2020年

【2020アニメ】「ネコぱら」アニメレビュー





(45点)全12話

水無月嘉祥は伝統ある老舗和菓子屋である実家を出て、パティシエとして自身のケーキ屋『ラ・ソレイユ』の開店準備を進めていた。そこに送られてきた荷物の中に、実家で飼っていた人型ネコのショコラとバニラが紛れ込んでいた。追い返そうとするも二匹の必死の嘆願に嘉祥が折れ、いっしょにソレイユをオープンする。妹の時雨やショコラとバニラのお姉さんネコであるアズキ、メイプル、シナモン、ココナツといった実家ネコたちもお店に手伝いにきてくれ、楽しくもにぎやかな生活を送っていた。ある日、ショコラはおつかいの途中で見知らぬ仔ネコに出会う…。どこか気になる仔ネコとの出会いから始まるハートフルネコストーリーがここに開幕!TVアニメ「ネコぱら」公式サイト




ネコだらけの日常を描いたハートフル猫コメディ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (45点)
完走難易度 難しい

原作はNEKO WORKs。

監督は山本靖貴さん。

制作はFelixFilm。

『『ネコ』』

©NEKO WORKs/ネコぱら製作委員会

ネコがいっぱいの日常を描いたハートフルコメディ。

ん?猫じゃないって?それは決して言わない約束になっている。暗黙の了解ってやつだ。(笑)

電車で人間の親子に出会えば、「あの猫ちゃんたちは大人しくしていて偉いわね~」という褒め言葉に鼻の下を伸ばす。猫も電車に乗って大人しくすることができる時代だ。(笑)

しかし悲しいことに、正式には「ネコ」ではない。でもこの作品では「擬人化したネコ」が「ネコ」ということになっている。(笑)

誰がなんと言おうとネコなのだ。そこに強い覚悟を感じる作品だ。(笑)

ネコに溢れた平和な世界。紅一点の逆バージョンで、唯一の男キャラが切り盛りするお店で働く個性豊かな「ネコ」たち。

他愛ない日常の中で、特に事件が起きるわけでもなく、ネコらしい仕草や言葉遣いで溢れんばかりに癒しを視聴者に提供する。非常に分かりやすいコンセプトになっている。(笑)

分かりやすくネコ好きなら楽しめるだろう。いや純粋な猫好きではいけない。猫が好きでなおかつ「萌え」に精通している人であればハマるかもしれない、と訂正しておこう。(笑)

ネコだと押し通そうとしているが、見た目はどこからどう見てもネコではない。当然人間の言葉を話すし、二本足で歩くし、表情豊かだし、仕事をしている。

半分人間で半分ネコ。それをネコとひと括りにしてしまっている。1話から当然のように「モノホンのネコは存在するのか?」とか「どこからが人間でどこからがネコなのか?」とか余計なことが気になっている。(笑)

現実にある常識や定義は、大抵アニメではそのまま常識や定義と置かれることが多い。そうすれば、余計なキャパシティを脳みそが使わずに済むからだ。

しかし、どう見ても人間の姿かたちをした物体を、ネコ耳をつけて尻尾を生やしているからと、「ネコ」としてしまっている。シンプルに違和感しかない。

最近観た「群れなせ!シートン学園」でもそのような描写があったが、人間は人間、動物は動物とはっきりと区別しないと、混在すると境目がなくなり、本能と感情が混在して、行動に一貫性がなくなっていく。

とあるシーンでは普通に会話しているのに、とあるシーンでは庭の芝生の上で四本脚で立ちながら、お互いに威嚇し合ったり、美味しそうなケーキを前にして尻尾を振っていたり、「従業員に餌付け」というパワーワードも生まれている。

もはや人間でもネコでもない「何か別の生物」だ。

いや、マジレスするべきではないのかもしれない。メイド服に猫耳と尻尾は正義。萌えの究極世界。そう言われたら何も言い返すことは出来ない。(笑)

1話で他に印象に残ったのはEDだ。立山秋航さんはゆるキャン△のサウンドも担当されているお方で、ネコぱらでも音楽全般を担当されており、ゆるキャン△のサントラを常日頃聞いている身としては、それだけで観る価値のあるアニメだ。

©NEKO WORKs/ネコぱら製作委員会

この作品における猫をネコたらしめるための明確な線引きとして「鈴」がある。

首元に付いている鈴がネコ離れの証となっている。その鈴をつけることで、ネコ一匹でもお出かけができる代物だ。

その鈴をゲットするには、猫の本能や習性を抑制できるかどうかの試験がある。その試験に合格をすると、人間に紛れて生活することができる。

その設定には好感を持てる。なぜなら「こいつらはネコだからよろしく」と念を押すだけではなく、人間でもネコでもない「第三の存在」であると納得できる形になっているからだ。

もしただの猫耳の生えた人間だったら「ネコなのか人間なのかどっちですか?」という疑問が付いて回る。

しかし、本能を抑制することができる鈴を持っていることが、「人間らしさを持ち合わせたネコ」という存在の証明となっている。

立場を明確にするという意味でも鈴の存在は大きい。しかしまあ、そこまでしてネコ型人間にこだわるのは、一種の執念みたいなものを感じる。

「いっそ猫耳としっぽをつけた人間でも良くない?」と思ってしまうのは夢がないだろうか。(笑)

迷子

©NEKO WORKs/ネコぱら製作委員会

メイドとして働くネコたちの日常だけではなく、序盤で登場する迷子の迷子の小ネコちゃんがストーリーの柱になっている。

ある日突然現れ、名前も親も分からない。匿うことになって寝食を共にするうちに仲を深め、ついには家族の一員となる。

単なるメイドの日常だったら正直数話で飽きるところを、迷子の小ネコちゃんが様々なトラブルを起こしたり、みんなと一緒に遊んだり、最後には感謝の手紙を読んだり。

そういった成長という一本の線があることで、ストーリーに張り合いが出ている。原作から登場するキャラクターかどうかは知らないが、もしアニオリだったら英断として称賛されるべきだ。

ただ、癒しアニメなので突飛な展開にはならない。里親が押しかけてくるとか、喧嘩して家出したりとか、そんなシリアスでドラマティックな事件は起きない。至って平和だ。

だから面白さという観点では物足りない。ほぼ人間のネコたちが仕事そっちのけで遊んだり、イチャイチャしたり、くだらない喧嘩をしたり。

正直可愛いとも思えない。押しつけがましい可愛さというかごり押し感というか露骨というか、とにかく「猫耳としっぽがありゃあ可愛いでしょ?」と言わんばかりに綺麗なところしか描いていないので、逆に引いてしまった感じだ。

総評:『『ネコ』』まみれ

©NEKO WORKs/ネコぱら製作委員会

心眼で見ればネコだ。ネコ以外の何物でもない。ネコに見えない人はきっと心が歪んでいるに違いない。

ネコたちが人間の暮らしを満喫する。遊園地に行ったり、海に行ったり、お出かけしたり、相撲を取ったり。当然だ。(笑)

だが、もはやネコであることに何の意味があるのか。いっそ猫耳をつけた人間でも良かったのでは…と意見をすると、どっかの組織に消されそうなのでこれ以上は止めておく。(笑)

ネコたちの平凡な日常。ネコたちのあざとい可愛さで癒されてくれ。そんな至ってシンプルなアニメだ。

だがそのシンプルさが逆に引いてしまう側面を生んでいる。可愛いの押し売りが終始凄まじく、変化に乏しく、もう可愛いはお腹いっぱいだ。

そう、変化。変化が欲しかった。可愛いだけじゃない。笑い転げちゃうようなギャグ。想像もつかないような顔芸。ちょびっと塩辛なシリアス。

何でもいいが、そういった要素がちょっとずつでもあれば、最後まで退屈せずに観賞できたことだろう。

迷子の小ネコちゃんが家族になるまでのハートフルストーリーがあることで、何も起こらない日常は避けられているものの、過程もありきたりで今一つ盛り上がりに欠ける。

キャラクターのビジュアルだけでお腹がいっぱいになる作品も珍しい。やはり人間のままでも…以下略。

無類のネコ好きでもハマるかどうか…(笑) なぜなら正真正銘の「ネコ」ではないからだ。(笑)

どの層に勧めればいいのか分からない作品になってしまっている。今時ここまで分かりやすい「萌え」を欲しているアニオタはいるのだろうか…(笑)

どうやらdアニメによると、このアニメのジャンルは「恋愛/ラブコメ」らしいのだが、どこからどう見ても、日常を描いた何の変哲もない日常アニメだった。

雑感:原作

©NEKO WORKs/ネコぱら製作委員会

驚くことなかれ。原作は美少女アドベンチャーゲーム。通称エロゲーだ。(笑)

アニメがこれほど平和に満ちているというのに、原作はごりっごりのエロゲーで、検索エンジンを使えばわかるが、なんとも衝撃的な画像が次々と出てくる。(笑)

つまり、アニメのストーリーはほぼオリジナルということになる。原作モノとそん色ない程良く出来ている作品だ。誰もエロゲーが原作だとは思わない。

いや、よくよく考えてみると、これだけコッテコテの世界観が通用するのはエロゲーくらいかもしれない。(笑)

『『ネコ』』好きな人で興味がある人は是非とも観て欲しい。




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