☆☆☆☆☆(3点)全12話
異世界の敵と戦う高校生を描いたバトル×ファンタジーアニメ
ストーリー | ☆☆☆☆☆ |
作画 | ☆☆☆☆☆ |
面白い | ☆☆☆☆☆ |
総合評価 | ☆☆☆☆☆(3点) |
完走難易度 | 超難しい |
原作は久慈マサムネ先生。
監督は古川博之さん。
制作はプロダクションアイムズ。
ハーレム×エロ×バトル
引用元:©2015 久慈マサムネ・Hisasi/KADOKAWA/魔装学園製作委員会
ハーレムとエロとバトルを組み合わせた世界観。
アニメファンにとっては既視感しかない、王道を地で行くハーレムアニメだ。
1話の冒頭から主人公がヒロインのお尻を揉みしだいて、ヒロインが喘ぎ散らかすという強烈なシーンから始まる。(笑)
観る人それぞれだとは思うが、視聴意欲を一気にそがれてしまった。
そしてそこから大掛かりな過去回想が始まるというストーリーだが、もはやどうでもいい。
最初から視聴する人を選び取るようなエロシーンを堂々と入れるのは悪手でしかない。
エロが大好きな人ならまだしも、エロに嫌悪感を抱くフェミニストが観たら激怒ものだろう。(笑)
明らかに視聴者に媚びるような構成だし、終始「こういうエロ好きだろ?」という思惑が見え隠れして全く作品に入り込めなかった。
エロシーン
引用元:©2015 久慈マサムネ・Hisasi/KADOKAWA/魔装学園製作委員会
このアニメはエロシーンが満載。
というのも主人公には特別な力があり、女の子にエッチなことをすることで「ハイブリッドカウント」というエネルギーが充填され、女の子の能力を高めることができる。
バトルでピンチになるたびに、女の子の胸を揉みしだいたり、イケナイ箇所に手を伸ばしたり…
そうして女の子を気持ち良くすれば強くなる、という寸法だ。
一応規制は入っているものの、声優さんが思い切り喘ぎ散らかすし、主人公もノリノリで攻めるもんだからただのエロシーンとそん色はない。(笑)
しかも質が悪いことに、このエロシーンのせいでバトルのテンポがかなり悪くなっている。
日常からバトルシーンへと移行し、毎度のごとく敵方の強さに苦労してピンチになって、そこで一旦エロシーンを挟むことになる。
毎度のごとく流れをぶった切るようなエロシーンのせいで、せっかくの緊張感が台無しになる。
さらにはエロいことをして強くなるというパターンが単調化していて、「敵が強い→胸を揉んで強くなる→倒す」という黄金パターンが確立されてしまっていた。(笑)
展開が容易に想像できてしまうことほどつまらないものはない。
「どうせ胸を揉んで強くなって終わりでしょ?」という視聴者の予想通りに事が運び、実際にそうなる。
オチが分かってしまっているので、間にある様々な対立や葛藤も淡泊になってしまっていたし、遠回りをしている印象を与えてしまっていた。
主人公がさっさと胸を揉んでしまえば解決するのに、ヒロインが主人公に助っ人を要請したり、要請したかと思えば引き返してきて、やっぱりヒロインにエッチなことをしたり。(苦笑)
本来ならば、敵を倒す過程でムードを高めるための重要な伏線になるはずのシーンが、全部無駄に思えてしまう。
もはやアニメとしての体を成しておらず、ただのエロを見せたいだけのアニメと化していた。
分かり切った展開
引用元:©2015 久慈マサムネ・Hisasi/KADOKAWA/魔装学園製作委員会
展開が分かり切っているからつまらない。
序盤に主人公がエロいことをすることで強くなるという設定が明かされ、その時点でストーリーの可能性はかなり狭まることになる。
そこから全員がビックリするようなどんでん返しがあるわけでもなく、ただ胸を揉んで強くなって倒すだけの退屈な展開に終始した。
よくこれだけ低品質なアニメを放送できものだ、と感心すらしてしまう。
実際に打ち切りになった放送局と制作陣とでいざこざがあったらしく、打ち切りになった放送局の言い分としては「放送する予定は最初からなかった」というもので、驚きを通り越して言葉が出ない。
放送局の意思統一が出来ていなかったのか、はたまた責任逃れをするための口実なのか。
真相は分からないが、そもそも放送できないような作品を作った制作サイドの責任は大きい。
制作陣の明らかな怠惰で、全くストーリーを面白くしようとする気概が感じられない。
作画を見ても一発で分かるように、予算やスケジュールが厳しかったのは伝わってくるが、もう少し工夫をして欲しかったし、適当に作るくらいなら放送してほしくなかった。
作画崩壊
引用元:©2015 久慈マサムネ・Hisasi/KADOKAWA/魔装学園製作委員会
作画崩壊がストーリーに入り込めないレベルで酷い。
日常シーンでも当たり前のように崩れるし、崩れるを通り越して「溶ける」という表現まで行ってしまっていた。
バトルではもちろん躍動感の欠片もない。
カット数が明らかに足りておらず、止め絵を多用して何とかごまかしてはいたが、バトルの迫力は全く微塵も感じられない。
かと思えば見せ場のお色気シーンでは、渾身の力を込めて描かれており、きらめく肌の質感とかキャラのうっとりとした表情など、かなり細部にこだわって描かれていた。
エロに作画のパワーを全振りしていて、一周回って気持ちが良いという印象だ。(笑)
主人公
引用元:©2015 久慈マサムネ・Hisasi/KADOKAWA/魔装学園製作委員会
アニメレビューでは毎度の如く書いているし、これからも鋭く突っ込んでいくが、主人公が全く主人公をしていない。
しかし何もしない主人公がいる中で、このアニメの主人公は「ヒロインにエロいことをする」という役割を全うしてはいる。(笑)
だがエロいことをするだけの主人公とは、一体どんなお笑いだろうか…(苦笑)
自分の非力さを嘆くばかりで、強くなるための努力を何もしない。
それなのに終盤、主人公はバトルに何の振フリもないまま参戦する。
それまで全くバトルでは役に立たず、ヒロインたちの攻撃を防ぐ「壁」としての役割がせいぜいだった主人公が、いきなり戦闘要員に昇格し、しかもヒロインを食ってしまうほどの大活躍を見せる。
それまでの「接続改装」というヒロインが強くなるための儀式を全て無に帰すような展開に、文字通り開いた口が塞がらなかった。
「接続改装」にはもう二段階上の「連結回想」というものがあり、接続改装よりもはるかに強力なエネルギーをヒロインに与えることができる。
しかしその連結回想でも倒せないような敵が登場し、そこでなぜか主人公がいきなり覚醒して、敵を蹴散らしてしまう。
じゃあ何のためのエロ儀式で、それまでヒロインに費やしてきた時間は一体何だったのか…
もはや前後関係など全くない、ただのエロアニメと定義しても何も問題はなかった。
総評:もうめちゃくちゃ
引用元:©2015 久慈マサムネ・Hisasi/KADOKAWA/魔装学園製作委員会
全てにおいてツッコミどころ満載で、アニメを観ていた時間を返して欲しいとここまで思う作品も珍しい。
1話の冒頭から早くも見せ場のお色気シーンが始まり、視聴者に媚びを売るような展開で一気にしらけてしまった。
そこからエロで覚醒するという世界観の説明があり、終始エロで覚醒して敵を倒すだけの単調なストーリーが続く。
変化を加えるために主人公が突然覚醒したり、それまで脇役だったヒロインが初めて戦場に立ったかと思えば、とてつもない力で正ヒロインたちが苦戦した敵をあっさりと倒す。
主人公も脇役だったヒロインも、能力のポテンシャルを感じさせる描写などは一切なく、いきなりヒロインの存在価値を消すかのような大活躍を見せる。
前後のストーリーの流れを全く意識していない適当な脚本。
もはやギャグアニメとして観るくらいがちょうど良い作品だ。(苦笑)
クライマックスでは敵方の幹部を倒して終わっており、一応ストーリーとしてはまとまった終わり方になっている。
しかしだいぶ駆け足になっており、敵を倒した直後に慌てたように即EDが入り、後日談もないまま正ヒロインの妹を名乗る謎の少女が現れて「to be continued」で終わる。
続かないことは明らかなのだが、謎を残す終わり方で全くスッキリはしない。
作画も日常バトルシーンともに見られるものではなく、カット数をごまかすために止め絵を乱用していたために迫力の欠片もなかった。
見せ場のお色気シーンだけはしっかり作り込んでいたが、もはや「エロ」しか印象がないアニメになってしまっていた。
成長する気概を持たない主人公にも、少しクサいセリフを吐かれただけでコロッと落ちてしまうヒロインにも、全く魅力を感じない。
敵の親玉である主人公の母親の意図についても触れられておらず、気持ち悪さだけが残ってしまった。
個人的な感想:胸を揉んだ印象しかない
引用元:©2015 久慈マサムネ・Hisasi/KADOKAWA/魔装学園製作委員会
もはや胸揉んだ印象しか残っていない。
制作陣も堂々と「エロ」を一番の売りにしており、「エロを見せたいならエロアニメを作ればいいのでは?」と思うのは私だけではないはず。
同じような世界観のアニメで「ハイスクールD×D」という作品があるが、そちらでは魔装学園と同じようにバカらしい世界観ではあるものの、本気でバトルをしながらエロもしているし、はるかに面白い。
主人公はエロいことに目がない変態ではあるものの、もっと強くなりたいと思いながら行動にも移すし、ヒロインのために自分を犠牲にすることも厭わない。
さらにそのヒロインとの関係性にも気を遣っており、徐々に関係を深めて好きになっていく過程も楽しめる。
やりようによっては面白くすることができたのに、なぜこうなってしまったのか…
打ち切りになった後に放送局サイドが、「事前に放送しないとの旨を制作サイドに伝えていた」と説明する作品など聞いたことがない。
本当に放送しないつもりだったのか、それならなぜ放送したのか、それとも責任逃れをするために嘘をついているのか…
責任逃れのためであれば、それだけ局にとっては汚点になりかねない作品だったということだし、アニメ業界の闇を感じる。
全てにおいて後味の悪さだけが残る作品だった。
ギャグアニメとして笑いながら観るのが丁度良いと思うので、興味がある人には一度視聴してほしい。