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【2019アニメ】「群青のマグメル」アニメレビュー

(22点)全13話

突如、世界の中心に現れた新大陸・マグメル。未知なる生物や資源が眠る大陸の出現に、世界は再び探検家時代に突入!そんな欲望渦巻くマグメルで少年・因又は、探検家たちの救助を生業としていて…。TVアニメ「群青のマグメル」公式サイト

探検家の救助を生業とする主人公と助手の活躍を描いた冒険ファンタジー

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (22点)
完走難易度 超難しい

原作は第年秒先生。

監督は伊達 勇登さん。

制作はぴえろプラス。

マグメル

引用元:第年秒/翻翻動漫・群青のマグメル製作委員会

物語の中心となるのは「マグメル」という新大陸。

そしてそんな新大陸にロマンを求める主人公の冒険を描いた作品…ではない。

主人公は冒険家ではなく、冒険家を救助することを生業としている。

救助の依頼を受けてマグメルに行き、依頼に沿って救助をするというストーリーになっている。

王道な世界観ながら王道からかけ離れた設定は興味を引くが、「ハイ・コンセプト」と呼べるほどの作品ではなかった。

1話完結

引用元:第年秒/翻翻動漫・群青のマグメル製作委員会

このアニメは1話完結型のストーリーになっている。

マグメルで誰かがピンチに陥り、依頼者が主人公に救助の依頼を出し、依頼を受けて助けに行って一件落着、という流れだ。

いわゆる「水戸黄門方式」というヤツで、ピンチになるけど結局は主人公が全て持っていく。

基本的にこの手の冒険ファンタジーモノの作品で、1話完結型がとられることはあまりない。

作品のジャンルを問わず、回を追うごとに深まっていく謎だったり、キャラの関係性だったり、新しい発見だったりがあってこそ、12話で構成するアニメらしさを活かすことができる。

1話完結にしてしまうと、1話に起承転結を押し込める必要があるので、どうしても展開が単調で薄っぺらくなってしまう傾向にある。

水戸黄門では、オチが分かっていながら楽しめる面白さがあるが、原作の名前も知らないような初見の作品で楽しむのはムリな話。

いかに序盤で謎を仕込んで中だるみすることなく、終盤の謎解きだったりラスボスに挑む流れを作れるか、というところにかかっている。

しかしこの作品では1話完結をとってしまったことで、主人公が依頼を受けて助けに行くというお馴染みの流れが単調化してしまい、序盤にして退屈が生まれてしまっていた。

第1話

引用元:第年秒/翻翻動漫・群青のマグメル製作委員会

第1話は作品の世界観やキャラを紹介するためにある。

このアニメでも最初にマグメルのことや主人公のことが語られる。

そして1話も、その後に恒例となる依頼を受けて解決する流れになっている。

1話のストーリーは、主人公がとある子供の依頼で、子供の兄を探しに子供も同伴してマグメルへ行くというもの。

幸い兄は生きていたが、実は兄は悪い人間で、弟を私欲を満たすために殺してしまう。

主人公にも食ってかかるが、主人公がラクラク返り討ちにして、死んでしまった弟と一緒に埋葬して終わる。

弟は病弱ながらも、命の危険があるマグメルに兄を助けるために乗り込む。

しかし報われずに兄に殺されて死ぬ。

病弱な弟を死地に連れて行く意味はなんだったんだろうか…不思議でならない。

しかも病弱な上に何の救いもなく死んでしまう鬱展開で、1話から視聴意欲をそがれてしまった。

さらに弟を殺したとはいえ、兄を躊躇なく殺してしまう主人公の倫理観にも疑問を抱かざるを得ない。

期待していた冒険ロマンとはかけ離れた殺戮ショー。

理由も特にないのに子供の依頼を断ったり、何か深い考えがありそうで全くない主人公の言動や態度もすかしていて悪印象を与えていた。

邪魔なギャグ回

引用元:第年秒/翻翻動漫・群青のマグメル製作委員会

5話で突然ギャグ回になる。

急に誰かも知らないおじさんがモンスターに襲われて生命の危機に瀕し、ション便を漏らしながら鼻水を垂れるという何とも汚らしい絵で始まる。

そしてほぼ1話分使ってそのおじさんが実は主人公が翻意にする武器屋の主人だということが回想を使って示され、最後の2,3分で主人公が助けに入る。

作品の世界を壊しかねないほどの低レベルなギャグと演技。

「主人公がおじさんのお店の商品を悪質な手段で値下げさせておじさんを命の危険にまで晒す」という、作品のストーリーラインとは全く関係のない回想をダラダラをした上に、結局最後は主人公が助けて予定調和な展開で終わる。

おじさんが主人公に不当な扱いを受けていることは分かったが、1話分回想で使うのは明らかに尺の無駄づかい。

不憫な脇役キャラを演出したかったのかもしれないが、主人公の意味不明な行動によって命を落としそうになる場面もあり、ブラックジョークにしても全く笑えなかった。

11話から本編

引用元:第年秒/翻翻動漫・群青のマグメル製作委員会

11話までは退屈以外の何物でもない。

依頼をこなすだけの単調なストーリーで、キャラ同士の対立もなければ、「新大陸」という世界観を活かしたアツいバトルや冒険も全くない。

一番問題なのは主人公が主人公をしていない。

いつも依頼を受けてこなすだけの機械。

依頼を訳もなく断ったり、深そうで全く意味が分からないセリフを吐いたり、上から目線で説教を垂れたり。

目的を持つわけでもなく怠惰な生活をしていたうえに、人間性にも全く魅力を感じられず、ただ美味しいところを持っていくだけのずるいキャラだった。

しかしそんな主人公が11話にしてついに行動を起こす。

助手がラスボスに連れていかれて、助けるために単身でアジトに乗り込む。

そこで主人公は初めて「助手を助けるため」に行動を起こす。

11話にして主人公が主人公らしくなり、囚われの姫を助けに行く主人公は王道ながら燃える展開だ。

もっと早くに主人公が覚醒していれば、もっと面白い作品になったのは間違いない。

依頼される側だけではなく、自分が誰かに依頼してもいいし、強くなるために修行をするでもいい。

何でもいいが、とにかく能動的に主人公が行動して周りをどんどん巻き込んでいくストーリーの方が確実に面白い。

決して11話以降も面白いわけではないし、ツッコミどころも満載なのだが、主人公が目的をもって行動をしたというところは良かった。

ラストが雑

引用元:第年秒/翻翻動漫・群青のマグメル製作委員会

ラストの展開が何ともお粗末だった。

ラスボスは昔助手を実験台にしていた悪者なのだが、そのラスボスが紹介もなく急に登場する。

「え、あなた誰ですか?」状態から始まり、そいつが助手をさらうために助手に、自分と主人公のどちらが本当の主かを、人質を使って吐かせようとする。

そんなことを聞くなら縛ってでも気絶させてでも連行すればいいものを、律儀に「本当の主が自分だ」と言わせてから連行する。

そんなお利口なラスボスなど見たことない。(苦笑)

しかも人質となるのが5話で出て来たおじさん他、各話で使い切った何の思い入れもないキャラたちなもんだから、そもそも人質として成立しているのかも怪しい。

キャラの関係性は、「依頼する側とされる側」の範疇を超えたことは一度もなかった。

確かに助手はその少し前の話で、自分のレディとしての魅力を挙げるための冒険に、各話のキャラに同行してもらってたという「恩」はある。

しかしそれでも「親族」「親友」「恋人」など、繋がりの深い人を人質に取られるのに比べて明らかに関係性は薄い。

にも関わらずラスボスによって、各話で依頼してきたキャラを人質にとられたと分かった助手は、「その人たちに手を出さないで!」と何故か効果てきめん。

1話完結でキャラの関係性など構築できていないに等しいはずなのに、なぜ助手の心は揺さぶられたのか。

その後のラスボスと主人公の戦いでも、それまで高い戦闘力を誇示してきたはずの主人公が沈黙し、ラスボスにおもちゃのように弄ばれる。

何か理由があるのかと観進めたが結局は何もなく、それまでのやらっれぱなしが嘘のように一撃でKOしている。

助手を助けるためにラスボスと対峙し、一撃で倒せるはずなのに無駄にバトルを引き延ばした上に、結局は一撃で倒す。

迫力のあるバトルが繰り広げられるでもなく、無駄にバトルで尺を引き延ばして、予想通りに落ちつく。

意味もなく回想の時系列を前後させたり、何回も同じ回想を見せられたり。

あまりのクドさにイライラが止まらなかった。

総評:ハラハラドキドキしない冒険譚

引用元:第年秒/翻翻動漫・群青のマグメル製作委員会

「新大陸」というワードが出る時点で、ハラハラドキドキの冒険譚を容易に想像できる。

ライバルの存在。魅力的なヒロイン。失敗や挫折。強いモンスターとの戦い。まだ見ぬ景色との出会い。

冒険ファンタジーアニメでありながら、そういったハラハラドキドキがない作品というのは異質というより論外だ。

ラスト2話を使ったラスボスとの戦い以外は、基本1話完結で依頼主も毎話交代する。

1話の半分の尺でも十分なストーリーを無駄に引き延ばした感があり、主人公と依頼主の関係性だったり、依頼主の内面だったりが全く見えないまま終わってしまっていた。

依頼をこなす一連のストーリーでも、ツッコミどころが満載。

1話でいきなり気分を害する殺戮ショーが始まり、3話では依頼主の友達が怪物に変身し、4話では孤児院を救うために狂気に染まる謎の女性が出てきて、5話では何の前触れもなく滑りまくりのギャグ回が始まり、8話ではコーヒーを出してくれないおじさんが出てきて。

使い切りのキャラたちによる安い人間ドラマ程寒いものはなく、感情移入などできるはずもなかった。

主人公は11話にして初めて主人公らしい振る舞いを見せるようになるが、それまではただ依頼を受けて何の苦労もなく依頼をこなすだけの、感情のない機械でしかなかった。

さらに主人公と助手がコンビを組んで活動する「バディもの」でありながら、2人の関係性は結局進展しないまま。

原作は中国人の漫画家であり中国資本が入っている影響か、キャラの作画はいかにも中国という感じで、目が不自然に大きくまつ毛までしっかりと濃く描かれるキャラ絵は受け入れられられない人もいるだろう。

外見にも問題があるが、キャラの内面や関係性を描くことを完全に無視しており、他の人気作品の世界観を丸パクリしただけの低レベルなアニメだった。

個人的な感想:見飽きた

引用元:第年秒/翻翻動漫・群青のマグメル製作委員会

この手の作品は正直見飽きた。

なんでも作者さんは「トリコ」「ワンピース」「HUNTER×HUNTER」の大ファンであるらしく、作品の世界観もトリコに影響を受けているらしい。

他にもジャンプ系の王道冒険ファンタジーからインスピレーションを貰っているらしく、確かに共通点も多い。

しかしトリコやワンピースのどこをどう参考にしたのかすら伝わってこない。

パクリ以前の問題だ。

主人公は全く冒険をしないし、新しい仲間との出会いもないし、そもそも元いるキャラとの絆すらない。

パクリと言われない程度に変化を加えた結果、肝心の中身がおろそかになってしまったのだろうか。

調べたところ原作ではもう少しバトル多めで、アニメでは分からない主人公や脇役の魅力が描かれているらしい。

見たことある世界観でストーリーもつまらない。

30分13話を観るのが苦痛でしかない作品で、暇を持て余したクソアニメ愛好家にはぜひ観て欲しいアニメだ。

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