2014年 

【2014アニメ】「ログ・ホライズン 第2シリーズ」アニメレビュー





(38点)全25話

シロエたち「冒険者」が、ゲーム「エルダー・テイル」の世界に閉じ込められて、はや半年。
当初は混乱が広がっていたアキバの街も、自治組織「円卓会議」の結成を経て、活気と平穏を取り戻していた。
もともとのゲーム世界の住人であった「大地人」とも、ザントリーフ半島でのゴブリン防衛戦を経て信頼が深まり、大地人貴族の筆頭格であるコーウェン家の令嬢レイネシアは、アキバの街に大使として赴任することとなった

季節はまもなく冬、冒険者たちは、この異世界でいかに行動するか、何を目指すかを、それぞれ模索している。
アキバの街で、西の都で、北の大地で、あるいは遠い異国で、冒険者たちの思惑はぶつかり、交錯する―。

「ログ・ホライズン」第2シリーズ。
はたして、シロエと仲間たちにはどのような冒険が待ち受けているのか!?TVアニメ「ログ・ホライズン 第2シリーズ」公式サイト




ゲームに閉じ込められた冒険者たちを描いた「ログ・ホライズン」の第2期

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (38点)
完走難易度 超難しい

原作は橙乃ままれ先生。

監督は石平信司さん。

制作はスタジオディーン。

第2期

©橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP

ゲームに閉じ込められてしまった現実世界の人間たちが、「冒険者」という肩書の元、異世界で暮らしていくというアニメだ。

第1期からブレスを置かずに観ているが、第1期の最終回からの続きで、主人公が「アキバから出て行く」というところからストーリーは始まっている。正当な続編だ。

他に何も変わりない…と思いきや、なんと第1期とは制作会社が変わっている。サテライトからスタジオディーンに変わっている。

キャラデザも作画も当然だが違う。より丸みを帯びていてファンシーな感じのあったサテライトと比べて、スタジオディーンは全体的に色合いが暗く、シリアスでハードな雰囲気を醸し出している。

少し作品の世界観にそぐわない感じもある。1期でしっくりきていたせいもあるし、続けて2期を観ているので、なおさらそう感じる。

しかもキャラクターの作画が序盤から少し崩れ気味で、半年というスパンで2期を放送したしわ寄せが来てしまっているのかもしれないが、全体的に1期よりもクオリティが間違いなく落ちている。

アニメ界隈では良くある現象とはいえ、制作会社が変わるといろんな想像をしてしまう。例えばNHKがサテライトに失格の烙印を押したとか…(笑)

1期の出来は素直に良かったので、変更する意味はそれほどないように思えるのだが、大人の事情がありそうなので深く考えるのはやめる。(笑)

1期に引き続いて主人公が物語を動かしていく。アキバを運営するためにお金が必要となった主人公は、上手いクエストがあると聞きつけて、1期の序盤以来のすすきのを訪れる。

そこでは禍根を残した悪者との再会もあり、円卓会議で袂を分かった戦闘ギルドの長との再会があり、早速1期の伏線をばっちり回収する展開となっている。

新しい顔ぶれも増えて、主人公の周りはより賑やかになり、キャラクター同士の関係性、主に恋愛においてもさらに進展が見られている。

別作品?

©橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP

別作品かと思うかのような変わりっぷりだ。

まずはデザインがまるっきり違う。全体的に暗くどんよりとしていて、キャラクター同士のやり取りにも1期のような溌剌さを感じない。明らかに制作会社変更がマイナスに働いてしまっている。

キャラクターの思考も気持ちシリアスになっている感覚もある。

そこまで思いつめるようなキャラクターではなかった姫様やアカツキが真剣に悩んでいる。姫様は冒険者のこと、アカツキは主人公、そして自分の存在価値について。

キャラクターの外見だけではなく、内面まで変わってしまっているような錯覚さえ覚える。

まるで別作品を観ているかのようだ。1期でもシリアスはあったが、そこまでキャラクターが思いつめて悩むようなシーンはなかったし、ましてや血が流れたり、仲間の復讐に目の色を変えるようなキャラもいなかった。

キャラクターが痛みに悶えたり、血を流したり。「死」の重みが1期とは比べ物にならないほど重くなっている。

1期と2期。どちらが原作に準拠しているかは原作を知らないので分からない。

ただフラットな目線で判断すると、シリアスで暗いイメージよりも、明るくワイワイとしている方がログホラらしいと思うのは間違いない。

アカツキはいつの間にか弱いポジションのキャラになっている。頼りがいのある忍びとして主人公を護衛していた1期から、明らかに弱体化している。

それはそれで自分自身の弱さと向き合い、さらに強くなるための布石ともなるのだが、1期であれだけ他の冒険者を圧倒していたアカツキとは、どうしても開きを感じてしまう。

主人公を含めたアカツキと直継の3人はそれぞれの分野で最強だったはず。バトルで悪者を退治したときも、それぞれの力が高い次元で融合し、バトルを盛り上げる一助になっていた。

それが1期ではすっかり他の冒険者に追い抜かれてしまったのか、単に弱いところから強くなるという過程を描きたいだけなのか、パワーバランスが良く分からないことになっている。

どうしてこうなってしまったのか。作画が崩れかかっている問題といい、序盤から視聴意欲が少しそがれてしまっている。

ついでに1期と2期でOPが変わらないのにも納得がいかない。こんなことは初めてだ。

このシリアスが中盤以降どう転んでいくのか。このデザインにストーリーが追い付いてくれば何の問題もない。

©橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP

中盤で「ログ・ホライズン」の若造たちがバッグを作るための材料を得るための旅に出る。

アキバを出て新しい世界を見て成長をするために。旅の醍醐味を味わうために。

それは分かる。だが特に興味が湧かないことを見せられているという気分だ。

主人公などの主要なメンバーは一切関わらず、若造だけの旅。しかもその大元の目的が「バックの材料をゲットする」という何とも地味なもの。

1期の終盤で出てきた何やら訳ありの女性は、2期にはほとんど絡んでこない。

ミナミやイーストなんちゃらなど、他の国にも特に大きな動向はなく、新キャラだけが続々と増えて、わけのわからない状況になっている。

総評:微妙

©橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP

1期とは別作品のようなシリアスな世界観が終始続いた第2期だった。

デザインはもちろん、キャラが思い悩むシーンが明らかに多くなり、全体的に天気やストーリー含めてどんよりと重い雰囲気で、1期であった快活なギャグややり取りは散発的で、抜きどころが少ない2期だった。

序盤では怨念をまとった大地人がアキバで通り魔をして、主人公不在の中、アカツキを中心に立ち向かっていくというストーリー。

中盤には主人公のダンジョンでの戦いに結構な尺が費やされ、そして若造たちの旅の途中でも事件が起き、大地人とミナミの策略にハマってしまい、冒険者の中に現実世界への帰還を望んでいる人が多くいることが明らかになる。

どのエピソードも暗い。まず1期でなかった血が出る描写や、骨が砕けて肉がひしゃげるような生々しい効果音。

そこまで露骨ではないが、1期では全くなかったものが急に2期では出てきて、気分がいいものではない。

そしてエピソードの中身。それぞれのエピソードで各キャラの悩みや本音というものを掘り下げる内容になっており、「葛藤」という部分が1期とは比べ物にならないほど強調されている。

序盤のアカツキは自分の非力さを嘆き、どうしたら口伝という必殺技を身に付けられるか、どうしたらもっと強くなれるか、というのをとことん悩み抜く。

1期ではアカツキが悩むシーンなどあっただろうか。あったとしてもそれほど深刻に自分の弱さを嘆くシーンなどなかった。

むしろアカツキはゲーム内では「強い」部類に入っているはずで、修行や他のプレーヤーに教えを乞うようなポジションではなかった。

中盤のミナミの策略にしてもそうだ。そもそも「若造たちの旅」という正直興味の欠片もないストーリーの時点で視聴意欲がそがれている。

どんな時でも主人公が糸を引いていた1期とはまるで違う。もちろん主人公が絡んではいるのだが、旅をしてバッグの素材を集める若造のシーンが一体何になるのだろうか。結果的に何にもなっていない。

若造たちは至って平和な旅路の途中で、予想通り事件に巻き込まれる。それはミナミが仕組んだ策略で、「モンスターに飛び込んでわざと死ぬ」という異常な行動をする冒険者たちを目の当たりにする。

そのシーンの時点で明らかに異常だ。自殺を図ろうとするなど、もはや作品の世界観から大きく逸脱しているような気さえする。

その行動の裏には「現実世界への帰還」という願いがあることが明らかになる。確かに冒険者たちは勝手にゲームの世界に召喚され、「現実世界に戻れないのなら好き勝手にしてもいい」という考えは、大いに理解ができる。

だからといって街をめちゃくちゃに荒らして、大地人を実験の道具にして、生き返るとはいえ、自分で何度も命を投げ出す異常者がいて。という絵とは整合性が取れない。

そんな絵はログホラではない。1期のログホラにも異常者はいたが、必ず悪を成敗する主人公がいて、必ず事件は解決している。

2期では尺が長い上に解決をしていない。伏線は残ったまま。

「現実世界」というところを掘り下げ、若造たちは現実世界にいたころの記憶を呼び起こし、この作品で初めてと言っていいと思うが、「現実世界の頃の自分」というのを振り返るシーンがそれぞれにある。

各キャラが立ち止まって、自分がこの異世界でどう生きていくべきなのかをもう一度見つめ直す。その視点は今までのログホラにはないもので、大切なシーンだ。

だが今更感は否めないし、やっぱりシリアスが過ぎる。前向きになるまでの過程もやけに長く、かつ暗い。

どのシーンをとっても、1期とは比較にならないほどシリアスになっている。1期の明るさはどこへやら、まるで別の作品を観ているかのような感じだ。

作画も序盤から不安定で、バトルのカット数も削られているように見える。スタジオディーンは過去に問題作もあり、もちろん責める気は毛頭ないが、なぜサテライトのまま行かなかったのかという疑念が大きい。

観たいものが描かれず、観たくないものばかり見せられる。そんな2期だった。

雑感:3期?

©橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP

3期が今現在放送されているが、この2期を挟んでの3期は正直信じられない。

1期のままの面白さだったら3期も十分納得できるが、2期でいろいろ変化が大きすぎて、3期が本当に望まれたものなのか。信じられない気持ちだ。

葛藤やバトルでのシリアスなど、多くは必要ない。

僕が求めているのは少なくとも、主人公のカッコよさや「いつメン」の和やかなムード、お馴染みのやり取り、アカツキの可愛さ、主人公を巡っての恋愛バトルなど、至って平和なもの。

カレーを食べたい気持ちでカレー屋に入って注文をしたら、ハヤシライスが出てきた。そんな感じだ。(笑)

3期は恐らく当分のこと観ない。生きているうちに観るかどうかも分からない。それほどに落差の大きい2期だった。

1期を観た人にもあまりオススメはできない。どうしても3期まで追いかけたいという人だけが観ればいい、というような作品だ。




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