アニメ

【2015アニメ】「ISUCA」アニメレビュー

(5点)全10話

一人暮らしをしながら高校に通う浅野真一郎。彼は担任の勧めで、級友の島津朔夜宅の家政夫としてバイトする事に。そんな中、彼女が妖魔封じを生業としていることを知ってしまいその手伝いをするハメに…。ISUCA-Wikipedia

公式サイトを作る予算もないアニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (5点)
完走難易度 超難しい

貧乏学生・浅野真一郎と島津37代目仮当主・島津朔邪を中心に描く学園退魔ファンタジーアクションアニメ。

原作は高橋脩先生。

監督は岩永彰さん。

制作はアームス。

つかみ

引用元:©2014 高橋脩/KADOKAWA 角川書店刊/ISUCA製作委員会

この作品で敵として出てくるのが、人間の生気を吸って生きる「妖魔」という怪物。

1話の最初のシーンで前触れもなく登場し、主人公に襲い掛かる。

そこで妖魔に食べられそうになったところを助けるのが、正ヒロインの島津朔邪という女の子。

島津が放った矢が直撃した妖魔は、盛大に血を吹き出して四散する。

1話の初めから何とも衝撃的な始まり方で、何の予備知識もなく、キービジュで何となく平和なアニメを想像していたので面を食らってしまった。

矢が突き刺さっただけなのに不自然に砕ける身体。

しかも脚が何本も生えたムカデの妖魔ときたもんだから、1話の開始1分で視聴を止める人も数多くいたはずだ。(笑)

かくいう私も、早速心を折られてしまった。(苦笑)

自己満

引用元:©2014 高橋脩/KADOKAWA 角川書店刊/ISUCA製作委員会

このアニメでは原作からかなりの改変が行われている。

作画・シナリオ・技名・その他用語。

アニメではいきなり妖魔が四散するというショッキングな映像から始まるが、原作ではそんな描写はない。

1話以降も、主人公たちが通う学校の生徒が妖魔に無惨に殺されたり腕がもげたりと、かなりエグい描写がある。

グロ描写があること自体は作家性でもあるし、好きな人もいるので気にはならない。

問題は、なぜ原作にはないグロ要素をアニメで入れたのかということ。

制作を担当した「アームス」は過去に「エルフェンリート」「極黒のブリュンヒルデ」など、グロと萌えを混在させたようなアニメの制作を何本も手掛けている。

さらに岩永監督も「エルフェンリート」「ひぐらしのなく頃に解」「未来日記」「コープスパーティー」など、スプラッター系のアニメで絵コンテや演出をしていた。

漫画や小説がアニメ化するときに多少の改変を施したり、ストーリーの順番を入れ替えたりすることは多々あることだ。

しかし原作にないグロ描写は明らかに不必要だ。

グロは最も人を選ぶジャンルの一つだし、気にならない人でも1話の最初にグロ描写がきたら驚くし、気分を害する。

グロに自信がある会社と監督がタッグを組んでしまったことで、原作の可愛さや明るさが完全に消されてしまっていた。

アニメ界では、会社と監督の自己満足のためにこういった事故が起きることがあるが、まさにそのレールを辿ってしまった。

作品を私物化してナルシシズムのはけ口として使う。評価することさえ腹立たしい。

原作の高橋先生にはただただ同情してしまう。

親友

引用元:©2014 高橋脩/KADOKAWA 角川書店刊/ISUCA製作委員会

主人公の親友キャラといえば、主人公が進むべき道を示したり、影で暗躍する重要なポジションのキャラだ。

このアニメでも主人公の親友ポジションのキャラは登場する。

しかし彼は何も情報を与えることもなく、ストーリーに絡むこともなく、存在理由が全く分からない。

たまに登場しては、おっぱいについての下世話な話題を主人公に振るだけ。

このアニメは10話構成で、無駄なことに費やす尺は端からない。

無駄な親友を出すくらいなら、男が一切出てこないハーレムをやった方がよっぽど有意義だ。

作画

引用元:©2014 高橋脩/KADOKAWA 角川書店刊/ISUCA製作委員会

ストーリーも酷ければ作画も酷い。

しかも制作陣が徐々に疲弊していく感じの崩壊ではない。

1話から既に綱渡り状態だ。

マジで崩れる5秒前だ。(分かる人はいるかな…)

書き込みサイトには「エジプトの壁画かよ!」というツッコミがあったが、気に入ったので使わせてもらう。(笑)

まるでエジプトの壁画のような目の離れ具合。焦点が全く合っていない。

ワックスで塗り固めたような髪。激しいバトルでも一切揺れることはない。

原作の絵と比較したら一目瞭然で、キャラの可愛さが一ミリも表現できていない。

カット枚数の少なさを、何とか景色や止め絵でごまかしていたシーンが多々あり、迫力の欠片もない。

その割に一番カットを使うバトルシーンを多く入れていたのは、何の自縛プレイだろうか?

キャラも酷いが背景も酷い。

背景は終始どんより。常にどんより。

天気に心が左右されるのはアニメでも一緒で、雰囲気を出したかったのかもしれないが、毎回背景が真っ暗闇だとどうしても気分は落ち込んだまま。

とことんシリアスな雰囲気を出したかったのかもしれないが、敵を倒した後くらいはカラッと晴れて欲しかった。

正ヒロイン

引用元:©2014 高橋脩/KADOKAWA 角川書店刊/ISUCA製作委員会

正ヒロインは妖魔と戦う一族に生まれた女の子。

1話の冒頭で主人公を助けたことで接点を持つ。

しかしヒロインが全くヒロインしていない。

おしとやかとは遠くかけ離れた乱暴な言葉遣い。

良くいえばツンデレ。悪く言えばヒステリック。

人によっては嫌悪感を覚えるほど扱いづらいキャラで、かんしゃくを起こして状況を悪化させることも。

1話では使えない主人公を何故か戦場に連れて行くという蛮行を見せる。

主人公が巻き込まれて偶然力が目覚めるというパターンはよくあるが、このアニメの場合は、何故かヒロインが妖魔との戦いに同行するように命令をしている。

結果的に主人公のキスで覚醒することになるのだが、主人公の覚醒ありきの適当なシナリオに早速萎えてしまった。

性格が悪いだけなら救いがあるが、終いには、後先考えない行動をして関係ない人の命を奪う始末。

ヒロインどうこう以前に、魅力あるキャラを描く気が一切ないと思われても仕方ないほどだった。

引用元:©2014 高橋脩/KADOKAWA 角川書店刊/ISUCA製作委員会

主人公はいるが、このアニメの本筋は妖魔と戦う島津家を描いたストーリーであり、敵方の妖魔について描くことも不可欠だ。

敵方の目的。妖魔との因縁。過去。トラウマ。

しかしこのアニメでは敵について一切掘り下げることをしない。

「敵の情報を見せてはいけない」という縛りをつけて制作したのかと疑ってしまうほど、何の情報も出てこない。

さらに言ってしまえば本当の敵は「妖魔」でさえない。

終始絡んでくるのは1人の少女で、並々ならない復讐心を持って主人公たちを襲う。

ズッタズタに引き裂いて苦痛を味わわせながらヒロインを殺してやろうと、毎度バリエーション豊かに貶してくる。(笑)

しかし一向に彼女のバックボーンが語られることはなく、終わりを迎える。

なぜそこまで島津家を恨むのか。親でも殺されたのか。

彼女自身について何も語られることなく、最後に謎まで残して死んでいく。

一方的に恨まれて殺しに来る相手と戦う絵が永遠と続き、全く意図が分からない気持ち悪さと、聞き苦しい下品な言葉しか使わないことで生まれる嫌悪感。

敵役が薄っぺらいせいでストーリーが盛り上がることもなかった。

淡泊

引用元:©2014 高橋脩/KADOKAWA 角川書店刊/ISUCA製作委員会

ストーリーに何のひねりもない。

主人公にはキスした相手を自分に服従させ、さらに霊力を上げるという能力を持つ。

手垢まみれの設定だがそれは良い。

能力を覚醒させてからの大逆転は最大の見せ場となる。

しかしバトルの作画が酷いことも問題だが、同じ展開が延々と繰り返されることも問題だ。

敵が登場する。苦戦する。キスして強くなる。倒す。

冗談抜きでこのパターンしかない。

ここまで予想通り事が運ぶアニメは少なく、「Aをするよ」と宣言してそのままAしかしないアニメのどこに面白さがあるだろうか…

予想の斜め上を行ってやろう、という制作陣の気概が全く感じられないストーリー。

妖魔は人間の生気を吸わないと生きていけない。キスをしたら主人公に絶対服従。

広げられそうな設定はたくさんあったが、全部無視してとりあえず作った感のあるアニメほど酷い物はない。

総評:ストーリーだけは…

引用元:©2014 高橋脩/KADOKAWA 角川書店刊/ISUCA製作委員会

作画もボロボロで敵の魅力も皆無。

一体何を感じてほしいアニメだったのか、何を伝えたかったのか。全く分からない。

せめて原作に準拠したシナリオにしてほしかった。

十分な制作費が降りてこないという事情はあっても、ストーリーの土台さえしっかりしていれば、作画崩壊していてもまだ観ていられる。

しかし原作を無視した大胆な改変が、結果的に裏目に出てしまった。

何とかインパクトを残そうとする意図は分かるが、グロを新しい要素として盛り込むのは明らかに悪手だった。

1話の冒頭ではじけ飛ぶムカデの妖魔。もぎれる腕。盛大な血しぶき。

作品の一部として成り立っているとも思えず、会社と監督の自己満足にしか思えなかった。

そもそも主人公が全く主人公をしていない。

ヒロインを守ることを決意するシーンでも、なぜ彼女を守ろうと思うのか、掘り下げられるシーンがないためにグッとくるものがない。

戦場でキスするだけの主人公が戦闘要員のヒロインを守るだなんて、何かの冗談だろうか。(苦笑)

途中で剣を持ち出して戦うシーンもあるが、結局は持ち主が弱いせいでガラクタのまま終わった。

ヒロインを守るために行動をしたいなら、その決意を見せて欲しかった。

気が休まる回がなかったのも気になった。

観終わった後に襲い掛かるグッタリ感。

次の回もそのまた次の回も。バトルの連続で疲労感が凄まじい。

10話という尺があるとはいえ、日常回でキャラを深めるシーンを入れ込んでも良かったかもしれない。

そして何度も挙げるように、敵役の薄っぺらさがこの上ない。

序盤から絡んできた敵も最後まで意図は分からず、終盤の戦いでは「お前に腕をもがれたから、同じ苦痛を味わわせてやる!」と、ついにやり返したいだけの小学生に成り下がっていた。(苦笑)

せめてラスボスとして立ちはだかるなら、高尚な言い分の一つや二つでも用意してほしかった。

ラストの10話でひとまず決着を見せたが、最後の最後に謎を残して終わっており、全くスッキリはしない。

登場キャラに何の魅力もなければ、背景は常にどんよりとしていて希望も感じられない。

グロ描写を見せたいがために犠牲になるモブキャラにさえ同情をしてしまうほど、ずさんな脚本と構成。

面白いアニメを作ろうという気が全くない。

よくこんなアニメを世に送り出そうと思ったものだ…

個人的な感想:完…?

引用元:©2014 高橋脩/KADOKAWA 角川書店刊/ISUCA製作委員会

このアニメは「完」という一文字で締めくくられる。

残念ながら全く完ではないのだが。(笑)

敵役として終始絡んできた少女が実は人形?だったり、敵の親玉が実はヒロインの父親?だったり、アニオリ設定で追加されたヒロインの謎のアイリシュシチュー推しだったり。

謎を意図的に残しておいて「完」と締めくくるもんだから、思わず何かのギャグかと思ってしまった。(笑)

打ち切りなどの情報は特にないが、おそらくは予算の都合などもあって、10話で打ち切らざるを得なかったのだろう。

しかしOVAとして11話のDVDが発売されていて、中身がエロエロ水着ハーレムサービス回となっているのを見るに、続編を描いて完結させる気は微塵も感じられない。

それすなわち最初から10話構成で、わざわざ謎を残して終わらせたということになる。

つくづく謎が多いアニメだった。

一生触れることはないだろうし、原作を読もうという気にもならない。

暇を持て余したクソアニメ愛好家の方だけにオススメしておこう。

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