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【2020夏アニメ】「ピーター・グリルと賢者の時間」アニメレビュー

(73点)全12話

ここは、剣と魔法の世界――
ヤケッパチ戦士ギルド所属のピーター・グリルは、見事に武闘祭を勝ち抜き、地上最強の男の称号を手に入れた!
これで、恋人ルヴェリアとの結婚も認めてもらえるだろう。

しかし、大いなる力には大いなる代償がともなう…。
オーガ。エルフ。オーク。
地上最強の遺伝子を狙う様々な異種族の女たちが、
ピーターの子種を狙い、今まさに蠢きだそうとしていた。

なぜ人は、事が終わってからこんなにも冷静になるのだろうか。

かつて誰も見た事がない、地上最強の賢者タイムがやってくる! TVアニメ「ピーター・グリルと賢者の時間」公式サイト

地上最強の子種を奪い合うショートハーレムアニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (73点)
完走難易度 易しい

原作は檜山大輔先生。

監督は辰美さん。

制作はウルフズベイン。

ピーター・グリル

©檜山大輔/双葉社・「ピーター・グリルと賢者の時間」製作委員会

主人公のピーター・グリルは地上最強の戦士だ。そんなピーターにはルヴェリア先輩という心に決めた人がおり、最強を決める大会でピーターが優勝し改めて愛を誓いあう2人。そんな純愛ストーリーに似つかわしくない「賢者タイム」というワード。

賢者タイムというのは男なら誰しもが知っている通り、アレをした後の冷静な時間のことである。(笑)ピーターは地上最強の男ということで世の女性が当然ながらほっとかない。彼の子種を狙って、ヒロインが猛烈なアプローチを仕掛けてくる一風変わったハーレムアニメになっている。

最強の男とあればそうなるのが当然といえば当然のこと。他の作品ではスルーするような展開にあえてもっていく、という意味では唯一無二の作品と捉えることもできる。そして「賢者タイム」と名が付くということは…彼は誘惑に負けて行為に及んでしまう。(笑)

意中の相手がいながら他の女性と行為に及んでしまう主人公。これまた私が見てきたハーレムアニメの中でも類を見ないほどのぶっ飛び展開で思わず面を食らってしまった。「主人公としてどうなんだ」という気持ちがありつつも、心のどこかで「まあ男だからな」と思ってしまう自分もいて、観ていて飽きない作品だった。

次から次へと

©檜山大輔/双葉社・「ピーター・グリルと賢者の時間」製作委員会

次から次へと新しいヒロインが出てきては、ピーターの優秀な遺伝子を貰おうとピーターを誘惑していく。彼は意中の相手への思いと目の前のおっぱいとで葛藤をしながら、でもやっぱり誘惑に負ける、そして後悔する、を繰り返す。(笑)

意中の相手への気持ちを再確認しながら、何度でも過ちを繰り返すその様は滑稽でもあり、またリアルな男の性を映す鏡でもあり、今までにない主人公像という感じで面白い。しかし綺麗にコーティングしてはいるが、クズなのは間違いない。(笑)

男だからしょうがないと男は言うが、意中の女性の立場になったら激おこどころの騒ぎではない。意中のリヴェリア先輩はピーターのことを一途に愛し、健気で純粋無垢な愛のまなざしを向け、何があってもピーターのことを信じてやまない。そんなリヴェリア先輩を何度も裏切るもんだから、フェミニストが見たらぶち切れ案件の作品になるだろう。(笑)

だがそれが一層作品の面白さを際立たせている。無垢に信じるリヴェリア先輩とその裏で他の女性とヤりまくるピーター。そんなゲスな関係図を作り出せるのはこの作品くらいのものだろう。(笑)ギャク調に描くからこそ成り立つ作品であって、もし真面目に深く掘り下げるような作品だったら炎上必至だ。(笑)

スパルタコス

©檜山大輔/双葉社・「ピーター・グリルと賢者の時間」製作委員会

終盤に入るまでそんな感じでストーリーが進み、終盤にスパルタコスという筋骨隆々な男がストーリーに絡んでくる。彼が絡むことで一層盛り上がりを見せる。彼はオーガ族の男で、リサというピーターを誘惑するヒロインの内の1人を追って街へやってくる。

しかしリサが既にピーターのモノだと知った彼は、ピーターに決闘を挑むことになるのだが、コテンパンにやられてしまう。そしてリサと直接戦って勝利したらリサを貰えるという「ワンチャン」を貰い、決闘の日まで修行に励むことになるのだが、まさかの決闘当日、「童貞」という弱点を晒したスパルタコスはおっぱいに気を取られて負けてしまう。

一世一代の男のプライドがかかった戦いでまさかのおっぱいに気を取られる。(笑)さらにはそこで這い上がるのではなく、自分に優しく接してくれた他の女の子にあっさり惚れて、リサのことを諦めてしまう。(笑)予想を裏切る展開の連続で思わず笑ってしまった。

こんな感じで全体通してギャグテイストで作られた作品なので、エロアニメ寄りの際どい描写だったり、主人公が堂々と浮気をしたりするセンシティブなシーンも上手く隠せているというのもあるかもしれない。

1話12分という短さではあるが、30分アニメに負けないインパクトが詰まった作品だと思うし、主人公がクズになっていく過程を楽しめる人にはもってこいの作品だと思う。

総評:斬新

©檜山大輔/双葉社・「ピーター・グリルと賢者の時間」製作委員会

とにもかくにも斬新という表現がしっくりくる作品だ。主人公が最強になることで自らの価値を証明し、意中の人と結ばれる。それはそれで純愛ストーリーとしては面白く、十分絵になるはず。しかしそうした予想を平気で裏切って、斜め上の展開に持ち込んでくるところが斬新極まりない。

地上最強の戦士とあれば、現実でもきっと子種を巡る戦争は起きるはず。今まで最強主人公は数あれど、主人公の子種を巡ってヒロインが争うアニメはなかったはずだ。加えて誘惑に負け続ける主人公も。(笑)

訳もなく主人公がモテて訳もなく行為に及ぼうとする作品とも違う。地上最強だからモテて子種を狙われる。そこにはしっかりとハーレムになるべくしてなる理由があり、「じゃあモテても不思議はないし、そりゃあ子種を求められても仕方ないよな」と納得してしまう自分もいる。

正直ストーリーが超絶面白いわけでも、作画が超絶良いわけでもない。だが斬新かつクズさが極まると面白いという感想になるんだ、という発見も含めて自分の中では高評価ができる作品だ。

公式サイトを見てもいかにも低予算臭のするアニメで、10年前に制作されたアニメと言われても違和感はない。(主人公の声優が下野紘さんというのも含めて)だが、演出等で工夫は見られたし、低予算なりに楽しんでもらおうという気概は見られたので、全く手を抜いている感じはなかった点も好印象だ。

唯一、どうしても最後まで報われなかったリヴェリア先輩へのフォローが少しでも欲しかったところだが、12話の最後の匂わせを見る限り2期の可能性が十分見て取れるので、2期では新キャラも含めて期待したいところだ。

雑感:戦術下野紘

©檜山大輔/双葉社・「ピーター・グリルと賢者の時間」製作委員会

サッカーではよく「戦術●●」という表現をする。●●には名前が入って、ソイツが勝敗のカギを握っているといった感じのニュアンスで使われる言葉だ。この作品はまさに「戦術下野紘」という感じで、下野紘さんの良さが全部詰まっている作品だ。(笑)

第一次ハーレム期というハーレムアニメが流行った時期が自分の中であり、その時期に主人公率が高かったのが他でもない下野紘さんで、そのときからもう10年ほど経って、こうしてハーレムアニメの主人公を下野紘さんが演じているというのは感慨深いものがある。ちなみに第二次は松岡禎丞さんで第三次が小林裕介さんだ。(松岡さんは未だ健在)

そんな下野紘さんの「味」を存分に楽しむことが出来た。完璧の中にどこか頼りなさを帯びる声とでも言おうか。ピーターは下野さんでしか演じられなかったと思うほどのハマり役で、ちょうどよくふざけた演技ができるのもやはりキャリアを積んできた下野さんならではだろう。

そんな下野さんが大好きな人にもそうでない人にも、一風変わったハーレムアニメを観たいという人にもオススメの作品だ。

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