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【2019アニメ】「賭ケグルイ××」アニメレビュー

(55点)全12話

良家の子女が集う名門、私立百花王学園。
ギャンブルで支配されたこの学園の頂点に君臨するのは、
弱者の人生を支配し、政財界にすら影響力を持つ絶対的な支配者、生徒会だった。
しかし、生徒会長の桃喰綺羅莉は突然、生徒会の解散・総選挙を宣言する。

選挙のルールは一人一票。全生徒に学園の頂点を目指すチャンスが与えられる。
カオスと悦楽を求める綺羅莉の思惑による選挙戦。
さらに、その機に乗じ、新たな脅威が訪れる。
百喰一族――綺羅莉と夢子に連なる者たちが。

蛇喰夢子と友情を深めてきた鈴井涼太、早乙女芽亜里、皇 伊月の4名は、
この仕組まれた総選挙の中、自らの信念をかけた闘いを迫られる。

弱肉強食の学園で「餌」となるか、他を喰らい生態系の「長」となるか。
ギリギリの選択が心を揺さぶる「究極の選挙バトルロイヤル」がいま始まる!TVアニメ「賭けグルイ××」公式サイト

ギャンブルで全てが決まる学園を描いたスリル&サスペンスアニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (55点)
完走難易度 普通

原作は河本ほむら先生・尚村透先生。

監督は林祐一郎さん・松田清さん。

制作はMAPPA。

ギャンブル

引用元:©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ××」製作委員会

ギャンブルで全てが決まる学園に転入してきた主人公の蛇喰夢子。

そんな夢子が学園を牛耳る生徒会を、ギャンブルで次々と破っていくというのが1期の内容。

2期となる「賭ケグルイ××」は「生徒会総選挙編」となっており、新しい生徒会長と生徒会メンバーを決めるために、学校をあげてのギャンブル大会が開かれる。

既存のメンバーに加えて、本家・生徒会長に属する分家の者たちも加わり、陰謀渦巻くギャンブル戦が繰り広げられる。

1期よりも政治色が強くなった作品という印象だ。

1期では「狂う」というところにより焦点が当たっていたように思えたが、2期では権力をめぐる生々しい争いが絡んでくる。

生徒会の椅子をかけて全生徒が争い、チップがお金ではなく「票」の役割を果たすという仕組みだ。

どうした鈴井

引用元:©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ××」製作委員会

1期では解説役としてもバランサーとしても活躍した鈴井。

しかし2期では完全に空気になってしまっている。

なし崩し的にギャンブルに参加するはいいものの、手持ちの票が少なすぎてギャンブルの土俵にも立てず。

「何でお前いんの?」状態だったのが何とも悲しい。

唯一と言ってもいいほどの常識人で、夢子と芽亜里との恋愛関係を匂わすような描写が1期の終盤であり、その続きが描かれることも密かに期待したが、結局何も起こらず。

流石に2期目となると、ギャンブルの駆け引きだったり、変顔の応酬だったりにも飽きが来ていた。

刺激を持たせるためにも他の並行した展開を見せても個人的には良かったと思うが、良くも悪くもストーリーを単純化した弊害が出ていた格好だ。

鈴井は2期を盛り上げるキーパーソンとして注目していたが、誇張なく空気になってしまったのが残念だ。

キャラが増えたことで鈴井の出番が減ってしまったことも原因だとは思うし、名前も過去も心の内も分からないようなキャラを追加するなら、ある程度既存のキャラを深めていった方が有意義だったかもしれない。

スリル半減

引用元:©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ××」製作委員会

先述したが、1期と合わせて2クール分ひたすらにギャンブル、ギャンブル、ギャンブル…

1期こそテンポの良さが感じられて、夢子がジャイアントキリングを起こして学園に革命を起こしていくというストーリーも爽快of爽快で、ついのめり込んでしまったが、2期でも同じような路線だったことで序盤には飽きが来てしまっていた。

賭けの対象はインフレ状態で、スリルを演出させるためとはいえ、逆にチープに成り下がっていた。

人生や命を簡単に賭けるようになり、正直「そこまでしなくても…」という感じで冷静にやり取りを見るようになってしまった。

結局「1期での盛り上がりを2期にどう持ち込むのか」という心配が的中してしまったことになる。

ギャンブルの種類や駆け引きがより深みを増し、「そこでそう考えるのか!」と展開を全く予想できない面白さは確かにあった。

しかし結局は夢子の勝利で落ち着くため、結末で驚きを味わうことができない。

さらには夢子でさえも裏方に回るようなシーンが多かったのも印象的だ。

1期で爽快だった夢子の成り上がりは全く描かれず、夢子よりもサブキャラを中心的に描いていた。

物語を動かすのはいつも夢子なのだが、2期では「サポート役」と言っていいほど夢子の本性が見えるシーンが1期よりも明らかに少なく、張り合いがなかった。

ストーリー的にもただギャンブルをするだけではなく、キャラ同士の関係が深まるような日常回を挟んでも良かったのではないかとも思う。

1話と最終回

引用元:©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ××」製作委員会

始めと終わりで少しケチが付いたのも気になった。

1話の冒頭からいきなり、夢子と、危険を冒すことに快感を覚える生志摩というイカれたキャラが、新しく登場した分家の人間と戦うシーンから始まる。

ギャンブルの内容はギロチン装置を使ったギャンブル。

装置の下にある穴に指を通し、装置にかかっている20本の紐を1本ずつ順番に切っていって、その中の1本を切るとギロチンが作動し、指がちょん切れてしまうというもの。

限界まで指を抜かずに耐えられた者が勝つというチキンレースだ。

しょっぱなからエンジン全開のエグいギャンブル。

アクが強い2人が幼女を追い込むという構図は、その絵だけで見ると大問題だ。(笑)

それよりも問題なのは、新参の視聴者を置いてけぼりにしたことだ。

キャラの紹介もないままいきなりギャンブルが始まり、ギャンブルで狂った2人が幼女を追い詰めていく。

刺激という面では確かにあったが、新参ファンを作品に入りにくくしていたようにしか映らなかった。

その後の回想パートで、ギャンブルをするに至った顛末が語られ、その後に再び冒頭のギャンブルシーンへと戻るのだが、順番を入れ替える意味があったのかも疑問だ。

つかみからこの作品のアイデンティティを出すのは良いと思うが、せめてキャラの名前とか役職ぐらいは紹介してほしかった。

そして問題は最終回にも。

内容については触れないが、誰の目にも分かるような駆け足展開になっている。

綺麗にまとまっているとは言い難く、中途半端でモヤモヤした気持ちが残る締め方になってしまっている。

12話のラストで今まで全く出番のなかった「お前誰?」ってキャラが、ギャンブルに勝利したというシーンだけが流れる。

さらには「俺たちのギャンブルはここからだ!」風味で締めくくられ、選挙戦も決着がつかないまま終わっており、お世辞にも綺麗にまとまっているとは言えない。

とはいえ後述するが、制作側にものっぴきならない事情があり、選挙戦を描ききれないことを前提に苦心した結果でもあるので、深く追及はしないでおこう。

総評:選挙戦というテンプレ

引用元:©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ××」製作委員会

夢子の登場で生徒会は解散を余儀なくされた。それが1期の結末。

そして2期では選挙戦が始まるわけだが、あまりにお約束展開すぎはしないだろうか。

生徒会を解散に追い込んで総選挙を行うなど、他の漫画やアニメでも腐るほど見てきた鉄板ストーリーだ。

ギャンブルでは命の駆け引きが行われ、それなりのスリルを味わうことができたが、賭場を離れると一気に退屈になってしまう。

生徒会選挙自体、元生徒会長の暇つぶし程度に過ぎず、命をかけて聖杯を争うような緊張感は生まれない。

結果命を賭けるキャラに「そこまでする?」という一歩引いた観客目線が生まれ、物語にのめり込むことが出来なかった。

良くも悪くもギャンブルしか見せ場のない作品になってしまっていた。

1期の最終回で啖呵を切った鈴井も、2期では完全に沈黙し、せっかくギャンブル以外で張り合いを持たせるポテンシャルを持っていたのに、出番は減るばかり。

サブキャラを一気に登場させたはいいものの、一人一人のキャラの名前も顔も覚えられず、「何がしたいのか何を成そうとしているのか」も不透明なまま終わってしまった。

夢子も要注意人物としてマークされており、1期のような見下され方をされないので、勝利した後のカタルシスも生まれない。

どの作品も背負う2期の宿命ではあるが、せっかくあれだけ面白かった1期が何だったのか、と思うほどのつまらなさだった。

3期で引き続き生徒会選挙が描かれることがあれば、この2期で行われたギャンブルが初めて意味を持ち、中途半端な終わり方も「3期への架け橋」となるが果たして…

個人的な感想:苦労は見えた

引用元:©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ××」製作委員会

1期と同じようなギャンブルの連続は疲労感を残した。

とはいえ、制作陣の苦労の裏返しでもあることを考慮すべきだろう。

2期ではアニオリキャラである「×喰零」というキャラが登場し、序盤から意味深なポジションとして暗躍する。

彼女の正体に含みを持たせて、最終的に彼女の存在が明らかになるという構成になっている。

なぜ新キャラを追加したのか。いたずらにキャラを追加したのではない。

制作陣は原作の流れのままアニメ化しても、中途半端なまま終わることが分かっていた。

そこで「アニオリのキャラを追う」という形式を取り入れることで、30分12話にアニメとしての面白さを表現しようとしたのだろう。

このようなアニオリキャラは好意的に受け取れるし、もし×喰というキャラがいなければ、もっと中途半端でギャンブルオンリーな展開で退屈を生んでいたに違いない。

その点で制作陣の判断は最大限尊重できるし、しっかりと彼女の存在がアクセントになっており、アニオリキャラと気づかないほどストーリーに溶け込んでいた。

しかし本筋となるストーリーがあまりに一辺倒だったため、せっかくの工夫も焼け石に水だった。

狂ったギャンブルをするという面白さ以外にも、もっとぶっ飛んだ展開があっても良かったかもしれない。

現時点で2期の円盤売上は1000枚にさえ届かず、3期への見通しはかなり厳しい。

と思いきや、賭ケグルイの場合は少し事情が違ってくる。

この作品は動画配信サービス「Netflix」でしか配信されていないアニメで、ネットフリックスが独占配信をするために、製作委員会に多額のお金を払っている。

その額は円盤5000枚と同じくらいの額になる場合もあり、円盤売上の少なさを補填できるケースもあるみたいだ。

2期制作もそれにあやかった前例もあり、3期制作も「ネットフリックスマネー」で実現するかもしれない。

個人的にも選挙戦の続きが気になるので、3期が制作されることに期待したい。

作品に興味がある方は、是非ネットフリックスと契約して視聴してみてほしい。

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