2020年

【2020アニメ】「トニカクカワイイ」アニメレビュー





(52点)全12話

主人公、由崎星空(ナサ)、自称「NASAより早く、光速になる男」由崎星空(ナサ)は、ある雪の降る夜、トラックに轢かれそうになったところを、美少女によって九死に一生を得る。これこそ運命だと、一目惚れした名も知らぬ美少女に交際を申し出ると、美少女は「結婚してくれるなら」と返事をして、月あかりの中に消えていった。運命の美少女との再会を願い彼女の姿を探し続け2年、18歳になったナサの前に突然現れた美少女が婚姻届けを差し出す。お嫁さんの名前は由崎司。とにかく可愛いお嫁さんと、ときめき、うきうき、いちゃいちゃがいっぱいの新婚生活がはじまる。『ハヤテのごとく!』の畑健二郎による愛と幸せの夫婦コメディーがついにアニメ化!!ナサと司の愛に満ち溢れた、カワイイ&尊い新婚生活が始まる!!TVアニメ「トニカクカワイイ」公式サイト




愛と幸せに溢れた夫婦コメディー

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (52点)
完走難易度 普通

原作は畑健二郎先生。

監督は博史池畠さん。

制作はSeven arcs。

夫婦

©畑健二郎・小学館/トニカクカワイイ製作委員会

主人公が事故に遭ったときに出会った女の子と再会&結婚をし、夫婦生活を営む様子を描いたラブコメディ。

結婚から始まる恋愛アニメ。斬新すぎるという騒ぎではない。常軌を逸しているし、当然未だかつてこのようなアニメなど観たことがない。

生みの親は畑健二郎先生。かの有名な「ハヤテのごとく」で長年連載をされていた方で、アニメ化も何期かに渡って放送されていたことも、そこそこ記憶に新しい。ちなみに漫画を全巻持っている。(笑)

その畑先生らしい「尖り」が特徴的な作品だ。

結婚から始まる世界観といい、宇宙や月やNASAや竹取物語の話など、宇宙になぞらえたネタが1話から登場するし、ギャグシーンでのテンポ感もなんとも懐かしい感じがする。

畑先生らしいパロディも健在だ。(笑)

だが1話の雑感としてはノリが少し寒い。ハヤテのアニメでも若干その傾向があったが、大げさな身振り手振りといい、主人公がいちいち女性との接触や匂いに反応して大げさに感動するのも若干ウザいし、イラっと来る。

夫婦間のそういう構図を作りたいという意図は感じる。女性慣れしていない主人公と、何があっても冷静さを崩さないヒロイン。

真逆の性格だからこそ生まれる相性の良さもある。その微妙なズレや価値観の違いというのをフォーカスしたいのだろう。

だが主人公の童貞感丸出しの反応があまりに鬱陶しい。亭主関白とまではいかないものの、もう少し年相応の落ち着きや頼もしさが欲しいというのが正直なところだ。

主人公とヒロインは事故の日に出会い、死にかけの主人公は初対面にも関わらず、ヒロインに一目ぼれをして、婚約を申し込み、それを受諾。

3年後に再会し、晴れて結婚。そこから2人の結婚生活を描いたラブラブコメディが始まっていく。

とにかく糖分過多になること間違いなしのアニメだ。(笑)

1話で早くも付き合うなどの過程をすっ飛ばして結婚をし、そこから2人のイチャイチャを延々と見せられる。なんとも非リアの反感を買いそうなアニメである。(笑)

ギャグ

©畑健二郎・小学館/トニカクカワイイ製作委員会

ラブコメらしい笑いもしっかり備わっている作品だ。

まずは畑先生らしいパロディの数々。現実世界からサブカルまでいろんなネタを網羅しているのも先生らしい。(笑)

3話で登場する銭湯で働く姉妹も、なかなかに癖のあるキャラクターだ。

特に妹は主人公に対して遠慮がなく、何の恥じらいもなく下ネタが飛び出す。(笑)

彼女の無遠慮で空気を読まないところがいいアクセントになっている。主人公とのやり取りは熟年の漫才コンビそのもので、飽きが来ない中毒性がある。

印象的なのは声優を担当している芹澤さんの振り切りっぷりだ。

どちらかというと可愛さを表現する役どころの方がハマりそうなものだが、彼女には妹ちゃんみたいな堂々と下ネタを言ったり、切れのあるボケやツッコミをするキャラが結構似合う。(笑)

ものすごく細かいラインなので伝わるかどうかは微妙なのだが、彼女は正統派よりもこういった癖のあるキャラの方がハマっていると思っている。(笑)

夫婦のいちゃつきという世界観の中では「異端」の部類に入るキャラクターだが、彼女が下ネタを遠慮なくいうキャラクターであることで、「奥さんにデレる」以外の主人公の一面が見えるし、さらに作品にも笑えるポイントというのを多く作ってくれている。

夫婦と姉妹が関係性を持つことでより幅広く、そこからさらに「夫婦」に留まらないコミュニティの拡大によって、ストーリーはより盛り上がっている。

夫婦の日常だけではなくギャグシーンへのこだわりも見えるところが好印象だ。もちろん外れているギャグもたくさんあるが。(笑)

夫婦になる

©畑健二郎・小学館/トニカクカワイイ製作委員会

夫婦という形から入るアニメだが、しっかりと夫婦になる理由が徐々に倒置法で明らかになっていく。

なぜ結婚したのか。どこに惚れたのか。2人がどういう出自を辿ってきたのか。

「結婚」という人生でも指折りの大事な決断をなあなあにはせずに、しっかりと結婚の重みを描きつつ、ギャグやイチャイチャなどの要素を足している。

初対面で求婚した主人公はともすれば軽い面食い男。ただの恋愛脳に映る。

だが、ちゃんとヒロインのことが好きになるきっけかがあり、二つ返事でOKしたヒロインにも、主人公のことを好きになる理由というのが何気ないシーンで明らかになる。

だから最初はウザったいだけのイチャイチャも、徐々に夫婦仲睦まじい光景になっており、気づけば主人公のことを素直に応援できるようになっている。

ヒロインのこともノリで結婚を決めるような「尻軽女」から、「主人公のことをよく観察して内面を好きになれる心の綺麗な女性」という評価になっており、CV鬼頭さんの声も重なって素直に可愛い。

ノリ

©畑健二郎・小学館/トニカクカワイイ製作委員会

ところどころでパロディを挟んだり、ボケのためにいろんなジャンルからネタを引っ張ってくることがある。

まさに畑先生らしい描写ではあるのだが、「それ関係ある?」と思ってしまうような脈絡のないボケが突然入ることがあり、ノリが寒いシーンも多々ある。

平城京に2人で行くシーンで、主人公は突然ヒロインの動画を撮りながら「水溜まりボンドが…」とか言い出すが、水溜まりボンドというアニメとは何の関係もない固有名詞が登場するのは違和感しかない。「YouTuber」ではだめなのだろうか。

ただハヤテのときと比べると、パロディは抑えめにしているようにも見える。

ちゃんと「結婚」「夫婦」「ラブコメ」というところを真摯に描いており、決してパロディに頼ったり滑りまくったりしているわけではない。

しかし、明らかに蛇足と思われるようなセリフがいくつかあったので、そこは非常にもったいないところだ。

総評:ラブコメ

©畑健二郎・小学館/トニカクカワイイ製作委員会

夫婦のイチャラブにイラっと来たり、癒されたり、悲しい気持ちになったりと様々な気持ちを味わうことができたと同時に、結婚について考えずにはいられない作品だ。

この作品では結婚は幸せに満ちた物。全てが新鮮で周りに祝福され、一緒に暮らすうちにお互いのことがどんどん好きになるという、いわば結婚の「綺麗な」部分しか描かれていない。

もちろんこの作品が「娯楽」であることを考えると、それは仕方のないことだ。

ただ、より現実の価値観に沿う形で描くなら、シリアスを少しは入れても面白くなったかもしれない。もちろんこれはただの願望だ。

シリアスとは無縁で、恋愛経験のない夫婦が新しい毎日にあたふたして赤面しながら、お互いの愛を確かめ合い、少しずつ距離を詰めていく。

結婚が先には来ているが、付き合う男女を描いた「ラブコメ」とやっていることは変わらない。なので新鮮味は薄くとも、誰もが楽しめる作品ではないだろうか。

コメディ部分においても、主人公と旧知の仲である姉妹がいい味を出しており、下ネタ上等の妹ちゃんがメインキャラを食う勢いで面白いのが印象的だった。(笑)

前述した通り、芹澤さんの演技は素晴らしい。彼女は正統派のヒロインを何度か担当してきたが、彼女のポテンシャルが一番発揮される場所は、妹ちゃんのようなネジが一本飛んだキャラだと本気で思っている。(笑)

中の人が清純派のアイドルで売っていることも面白さに拍車をかけている。

しかも恥じらいなど一切見せずに、思い切り演技をしてくれるので本当に気持ちがいいし、アドリブでキャラの癖を表現するのが本当に上手い。

ともすれば夫婦のイチャイチャを眺めるだけの単調な作品になってしまったところを、妹ちゃんが結構な頻度で登場することでアクセントになっているし、例えるなら焼肉の合間に食べるキムチのような働きをしている。(笑)

実際に観る人によっては、単調と思ってしまう作品なのは間違いない。

1話にして「結婚」という恋愛アニメの最終到達点に至り、それ以降は徹頭徹尾、新米夫婦の慣れない生活を拝むだけなのだから当然だ。(笑)

しかし、気づけば夫婦のどちらも好きになっているのだから不思議だ。

キャラクターの魅力が回を追うごとに深まり、不器用ながらも自分たちのペースでゆっくり進んでいく若年夫婦を、否が応でも応援してしまう。

序盤を観ただけでは評価が難しい作品だ。2人がどういう人間なのかを知って初めて、この作品を好きになれるだろう。

作画のレベルは高くない。そもそも原作の時点でそこまで美しい作画ではないが、畑先生の独特の画風は世界に1つしかないのでこれはこれでOKだ。

雑感:トニカク〇〇〇

©畑健二郎・小学館/トニカクカワイイ製作委員会

タイトル通りとにかく可愛いと思うのか、それともとにかくうざいと思うのか、はたまたとにかく爆発しろと思うのか…(笑)

「トニカクカワイイ」とタイトルや1話の主人公のセリフで押し売りはしているが、逆に押されて引いてしまう現象が起きていることは否めない作品だ。

ヒロインが可愛いことは間違いないが、可愛い人が偶然トラックの事故から自分を守ってくれるのか、初対面なのに「結婚するなら付き合ってもいいよ」なんて言うのか、2年後に本当に婚約を守って会いに来てくれるのか…

そこらへんの純粋な疑問が置き去りにされているので、もしかしたら「うざい」と感じる人が大多数かもしれない。(笑)

唐突に全く関係ない話にはなるが、結婚は人生の墓場なのか、それともめでたい門出なのか。結婚に対する価値観はだいたい「終わり」か「始まり」かでグルーピングできる。

私は常々、「結婚を人生の墓場」と考える人には疑問を抱いてきた。なぜ自ら墓場に向かうのかと。(笑)

結婚を墓場と表現するような人の心が理解できない。なぜなら結婚は義務ではない。結婚したくないなら結婚をしなければいい。ただそれだけの話ではないだろうか。

もちろん結婚をして初めて気づくこともあるし、望まない結婚も世の中にはあるだろう。しかし私から言わせてもらえればそれらは本人の怠慢だ。

しっかりと「自分」を持っていれば結婚してから後悔することなど絶対ない。自分がどういう人と結婚したいのか、結婚とはどういうものなのか、本当に自分は結婚がしたいのか。

他人に自分の人生を委ねてきた人がきっと、「結婚は人生の墓場」などと無責任なことを言うのだろう。という私の個人的な怒りを含んだ結婚観だ。(笑)

最後になるが、このアニメのスタッフにも「夫婦」がいることに気付いた人はどれくらいいるだろうか。

実は原作者の畑先生と、銭湯姉妹の母の声を担当している声優の浅野真澄さんはガチの夫婦だ。(笑)

このキャスティングは意図的なのか偶然なのか。遊び心としてキャスティングしたなら、なかなか粋なことをする。(笑)

結婚とは何か。結婚がどういうものかを勉強したい人はこのアニメを観てみると、もしかしたら結婚のイメージが湧くかもしれない。(適当)




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