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【2020アニメ】「泣きたい私は猫をかぶる」アニメレビュー

(81点)

笹木美代(ささき・みよ)は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれている。しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。
そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)へ毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。

それは、猫の姿になって 大好きな日之出に会いにいくこと。

実はムゲは、ある夏祭りの夜お面屋にいた猫の店主から、「かぶると猫へと姿を変えることができる」という不思議なお面をもらって以来、猫・太郎として日之出の家に通っていたのだ。
普段はクールに振舞う日之出だが、太郎にだけは素直な気持ちを打ち明けることができ、いつしか太郎は日之出の支えになっていた。
≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには近づけるふたりの関係。ムゲもまた、猫でいれば周囲との関係に悩むことない自由さを知り、次第に心地よさを覚えていく。

猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになるムゲ。
ある日、再び現れた猫店主から、猫の“お面”とムゲの“顔”を交換し、≪人間≫を捨て≪猫≫として生きるよう迫られる・・・

このままずっと、彼のそばにいたい。でも、《私》に戻ることができなくなる――
自分が誰に支えられているのか。大切なものに気がつくとき、二人の世界が変わり始める。TVアニメ「泣きたい私は猫をかぶる」公式サイト

猫の世界を通して繰り広げられる「私」を見つける青春ファンタジー

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (81点)
完走難易度 易しい

スタジオコロリドによるオリジナル長編アニメーション。

監督は佐藤順一さん&柴山智隆さん。

制作はスタジオコロリド。

引用元:© 2020 「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会

「猫」がこの作品で大きな意味を持つ存在になっている。

ヒロインのムゲは映画の冒頭で、怪しげな猫に仮面をもらい、その仮面を被ることで「猫」に変身できるようになる。

仮面を被って猫になる、なんとも分かりやすくファンタジーな世界観だ。(笑)

「猫になる」というワードでどうしても「猫の恩返し」というジブリ作品を思い出してしまうが、世界観&ストーリーともにかなり近いものはある。

ジブリ作品を意識しているのか分からないが、全体通して「日常の中に潜むファンタジーな世界」がジブリ映画を連想させる。

突然謎の猫が現れ、猫になれる仮面を渡される。

でもその仮面を被り続けると…という「代償」があると言えばどうだろう、ジブリ作品っぽくないだろうか?(笑)

猫になる能力を使ってムゲは、想いを寄せるクラスメイト・日之出に会いに行く。

学校では明るく振る舞ってなんとか日之出の気を引こうとするものの、全然相手にされず。

しかし仮面を被ることで自分を偽り、ムゲだとバレないまま一緒にいることが出来る。

「猫になる」という設定は、この作品が伝えたい大きなテーマとも繋がってくる。

綺麗

引用元:© 2020 「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会

作品のどこを切り取っても「綺麗」という言葉が相応しい作品だ。

民家が立ち並ぶ日常の風景も、その中に気づかれずに存在するファンタジーな世界も、青春の温かさやキラメキを感じる景色も、少しずつ揺れ動くムゲと日之出の感情も、ムゲの日之出を一途に想う気持ちも、子供から大人に変わっていく成長も。

100分アニメなので、それ相応のお金がかかっているのは確かだろうが、それでもここまでのクオリティが出せるのは実力のあるスタッフ・キャストが揃ったおかげだ。

唯一キャラの作画だけが、お世辞にも綺麗とは言い切れない。

顔のパーツ一つ一つが繊細に丁寧に描かれているようなデザインではなく、あえて簡素に描かれている。

しかし青春アニメあるあるなのだが、こういうデザインの方が青春アニメではしっくりくる。

作品の世界観ともバッチリ合っていたし、これはこれで「綺麗」と言って間違いはない。

これは勝手なこじつけかもしれないが、この綺麗さは、作品の土台である脚本を岡田麿里さんが担当していることと無関係ではないだろう。

彼女ならではの「青春模様を多角的に捉えて、1つのアニメ作品に青春の輝き・青春の痛み・成長を落とし込む技法」があってこその「綺麗さ」だと私は思っている。

やはり岡田さんに青春アニメの脚本を書かせたら右に出る者はいない。

半年前には「空の青さを知る人よ」という映画の脚本も担当していた。

彼女は「青春」という括りで一体どれほどの引き出しを持っているのか…そう驚かされる作品だった。

総評:青春

引用元:© 2020 「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会

たっぷりと青春が詰まった至高の100分間だった。

青春で連想できるもの…「痛み」「苦さ」「恋愛」「成長」「葛藤」全てがこの映画一本に詰まっている。

青春模様を演出する作画や、キャストの心のこもった演技も素晴らしく、思う存分青春を体験することができた。

ただキャストの面で一言モノ申すなら、ヒロインを演じた志田未来さんの演技は少し浮いていた感があった。

元々女優としてドラマや映画に出演することの多い彼女は、アニメに出演したことはあるものの、この作品では終始不自然さを感じさせた。

大根…とまではいかないが、叫ぶシーンや泣くシーンなど、声優としての技量がもろに出るシーンで違和感があった。

志田さんをキャスティングした意図は知る由もないが、女優さんでなければいけなかった理由でもあるのだろうか?

普段実写のドラマや映画を観ている層をターゲットにするためなのか、お世辞にも上手いとは言えなかったので、「素朴な演技ができる声優さんでも良かったのでは」とは思った。

ネタバレになるので書けないが、他にもごり押しするようなストーリー展開も見られ、腑に落ちないまま終わってしまった箇所もあった。

雰囲気でごまかすような箇所があっても良いとは思うが、雰囲気で流すならもう少し上手いこと隠して欲しかったものだ。(笑)

そこらへんに少し「手抜き感」を感じないでもない。

雰囲気でごまかすようなシチュエーションありきの展開もあり、終盤のまとめ方には物足りなさもある。

だが逆に小難しい展開に持ち込むより、雰囲気で押す感じは青春アニメっぽくて私は好きだ。(笑)

猫になって好きな人と一緒にいたいという気持ち。

なかなか自分の本心を打ち明けられないもどかしさ。

「猫になる」という設定を通して、少年と少女が子供から大人への階段を一段登る、その瞬間を切り取った素晴らしい作品だった。

個人的な感想:言葉にすることの大切さ

引用元:© 2020 「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会

この作品のテーマ「言葉にすることの大切さ」をしっかり学ばせてもらいました。(笑)

大人になっても言葉にするというのは恥ずかしいものがある。

それが相手にとって嬉しいことと分かっていても、自分の気持ちを正直に伝えるというのは難しい。

だけど相手が喜ぶこと、自分が伝えたいと思うことは積極的に伝えた方が良いということを20代男性は学ぶことができた。(笑)

胸糞が悪くなるような悪役もいなければ、小難しくて頭が痛くなる伏線もない。

誰でも観られて誰でも心を許せる…まさに、ジブリ作品のような温もりを感じる映画だった。

主人公を今をときめく花江夏樹さん、ヒロインを女優としてもアニメファンとしても有名な志田未来さんが演じており、キャスト欄を見るだけでも心惹かれるものがある。

サブキャラも主役級の声優さんが軒並み名を連ね、そこら辺のアニメ映画よりも間違いなくお金が掛かっていることだろう。(笑)

監督の佐藤順一さんは「セーラームーン」「おジャ魔女ドレミ」など、数々の傑作アニメで監督をされてきた凄いお方。

監督らしい「少女のカラッとした可愛さ」と、脚本の岡田さんによる「思春期少女のダークな部分」が上手くマッチした作品だった。

ネットフリックス限定配信の作品なので、もちろんネトフリに登録している人しか観ることができない。

もし興味があるなら、ぜひ登録して観て欲しい作品だ。

アニメ「泣きたい私は猫をかぶる」を観るには?

「泣きたい私は猫を被る」は

Netflix

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