2018年

【2018アニメ】「三ツ星カラーズ」アニメレビュー





(36点)全12話

上野の公園にひっそりと佇むアジト。そこにいるのは3人の小学生の女の子たち――。そう、彼女たちこそ上野を守る正義の組織「カラーズ」!! 結衣、さっちゃん、琴葉の3人は今日も平和な上野の平和を守るため、日夜(嘘、夕方まで)街を駆け回るのである!!TVアニメ「三ツ星カラーズ」公式サイト




上野の平和を守る3人の少女を描いた日常アニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (36点)
完走難易度 超難しい

原作はカツヲ先生。

監督は河村智之さん。

制作はSILVER LINK.。

カラーズ

©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

秘密基地を持つ「カラーズ」という少女3人の正義の組織が活躍する物語。

ただし市民の平和を守るというのは名目上で、その実、秘密基地でダラーッとしたり、真っ先に警察に頼ったりと、正義の味方と呼ぶには少し頼りない。(笑)

小学生3人の集まりで結成する正義の組織。小学生なら誰しも夢見ることだ。正義の味方になる。秘密基地を作る。

流石にヒーロー活動と称して、街中を練り歩くまでは小学生でもなかなかできることではないが、作中の3人は事件の匂いのするものにどんどん首を突っ込んでいく。

3人の子供を見守る親のような気持になれる作品だ。年相応の可愛さと危うさを持ち合わせた3人を温かい目で見守る。至ってシンプルなアニメだ。(笑)

ただ3人の日常を描くのではなく、「大人」が介入してくるのもポイントだ。警察官をしている斎藤とミリタリー屋のおっちゃん。2人はかなりの頻度で登場し、3人と絡んでいる。

特にこういった日常系のアニメでは、国家権力である警察を巻き込むことでさらに面白さが生まれる。

天才バカボンに始まり、最近だと日常というアニメで、警察を平気で殴るシーンがあるように、警察との関わりでギャグアニメは一層面白くなる。

このアニメに登場する警察官も大人げない癖のあるキャラクターとして描かれている。子供たちを「クソガキ」と呼び、子供たちと対等のポジションで、子供たちに頼られたり、馬鹿にされたり、馬鹿にしたり、勤務中に一緒に遊んだりとかなりフランクな関係だ。(笑)

3人が大人の力も借りながら事件を解決していった先に何が待っているのか。強烈な引きがあるわけではないが、「はじめてのおつかい」を観ているような安心感と親心が芽生える作品だ。

そして上野には個人的にも思い入れがある。上野駅は様々な在来線が混在しており、よく中継駅として利用されることが多い。

私もよく上野〇京ラインとか京〇本線とか、山〇線とか、京〇東北線を使ったものだ。(笑)

特に上野駅の不忍口から出て、京成上野駅まで歩く道は大学時代に嫌と言うほど通った道だ。千葉方面に行くためには京成線に乗り換える必要があるのだ。

さらに、仲の良い友達の最寄り駅が上野だったこともあり、遊びに行った際には一緒にアメ横や上野恩賜公園などを散策したものだ。(笑)

作中でも見知った景色が立ち並んでおり、大学時代の懐かしい気持ちが蘇ってくる。美術さんの素晴らしい仕事も相まって、まるでその場にいるかのような再現度になっているのも、上野ファンとしては嬉しい。

教育

©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

上野の平和を守る。それは組織の体裁に過ぎない。

実際の活動はグータラするか、大人からの簡単なミッションに挑むというもの。

お使いを頼まれたり、爆弾を解除するためのヒントを探したり、金庫を開けるためのヒントを探したり。

多くのミッションで「大人」が関与している。大人が用意したミッションを子供が解決する。そう、大人の関与の仕方がそっくり教育の形になっている。

課題を与えて考えさせて解決に導く。自分たちでミッションを見つけて挑むケースもあるが、半分は大人の介入によるものだ。

子供の成長を大人が優しく見守る。課題を用意して考える力を養い、成功体験を与える。上野という街全体が子供を育てているかのような温かみのある世界観だ。

お堅い大人たちが集まる街ではこうもいかない。子供だからと容赦せずに作った秘密基地を平気で壊したり、ヒーローごっこをして健気に頑張る子供たちに嘲笑の目を向ける大人もいることだろう。

その点、このアニメではそういった大人は一切登場しない。唯一斎藤だけは子供たちを街から排除しようとするほど毛嫌いしているようだが、それは冗談半分で、疎んじながらも子供たちのペースに合わせる目線も持っている。

上野という歓楽街として発展してきた地域性が、アニメの雰囲気にも反映されている。子供がすくすくと育つような寛容さがこのアニメの特徴だ。

だが反対に寛容であるが故の「甘さ」も目立つ。

子供たちの行動は子供らしい奔放さが故の迷惑行為にもなっている。

ペンキ塗りたての道を走り回ったり、「うんこ」と叫びながらパン屋に突入して、怒られた後に「ばーか」と罵しって退店したり、動物園の入り口で布団を広げたり。

自分が子供のときなら怒られてきたようなシーンで、誰も子供たちを叱ることをしない。

それが教育上良くないという捉え方もできてしまう。各々のモラルの問題でもあるし、単に叱るというシリアスなシーンを排除する意図が制作陣にはあったのかもしれない。

ただ悪いことをしたら叱られる。そして謝る。それを教えるのも大人の役目だ。このアニメに登場するキャラクターは、子供たちを甘やかしてのさばらせている。そういう見方もできてしまっている。

耳がキーン

©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

先に謝っておく。申し訳ない。

3人の女の子のうち、金髪の女の子の声を担当している声優さんは声優界きっての高音。典型的なアニメ声だ。

それが結構耳にキーンと来る。主要キャラなので当然セリフ量も多く、結構な頻度で脳髄まで響くような高音を聞くのは、正直ストレスだ。

もっと踏み込んだ表現をしてしまうとイライラする。脳みそが彼女の声を「声」ではなく「雑音」と認識してしまっている。

もちろんこれは個人への攻撃でも何でもない。ただ高音が耳になじまないというだけの話だ。ロリ好きで高音が苦じゃない人にとっては至高なのだろう。

だがいくら少女の声と言っても高音がすぎる。ペトラのようなワンポイントで登場するようなサブキャラだったら問題はないが、メインとなると一気にツラい。

総評:教育テレビ

©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

一部分を切り取れば、NHKの教育テレビで放送されていても全く違和感のない作品だ。

カラーズという少女3人のヒーローごっこ。それを温かく見守る上野の街全体の雰囲気。

ハロウィンにゾンビゲームを勝手に開催すればノリノリで参加し、子供たちが面白いことを探していれば、協力して解決できるような課題を与える。

街全体が親目線でカラーズを見守る。ときたまに行き過ぎて怒られることもあるが、それも自由奔放な子供時代の特権でもある。

ほのぼのした気持ちで楽しめる日常アニメだ。笑えるシーンは特にないが、それでも子供たちが、子供のときにしかできない遊びを人目を気にせずに思い切りして、それこそ怒られることを恐れない向こう見ずさは、子供にしかないものだ。

警察やおっちゃんを巻き込みながら、とにかく自由奔放に街を駆け回る。それがこの三ツ星カラーズという作品だ。

だがどこまで行っても日常アニメだ。1話ごとに何か変化があるわけでもない。

何かを得て大人になるわけではない。変化や成長がなければアニメは面白くならない。

何度も他のレビューでも言っている通り、日常アニメは苦手だ。特にありふれた日常を描いた系の日常アニメは、ギャグもないので単純につまらない。アニメに求めるスペクタクルが全くないからだ。

このアニメも残念ながら例に漏れない。少女たちが上野という街でヒーローごっこをする。そこから何かを学んだり、変わろうとすればストーリー性も生まれるだろうが、それだと脱線してしまうリスクもある。

だが描けないこともない。実際にそういった日常アニメもある。停滞を選んだ時点でこの作品は好みから外れてしまっている。

だが日常らしい緩さがあると同時に、子供らしくない言動、NHKでは放送できない行動が随所に見られるのも問題だ。公衆の面前で下ネタを平気で叫び、他の人の迷惑も考えずに勝手な行動を取る。

それに対して寛容な態度を大人たちは取るが、それが逆に甘さや教育放棄という見方に繋がっている。

悪いことをしたら叱る。謝る。子供たちは反省してすくすくと成長していく。東京の下町はそうやって人を育ててきたはずだ。

叱られて反省して成長する。そんな子供らしい振る舞いを見せれば多少は「クソガキ感」も抜けていたかもしれない。(笑)

雑感:上野

©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会

懐かしい上野の景色を堪能できた。正直それくらいしか感想がない。

少女3人のヒーローごっこ。実際はヒーローでもなんでもなく、ただ単に遊んでいるだけ。

子供という立場や、職務を放棄しがちな警察を活かしたブラックジョークとか、子供離れした言動とか、枠からはみ出した何かがあっても良かったかもしれない。

後はごっこではなく、ごっこのつもりがガチの事件を解決していたとか、少年探偵団的な活躍があっても面白かったかもしれない。

子供が好きで日常アニメが好きな人はハマるかもしれない。気になる人はぜひ観て欲しい。




COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です