2013年

【2013アニメ】「俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している」アニメレビュー





(56点)全10話

呪われた甘草奏の能力「絶対選択肢」。突然頭の中に二つの選択肢が浮かび、どちらかを選んでそのとおりに行動しなければ、頭痛が走る。しかし、その選択肢とは、選べ ①校庭の真ん中でパン一になる ②女子更衣室で下半身裸になる というふざけたものばかり。時と場合を選ばず発生する絶対選択肢のせいで奏は奇行を繰り返し、学園で「お断り5(ファイブ)」と呼ばれて女子に白い目で見られ続けているのだ。そんなある日、選択肢を選んだ彼のもとに空から美少女が落ちてきた! 彼女は神様から与えられるミッションをクリアするために遣わされたパートナーだというが――!? 学園ラブコメ生活を取り戻すために、奏は全力でアホミッションに立ち向かう!TVアニメ「俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している」公式サイト




呪われた能力を持つ主人公の学園ラブコメディ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (56点)
完走難易度 易しい

原作は春日部タケル先生。

監督は稲垣隆行さん。

制作はディオメディア。

絶対選択肢

©2013 春日部タケル・ユキヲ/角川書店/のうコメ製作委員会

主人公は「絶対選択肢」という能力を初期装備している。

しかし能力と言っても便利な代物ではない。「神様」とやらの気まぐれで二択の選択肢が出され、その選択肢から「絶対に」どちらかを選ばないと、強烈な頭痛に襲われてしまう。

その選択肢の内容も全く生易しいものではない。上半身裸になるか下半身裸になるか。エロ本に顔をうずめて匂いを嗅ぐか食べるか。おっぱいを触ってくださいと言うか触らせてくださいと言うか。みたいな究極の二択を常に迫ってくる。(笑)

ある意味葛藤と言えるのだろうか。(笑) 自分が成し遂げたい目標に向かう途中で自分自身や敵と向き合う。それが一般的なアニメの葛藤だ。

しかし、このアニメの葛藤は無理矢理二択を迫ってくるはた迷惑なものだ。主人公は何かを成そうとしているわけではなく、むしろ平和な生活を阻害される立場にいる。

クソみたいな選択肢に毎度のこと踊らされる主人公。正直くだらなさすぎて面白い。

中田譲治さんのいけおじボイスで「パンツ」とか「パイオツ」とか、際どい単語が連発されるもんだから、それだけですでに面白いに決まっている。(笑)

だが同時に、このアニメがどこに向かうのかが分からない不安もある。選択肢に苛まれる主人公。ギャグとして12話描こうにも途中で失速する予感しかしないし、だからと言って、真面目にストーリーをするアニメでもない。

恐らく一般的なラブコメっぽい展開をなぞるのだろうが、それだとせっかくの設定も死んでしまう気がしないでもない。この設定をどうストーリーに活かすのか。2話以降も楽しみだ。

解除

©2013 春日部タケル・ユキヲ/角川書店/のうコメ製作委員会

2話以降は「神様」を名乗る人物から電話があったり、呪いを解くヒントを持つ美少女が空から降ってきたりと、絶対選択肢を解除する方向でストーリーが進んでいる。

しかし、解除するためのヒントは少しずつしか与えられず、即座に解除はできなさそうな構成になっている。

ということはつまり、最後まで選択肢に悩まされた挙句、結局解除できないまま、忌まわしい能力に振り回される主人公という図で終わることは容易に想像できる。

この手のアニメでどんでん返しはあんまり期待できない。なんとなくではあるが。

例えば中盤6話あたりで解除できてしまったら、このアニメはそこで終わってしまう。タイトルに選択肢と入っているくらいだから、選択肢が中心にいなければいけない。

しかしそれではあまり芸がない。第一印象のパンチは強いが、最終的に失速するパターンの匂いがぷんぷんしている。いわゆる出オチだ。

といろいろ妄想をしてしまうくらいには、3話の時点で既に飽きが来ている。主人公が美少女相手に下衆な選択肢に翻弄される図は変わらず、発展性は特に見られない。

すり替え

©2013 春日部タケル・ユキヲ/角川書店/のうコメ製作委員会

主人公を悩ませる絶対選択肢。だが中盤あたりから徐々に、神様の直接的な指令にすり替わっている。

「~を〇〇日までにしろ」と直接的な指令が来るようになる。それを期間内にクリアできなかった場合には、一生選択肢に悩まされるというものだ。

選択肢だけかと思いきや、むしろ指令の比重の方が大きくなっている。選択肢だからこその面白さがあるはずなのに、いつの間にか「いかにして選択肢から逃れるための指令をクリアするか」という方向性になっている。

個人的には少し違和感がある。これでは選択肢が学園ラブコメを邪魔するというよりかは、指令が学園ラブコメを邪魔するといった感じだ。

「パンツを見ろ」だの「女子全員に告られろ」だの、指令の中身はめちゃくちゃで面白く、絶対選択肢とは違う種類の葛藤も生まれている。

パンツを見なければいけない。けれど相手は学校のマドンナ。性格も穏やかで優しい。そんな女の子のパンツを見ることに対して良心の呵責が働く。

そういった二者択一の悩みはしっかりと描かれているし、主人公が悩む姿に共感もできる。

だが選択肢というからには、とことん選択肢に振り回されるべきではないだろうか。

序盤と中盤でやっていることは微妙に変わってきている。それはストーリーの流れ上仕方のないものというよりも、選択肢の限界を感じたから意図的に指令に舵を切っているようにも見える。

選択肢に振り回されるというより指令に振り回されている。指令をクリアする過程で選択肢が邪魔してくるというわけでもない。

むしろ途中から、選択肢が主人公の決断を後押しするような内容になっている。主人公の決断を阻害したり、恥をかかせたり、神様の暇つぶし程度のおふざけから、いつの間にかラブコメを進展させるための絶妙なアシストになっている。

選択肢の立ち位置が終始よく分からない。黒幕も黒幕の意図も頭痛も選択肢の意味も何も分からない。ただどこかにいる神様が、気まぐれなタイミングと気まぐれな意図で選択肢を出す。

確かに選択肢だけでは物足りない。それでもアレンジを加えた結果、選択肢が「二の次」になるようでは本末転倒ではないだろうか。

総評:物足りない

©2013 春日部タケル・ユキヲ/角川書店/のうコメ製作委員会

このアニメは普通の1クールアニメとは違い、10話で1クールとなっている。

最終的にはやはり絶対選択肢を解除する方法は分からずじまいで、「俺たちの戦いは続くEND」になっている。清々しい程予想通りの顛末である。

明らかに物足りない。尺に関してもそうだが、もう一歩二歩踏み込んだところまで行ってくれる期待があっただけに残念だ。

最終話の10話で、ついに「3人のヒロインの中から誰を選ぶか」というとても重要な選択肢に直面する主人公。

だが4つ目の選択肢の「何かが起こる」という場違いな選択肢のせいで、上手くごまかして結論から逃げてしまっている。

それがもったいない。このアニメが放送されたのは今から8年前。もう続編が制作されることは恐らくないだろう。

ということはアニメ勢の私からしてみれば、続きが見られない生殺し状態というわけだ。昔のラブコメでよくありがちな結論先延ばし芸にはほとほとうんざりだ。

それとセットで鈍感主人公にも飽き飽きだ。中盤から終盤にかけては特に、ヒロインは主人公に対してはっきりとした好意を示している。

にも関わらず、主人公は鈍感を理由に何のリアクションもしていない。「親愛の好きであって恋愛の好きではない」という主人公の姑息なセリフでごまかされるヒロインなんて、今まで何人見てきただろうか。(笑)

結局、進展がありそうでないままに終わってしまった。今後も続きが見られることがないと思うと、続きが気になるだけに残念で仕方がない。

だが主人公にも、確かにはっきりと優しさが分かるシーンがある。それは指令をクリアすることよりも、ヒロインを守るような選択肢を選ぶシーンだ。

例えばヒロインの涙を見ればクリアできる指令において、そのヒロインが苦手なお化け屋敷に入り、泣きじゃくるヒロインを連れまわして泣かせる選択もできるシーンで、主人公はヒロインのためにいち早くゴールする選択をする。

指令をクリアするために女の子の気持ちを犠牲にしない。そこにはラブコメ主人公らしい優しさがしっかり描かれている。だが鈍感だ。

クズな指令の連続で、それに振り回される主人公。選択肢のボイスが中田譲治さんというのもセンスが抜群で、毎回溶けるようなイケおじボイスで、ゲスなワードが読み上げられるたびに笑ってしまう。(笑)

選択肢を必ず選ばなければいけない。斬新な設定だ。

「人生は常に選択の連続」

否が応でも葛藤を強いる設定になっており、毎回究極の二択を強いられる主人公。

だが曖昧な部分も多い。途中から三択になったり四択になったり。二択だからこその面白さが消えてしまっている。

さらに、誰かに選択肢のことを話そうものなら、何か罰があるらしいのだが、それならなぜ先生に話せるんだとか、会長はなぜ選択肢の秘密を知っていたのかとか、結局選択肢の黒幕は誰だったのかとか、残ったままの伏線も多い。

だから作品としてはあまり評価するわけにはいかない。いろいろと未解決で不足のまま終わっている。実にもったいない。

そもそも心臓を掴まれるならまだしも、頭痛が起こるくらいなら頭痛薬を飲んで対処してみたり、自分で第三の選択肢を作ってみたり、何かしら逃れる方法はあるのではないだろうか。

実際、誰かに話して神様から制裁を食らうみたいなシーンはない。本当に誰にも選択肢について話すことは出来ないのか。そこらへんの設定がゆるゆるだ。

さらに最大で気になったのは、ヒロインが「どこで好きになったん?」状態であることだ。銀髪の女の子は分かる。

最初から主人公への好意を隠していない。だが他の2人は、途中から急に主人公のことが好きになり始めている。

友達の1人みたいな雰囲気だったのが、突然ハーレムまっしぐらになり、最後のプール回では急接近している。

ハーレムにするためのハーレム。結果的にハーレムではない。ハーレムを作るためのハーレムだ。どうしても薄っぺらく感じてしまう。

もちろん絶対選択肢なんてふざけた設定があるくらいなので、このくらいの緩さがちょうどいいのかもしれないが。(笑)

つまりおふざけアニメ。もしくは「クソアニメ」の部類に入れても良いかもしれない。もちろん悪い意味ではなく、良い意味での「クソアニメ」だ。(笑)

小っちゃいことは気にしない。設定もストーリーも。選択肢からいつの間にか指令をクリアする方向性になろうが、ヒロインが突然主人公を好きになろうが、突然初登場のキャラクターが出ようが、思い切りパロディをしようが一向に構うことはない。それがこのアニメのポリシーだ。(笑)

闇鍋したら結構イケた。そんな不思議な作品だ。

雑感:矢島さんのロリボイス

©2013 春日部タケル・ユキヲ/角川書店/のうコメ製作委員会

先代しんちゃんの声でお馴染みの矢島晶子さんのロリボイスが聴けるのは、恐らくこのアニメだけだ。(笑)

矢島さんはロリ教師役で出演されている。出番は限定的だが、終盤のプール回での萌えな演技は、しんちゃんの役者さんとは思えないほど堂に入っている。(笑)

矢島さんの可愛い演技を聞くだけでも、この作品を観る価値は大いにある。それくらいの可愛さだ。決してロリコンではない。決して。

改めてアニメとして評価すると、カオスな割に意外とテンポは良かった。10話という尺もこの作品においてはプラスに働いたのかもしれない。

正直続編が期待されるような作品ではないので、1期10話という尺がちょうど良かったのかもしれない。(笑)

それにしても、絵のタッチがどことなくエロアニメを連想させるのは気のせいだろうか。性に露骨なシーンもやけに多かった気がするし、いろいろと濃くて胸やけのするアニメだった。

興味がある人は是非とも観て欲しい。ハーレム好きにはオススメだ。




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