2019年

【2019アニメ映画】「映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説」アニメレビュー





(91点)

交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだったゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、ひょんなことから、女神・アクアを道づれに異世界転生することに。「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、魔王軍の幹部を討伐したり、たまに死んだり……。そんなある日、駆け込んできた紅魔族の少女・ゆんゆんの爆弾発言にカズマたちは凍りつく。「私、カズマさんの子供が欲しい!」事情を聞けば、めぐみんとゆんゆんの生まれ故郷「紅魔の里」が、滅亡の危機に瀕しているという。里を救うために旅立ったゆんゆんを追いかけて、紅魔の里へ向かうカズマたちだが――!?カズマたちパーティを襲う最大の危機!平凡な冒険者カズマが過ごす、異世界ライフの未来はどっち!?TVアニメ「映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説」公式サイト




大人気アニメ「このすば」の劇場版

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (91点)
完走難易度 超易しい

原作は暁なつめ先生。

監督は金崎貴臣さん。

制作はJ.C.STAFF。

劇場版

©2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

2019年に放映された大人気ファンタジーコメディ「このすば」。

アニメ1期が2016年、第2期が2017年に放送され、転生モノの中でも群を抜く異質なストーリーと、個性的なキャラクターとギャグで人気を博したファンタジーアニメ。

異世界転生モノは数あれど、「このすば」ほどふざけている作品もそうはない。(笑)

転生モノで真っ先に思い浮かぶような最強っぷりだったり、ハーレムイチャイチャラブコメのようなウハウハな展開だったりもない。

あるのは残念な主人公と残念なヒロインが繰り広げるドタバタアドベンチャーだけ。

だがそのおふざけこそが、「このすば」という作品が唯一無二として愛される理由でもある。

どんなシーンでも笑いを忘れない。しっかりと1つの1つのエピソードでオチがあり、主人公の鋭いツッコミが入ることで、残念なキャラクターの良さがしっかり引き出されている。

パーティーは残念な戦闘力と残念な性格なキャラクターが多く、初めの草むら的なところに生息する最弱なカエルにさえ苦戦する。

かと思えば、魔王の幹部という最強クラスの敵にはなんだかんだで勝ってしまう。

ずばり意外性。トンチンカンなキャラクターたちが次に何をしでかしてくれるのか。期待でワクワクさせてくれるような素晴らしいギャグアニメだ。

そんなこのすばの劇場版が放映されたのは一昨年の2019年。

当時劇場に足を運ぶか迷っていたことを思い出す。結局行かなかったことを全く後悔はしていなかったが、なんとdアニメ様で新着配信されているのを見つけてしまった。相変わらず優秀優秀。

というわけで予告編をかじった程度で、全く中身を知らない状態から観て、一体どのくらいワクワクゲラゲラさせてくれるのか。期待したい。

らしさ全開

©2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

序盤かららしさ全開だ。

クエストでへまをして報酬がもらえずに周りの冒険者にも迷惑をかける。お互いに責任を擦り付け、重い雰囲気で食卓を囲み、カズマは「こんなの冒険ファンタジーじゃない」と嘆く。

いつものこのすばが劇場版でも繰り広げられる。「これこれ!」と妙な安心感を覚えてしまう。(笑)

そしてこのすばらならではの意外性を序盤から存分に見せる。恋愛に無縁な主人公カズマがゆんゆんという女の子に「カズマとの子供が欲しい」と唐突にせがまれる。(笑)

「モテ期入りました」というカズマのどや顔。(笑) 予告で知っていたとはいえ、まさか過ぎる展開に面を食らってしまう。(笑)

相変わらずの顔芸。そして相変わらずの福山さんの演技。このすばらしさが序盤からMAXで楽しめる。

結局子供の話は、ゆんゆんが騙されていたことで無かったことになるのだが、紅魔の里が心配になっためぐみんとカズマたちは、全員で紅魔の里に向かうことに。

テレポートで召喚された場所でも、オークの群れに襲われるカズマ。序盤で可愛い女の子に子作りをせがまれたカズマだが、今度は醜いオーク(CV小林ゆう)に襲われそうになっている。(笑)

カズマの相変わらずの不憫属性っぷり。(笑)

序盤を見ただけでもノンストップで笑いが押し寄せ、ボリュームたっぷりの劇場版に相応しい渾身の一作という感じだ。

紅魔の里

©2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

めぐみんとゆんゆんの故郷でもある紅魔の里に招かれるカズマたち一行。

一行はオークの魔の手から逃れた後、めぐみんの実家を訪問する。そこで初対面するカズマとめぐみんの両親。

2人はカズマを娘の結婚相手と信じて疑わず、娘が信頼する相手なら、と結婚にもまんざらではない様子。

さらに2人はカズマの資産を聞いてさらに態度を豹変させ、その額の大きさを聞いて目のを色を変えて、「今すぐにでも」と既成事実を作らせようと計らいをする。(笑)

お金で待遇を変え、進んで娘と既成事実を作らせようとする親。(笑) 劇場版の新キャラもキャラクターが濃ゆい。(笑)

さらには母親の計略により、密室に閉じ込められるカズマとめぐみん。眠りこけるめぐみんを横目に、なんとか理由をつけて一緒の布団に入ろうとするカズマ。(笑)

途中で起きるめぐみんはまんざらでもなく、何やらこのすばらしくない恋の予感がしたかと思えば、やっぱりめぐみんの演技に騙されて本性を露にするカズマ。

このすばらしさと、劇場版ならではのアニメ版にはなかった展開。その両方が楽しめる作品で、自然体で笑えるギャグもこのすばらしさに溢れている。

笑わしてやろうという力みがなく、キャラクターがキャラクターのまま突っ走って暴走して、周りを巻き込んでいくから面白い。

しかもところどころに「肩透かし」が潜んでいるからなお面白い。この劇場版でいうところの「モテ期」がまさにそれだ。

普段はモテるモテないどころか、女の子のパンツをスキルで盗むようなゲス野郎が、劇場版では圧倒的に良い思いばかりをしている。(笑)

3億エリスという美味しい話。ゆんゆんからの告白。めぐみんとの関係。魔王シルビアのおっぱいダイブ。

しかしめぐみんといい感じになって、まさかのラブコメ展開に入ったかと思いきや、ちょうど良いタイミングで魔王軍の邪魔が入ったり。(笑)

期待させるだけさせてあっさりと裏切ったり。カズマが美味しい思いをしたらその反動が必ず来る。(笑)

カズマがクズであるからこそ生まれる笑い。タダでは美味しい思いをさせない。(笑)

カズマは不憫であればこそ、肩透かしを食らわせてこそ旨味が出る。それをよく分かっている。(笑)

だがカズマはクズでふざけていて、何もできないタダの主人公ではない。

いっぱしのリーダーとしての顔も持ち合わせていて、頼りになる一面もあり、それがギャップとなってカズマを魅力あるキャラクターにしている。

総評:素晴らしい映画に祝福を

©2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

最初から最後までこのすばらしいストーリーを楽しむことができた。

カズマの不憫属性。厨二でツンデレで爆裂オタクなめぐみん。空気を読めなくて神なのに地味な活躍をするアクア。壁役として活躍するマゾヒストのダクネス。

全員の個性が混ざり合い、それぞれがそれぞれのやり方で活躍する。

美味しい思いをしたカズマはやっぱり最後には痛い目を見る。最後の最後で力のない自分にしかできない「身代わり」という方法で、めぐみんとゆんゆんの合体技によって天に召される。(笑)

モテ期の行く末は死。反動にしては大きすぎるが、その死もアクアの裁量1つでどうにでもなるという緩さがあるからこそ、ギャグとして十分成立してしまう。

そして紅魔の里編らしく、めぐみんとゆんゆんが美味しいところを持っていく大活躍。中盤で明らかになる2人の過去。

妹を守ろうと上級魔法を即座に習得しようとしためぐみんだが、爆裂のために必死にポイントを貯めてきたことを思い出し、妹の命のためとはいえ躊躇してしまう。

それを察したゆんゆんが代わりに上級魔法を習得して、めぐみんの妹を助ける。そんな2人の絆を象徴するようなエピソード。

2人の新しい関係性が見えたところでクライマックスの合体技。シチュエーションの作り方が完璧だ。大迫力のエフェクトも相まって鳥肌がスゴイことになっている。

他のアニメだったらシリアスになるようなシーンでも、このすばはあくまで「面白く」を優先する。適当な発明家が適当に作った物干し竿(ライフル)が魔王を倒すための最終兵器だったり。(笑)

「こんなん分かるか!」と、変なところで伏線を張っていたことが分かったときの力の抜けようときたら。(笑)

しかしギャグだけではないところが憎い。ギャグはギャグで面白可笑しく騒がしく。けれどひとたびバトルになれば、それぞれの持てる力を結集して、みんなで強敵に立ち向かう。

抜きどころとシリアスのバランスも絶妙で、かっこいいバトルシーンのさなかにほんのり笑いがあり、締めて欲しいところはしっかり締めて盛り上げてくれる。

このすばはやはりこのすばだ。これ以上のものは作れない。

そう思ってしまうほど完成度が高く、このすばへの制作陣の愛をヒシヒシと感じるような素晴らしい作品だった。

これほど「みんなが」作品を面白くしようというのが画面から伝わる作品も珍しい。このすばにしかない魅力をスタッフ、キャスト、そしてもちろんファン全員が分かっているからこそ生まれる一体感。

「やっぱりこのすばはこうでなくちゃ!」と何度も思ってしまうようなお約束の展開。

映画ならではの派手なバトルや、アニメと変わらない脱力感のあるギャグシーンが盛りだくさんで、満足感しかない作品だった。

雑感:伝説級

©2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

タイトルに「紅伝説」とある通り、確かに伝説級の面白さだった。

クズなカズマの不憫には何度も笑わせてもらった。これほど清々しい程クズでビビりでバトルでは何の役にも立たないというマイナス面だらけの主人公は他にいない。(笑)

でもカズマを嫌いになれないのは、仲間を思う優しさがあるから。カズマは仲間を「役に立たない」と事あるごとに言いながら、心の中では「個性」だとしっかり認めている。

シルビアとの戦いの中でも戦いの後でも、カズマはめぐみんの爆裂魔法をめぐみんにしかない個性だと認めて、自信を持たせるような言葉や行動を見せている。

短所を伸ばすのではなく長所を伸ばす。そしてその長所をうまく戦術に落とし込む。そして何もできないなりに考えた末に、自己犠牲を選択する。

なんだかカズマが理想のリーダー像のように見えてこないでもない。(笑)

それほど劇場版のカズマはあらゆる場面でちゃんと「主人公」をしていた。素直に惚れた。

めぐみんの可愛さも素直さも二倍増しで、めぐみん推しとしては至福の極みだった。(笑)

アニメで出てきた魔王の出番もあったり、シルビアとウィズやバニルなど、同じく魔王だった者同士の邂逅・バトルがあったり、メンバー揃い踏みという感じで映画ならではの豪華な気分を味わえた。

ただただ満足。このすばを知らない人は今すぐに1期から視聴して、映画まで一気見することをオススメする。




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