはゾンビを倒すことに快感を得て「濡れるッ!」とまで言い放つキャラもいた。(笑)

ピンチには陥るが結局は助かってしまうご都合主義的な展開も、緊張感の欠如に拍車をかけていた。

しかしその効果でよりマイルドになっていたという側面もあり、一概に批判はできない。

1話の絶望から必死に生き延びて、ささやかな日常を手に入れる。

彼らが絶対絶命の中で勇気をもって行動した結果でもあり、不自然さはない。

作品として綺麗にまとまっているとはお世辞にも言えないが、ゾンビとの戦いだったり、仲間同士の関係性だったりが回想含めて細かく描かれていたことも良かった。

他にもゾンビ系のサバイバルアニメは数多くあるが、それらと比較してもトップクラスの面白さなのは間違いない。

個人的な感想:新境地

引用元:ⓒ佐藤大輔・佐藤ショウジ/富士見書房/H.O.T.D.製作委員会

サバイバルとエロの新境地を開いた作品だ。

どちらも人を選ぶ要素で、サバイバルが緊張感を高めるのに対して、エロは緊張感を緩める「ギャグ要素」としての側面が強い。

しかしこのアニメでは不思議と嫌悪感や違和感はなく、綺麗にマッチしていた。

どちらも苦手な人は難しいかもしれないが、どちらかが特に嫌いでなければ、最後まで一気に観れてしまうはずだ。

それくらい1話の引きが強く、次回以降への期待感で胸がいっぱいになる。

海外での人気が特に根強く、未だに2期を求める声は大きい。

しかし作者がだいぶ前に亡くなっており、原作は絶筆状態で今後も代筆される予定はない。

2期も自ずと消えてしまったが、作品へのリスペクトは永遠に消えないだろう。

ゾンビが絡むシーンはかなりグロいので、グロが苦手な人にはあまりオススメできない。

ただ、常に恐怖で支配されたホラーゲームのような疲労感はなく、すっきりした気持ちで観終えることができるので、グロが特に嫌いでなければぜひ観て欲しいアニメだ。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です