2020年

【2020アニメ】「とある科学の超電磁砲T」アニメレビュー





(82点)全25話

総人口230万人を数える、東京西部に広がる巨大な都市。 その人口の約八割を学生が占めることから、「学園都市」と呼ばれているその都市では、世界の法則を捻じ曲げて超常現象を起こす力――超能力の開発が行われていた。

特殊な授業カリキュラムを受け、能力を得た学生たちは、定期的な『身体検査システムスキャン』によって、『無能力レベル0』から『超能力レベル5』の6段階に評価されている。
その頂点に立ち、最強と謳われるのが、7人の『超能力者』たちである。

そのひとり、御坂美琴。
電気を自在に操る『電撃使いエレクトロマスター』最上位の能力者にして、『超電磁砲レールガン』の異名を持つ彼女は、名門お嬢さま学校・常盤台中学に通う14歳の女子中学生。
後輩で『風紀委員ジャッジメント』の白井黒子。その同僚でお嬢様に憧れる初春飾利と、都市伝説好きな彼女の友人、佐天涙子。
そんな仲間たちとの、平和で平凡で、ちょっぴり変わった学園都市的日常生活に、年に一度の一大イベントが迫っていた。

『大覇星祭』。 7日間にわたって開催され、能力者たちが学校単位で激戦を繰り広げる巨大な体育祭。期間中は学園都市の一部が一般に開放され、全世界に向けてその様子が中継されるにぎやかなイベントを前に、誰もが気分を高揚させていた。その華やかな舞台の裏側で蠢くものには、まったく気づくこともなく――。TVアニメ「とある科学の超電磁砲T」公式サイト




電撃使い・御坂美琴の活躍を描いたファンタジー×バトルアニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (82点)
完走難易度 超易しい

原作は鎌池和馬先生+冬川基先生。

監督は長井龍雪さん。

制作はJ.C.STAFF。

超電磁砲

©2018 鎌池和馬/冬川基/KADOKAWA/PROJECT-RAILGUN T

超電磁砲の3期。このワードだけでも胸の高鳴りを抑えることができなくなる。

「レールガン」と聞けばアニメファンなら誰もが、一度は耳にしたことであろうメジャー中のメジャーな作品だ。

前作となる2期が放送されたのは2013年。7年越しの続編ということで感涙を抑えることができない。

個人的にも思い入れのあるレールガンだが、今作も同じく学園都市を舞台にして、主人公の御坂美琴が相棒の白井黒子や友達の初春飾利や佐天涙子と共に、悪の組織の陰謀に立ち向かうというストーリーになっている。

そして重要なポジションを担う新キャラが登場する。学園都市第5位の能力者で精神操作を得意とする「食蜂操祈」だ。

彼女は確か2期でもちょっと出番があった気がするのだが、3期にして本格的に参戦し、深くストーリーに関わるようになる。

3期のキーワードは「大覇星祭」「妹達(シスターズ)」「不在金属(シャドウメタル)」「食蜂操祈」「レベル6」。

いくつもの事象や思惑が交差し、美琴の身の回りの人間が危険にさらされながらも、一歩ずつ黒幕へと近づいていく緊張感。

レールガンはあの頃と何も変わらない。超能力に頼るだけではなく、戦場での頭を使った駆け引きがあり、真実に近づくための思考がある。

キャラクターと一緒に何が起きているのかを考え、ヒントの糸を一本ずつ掴んで束ねていきながら、真実へと少しずつ近づいてく面白さ。

ミステリー顔負けのストーリー。そしてもちろんレールガンといえばお馴染みの異能力バトル。

美琴の圧倒的な強さだったり、相棒黒子との息の合ったコンビネーションだったり。能力者を貶めようと策をめぐらす無能力者もしっかりいる。(笑)

調子に乗る無能力者あり。勧善懲悪あり。黒子のお姉さまへの愛があり。初春の可愛さあり。バトルの迫力あり。

もちろん新キャラありで、より騒がしく、キャラが増えることでよりパワーアップしている印象だ。

レベル6

©2018 鎌池和馬/冬川基/KADOKAWA/PROJECT-RAILGUN T

やはり絡んできたかという感じだ。

レールガンで一貫して取り上げられてきたシスターズの実験やレベル6化計画。その陰謀がこの3期でも描かれている。

妹がさらわれた事件を発端に、その裏に潜む陰謀が少しずつ明らかになっていく。誰がバックにいるのかをヒントを元に考え話し合い、仮説を立てて行動に移す。

バトルでもレールガンらしさが全開だ。ただ超能力を披露しあうだけの味気ない戦いではなく、お互いの行動からその意図を読み取り、相手の裏をかこうと戦いながらも思考をめぐらす。

両者が駆け引きをして裏をかいて、さらにその裏をかいて…という駆け引きの密度は超能力を題材にした作品とは思えない深さだ。

そして前半の山場となるバトルでは、3期で初登場する削板軍覇が大活躍する。

彼は学園都市第7位の実力者で、「根性」を拠り所に全てを力で解決するという、これまた超能力アニメとは思えないほどの脳筋野郎だ。(笑)

彼と、途中でまたもや首を突っ込んでくるのが、そう、みんな大好き上条さんだ。

禁書の主人公が合流し、学園都市第7位と共闘するという「予測不能コンビ」による何とも胸熱なシーンがある。

バトルに持っていくまでの流れが自然でかつ、ちょうどよいタイミングでヒーローが登場するのも、とことんレールガンっぽくて懐かしい。

やっぱりヒーローは困ったときに登場する。そして大切な人を守るために命をかけて戦う。固く結ばれた友情・絆。これぞレールガンが愛される理由の1つでもある。

超能力という最強の飛び道具がありながらそれに寄りかからない。キャラの個性や感情を何より大切にして、じっくりとストーリーが進むごとに関係性にも変化が起きる。

ご都合的な展開がないわけじゃない。レールガンでは不自然なほど絶妙なタイミングで、絶妙な組み合わせのキャラクターが出くわす。(笑)

ミステリー系の作品のストーリーを進めるためには、会話をして情報交換をさせる必要があるのは分かってはいるが、毎度のように都合良く現れるもんだから、狙っていなくてもつい笑ってしまう。(笑)

前半戦の15話まで観終わった段階だが、素晴らしすぎる。思い出補正とかいろいろ個人的な感情が入っているのかもしれないが、やはりレールガンは面白い。面白さを突き詰めた作品だ。

いつも通りの4人の日常。小さな事件を発端に壊れる日常。謎を拾い集めて真実へとたどり着く過程。黒幕との対面。戦場での駆け引き。

全てが昔の面白かったレールガンのままだ。大人になった今でも同じような気持ちで楽しめるアニメなどそうはない。それだけでとてつもなく嬉しい。

キャラクターの思考をモノローグで説明してくれるのもありがたい。

状況が先行しても後付けでしっかりと「こういう考えでこういう行動をした結果こうなったよ」というのを補強してくれるので、途中で理解に困ることもない。

ただあまりに横文字が多すぎると、何を言っているのか分からない瞬間があるが、それも大丈夫。

大局的に見た組織の動きやそこから派生する個人の動き、最低限の目論見さえなんとなく分かっていれば、後はなんとなく乗っかれば良い。

いわゆる雰囲気でも楽しめるアニメだ。前半はクローンをダミーにしたまさかの…ネタバレはしたくないので後は実際に観てほしい。

ドッペルゲンガー

©2018 鎌池和馬/冬川基/KADOKAWA/PROJECT-RAILGUN T

後半戦の中心はドッペルゲンガー。

キーワードは「インディアンポーカー」「スカベンジャー」「バストアッパー」。

インディアンポーカーという「誰かが観た夢を見ることができる」というアイテムの登場を発端に、美琴がドッペルゲンガー計画に足を突っ込んでいくことになる。

いつも通りと言えばいつも通りの展開だ。小事が大事に発展していく。その過程でスカベンジャーという組織とも美琴は手を組むことになる。

スカベンジャーは禁書の外伝を観た人なら覚えがあるはずだ。あのアクセラレータに無謀にも戦いを挑み、見事に惨敗したあの4人組の暗部組織だ。

彼女たちは立場こそ違うが、目的を同じとする美琴に上手く取り入り、一時的な仲間としてドッペルゲンガーと戦う。

正直後半戦は前半戦ほどインパクトがない。立場が分かりづらいし敵というほど敵でもない相手なので、少し盛り上がりに欠けている。

1期を思い出すと、2クール目の最後に本性を隠していた木原テレスティーナと美琴たちは力を合わせて戦う。木原という極悪非道の輩を全員の力を合わせて討ち果たす。

そこには最高のカタルシスがあった。だが3期はどうだろう。確かにドッペルゲンガーだの魂だの考えさせるシーンはあったが、特に血が沸騰するような大迫力のシーンはなかった。

とはいえギャグパートは最高に面白かった。インディアンポーカーを巡る敵同士の平和な日常。そして佐天とフレ/ンダの鯖缶のお話。

特にフレンダの回は後半戦一番の盛り上がりだった。鯖缶によって生まれる友情。デパートでの駆け引きや戦闘の迫力。

鯖缶がきっかけのささいな友情でも、戦場での命のやり取りの中で、相手を信頼して任せることができる絆を感じたし、フレンダが最高にかっこよかった。

それだけにもう少し2人の組み合わせを見たかった。勝手にあのコンビは戦場で相まみえるための伏線だと想像していたのだが、麦野一族の出番はなく少し残念だ。

総評:後半はおまけ

©2018 鎌池和馬/冬川基/KADOKAWA/PROJECT-RAILGUN T

1期や2期の後半戦と比べてしまうと3期は盛り上がりに欠ける。

全員が戦場に集結して意外な組み合わせにも期待していたのだが、結局美琴1人の活躍でどうにかなってしまった。

困ったときは友達を頼る。1期2期では自分1人で解決しようとしていた美琴が覚えた「友達を頼る」ということ。その心境の変化はこの3期で確かに見られた。

だが肝心の「危険な場面で命を預ける」ところまではもう一歩。1人で解決しようと行動し、結果的に苦戦はするものの1人で解決をしてしまっている。

レールガンらしい起伏のあるストーリーは、後半ではなりを潜めていた感じだ。前半が超絶良かっただけに肩透かしを食らった気分でもある。

前半戦で出番のないキャラが登場しても面白かったとは思うが、スカベンジャーという暗部組織が全て持っていってしまった。

ズバリ華がない。戦場に華を持たせるようなキャラクターが登場しないことが一番の原因だったと思っている。

第2位の垣根さんはちょびっと登場したきり。アクセラレータも。黒子も結局は助けに来ず。食蜂もバトル向きじゃないからどうしても地味な役回り。

スカベンジャーには申し訳ないが絵面が地味すぎた。もちろん可愛かったのだが。(笑)

これはあくまでレールガンであり、美琴「たち」の活躍を描くはずの作品だ。少し迷走してしまった感も否めない。

それでもやっぱりレールガンは特別だ。特別な魅力を持っている。

キャラの内面が観ている側にはっきり伝わるし、悪者には思い切り悪事を働いてもらって、最後は美琴たち正義の味方がしっかりボコってくれる。

超能力にあぐらをかくことなく、能力者同士の戦場での駆け引きがあり、お互いに相手の意図や目的を読みあい、策を練って大胆な行動を起こす。

非常に戦略性が高く、バトルに一切妥協をしていない。

前半の予測不能コンビによる共闘。あれは3期の個人的なハイライト。最近観たアニメのバトルシーンの中でも飛びっきり興奮したことは間違いない。

全てが昔懐かしいあの頃の超電磁砲のままで、時間の流れを寂しく思うと同時に、いつもの4人があの頃のままで、声で、いてくれたことが本当に嬉しい。

時間を忘れるほどのめり込むことができて、久しぶりにアニメを頭を使わずに心だけで楽しむことができた。

いろいろ未回収の伏線や関係性もあるので、ぜひ4期も期待したいところだ。

総評:ありがとう

©2018 鎌池和馬/冬川基/KADOKAWA/PROJECT-RAILGUN T

これほどまでに素晴らしい妥協のないレールガンを作ってくれて感謝しかない。

やっぱりレールガンといえばJ.C.STAFFだし、やっぱり長井監督だ。

そしてなんと言ってもOPを担当するfripside。レールガンとは切っても切れない。

毎回OPを飛ばさずにしっかり聞いてしまった。どちらのOPも素晴らしくカッコいい。毎回サビのところで鳥肌が立ってしまう。

愛すべきレールガンという作品が25話という尺で思う存分堪能できた。時間を忘れるほどの至福の時間だった。

美琴を演じるさとりなさんも、黒子を演じる新井さんも、初春を演じる豊崎さんも、佐天さんを演じる伊藤さんも。

可愛いお声は11年前と何も変わっていない。初春の可愛さは在りし日の青春を思い出す。ストラップを買うほど好きだった。(笑)

新しく加わった食蜂さんと美琴の関係も確かに変わった。お互いを敵対視していた関係から「相棒」に近い関係へと。これはやっぱり4期が待ちきれない。

J.Cさん。無理せず1年以内に何とか続編を期待しております。(笑)




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