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【2013アニメ】「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」アニメレビュー

☆☆☆☆☆(10点)全12話

「女子高生」になれば自然とモテると思っていた主人公“黒木智子”。しかし現実は違っていた…。
高校に入学して2ヶ月経っても彼氏どころかクラスメイトともまともに会話もできず、無残な現実が襲い来る!
この状況に焦った智子はモテるための行動を開始した。
だが…、クラスの中でも目立たず、極度の人見知りで他人とコミュニケーションをとるのが苦手な智子は、
家族以外の人間と会話をすることから始めなければならなかった…。
モテない女子高生“黒木智子”がモテるようになる為に孤軍奮闘するのだが…
智子に明るい未来は待っているのか!?
モテない女子高生の苦悩が始まる!!TVアニメ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」公式サイト

モテない女子高生を描いた日常コメディ

ストーリー ☆☆☆☆☆
作画
面白い ☆☆☆☆☆
総合評価 ☆☆☆☆☆(10点)
完走難易度 超難しい

原作は谷川ニコ先生。

監督は大沼心さん。

制作はSILVER LINK.。

喪女

引用元:©谷川ニコ/スクウェアエニックス・「ワタモテ」製作委員会

主人公は教室の隅っこにひっそりといるような女子高生。

聞き慣れない言葉だが、彼女は自分自身を「喪女」と認識している。

ちなみに喪女とは交際経験のない女性を差す言葉だ。

そんな主人公が希望に胸を膨らませながら高校に入学したはいいものの、相変わらずのボッチ生活を満喫するという日常系のアニメになっている。

タイトルには「私がモテないのは~」とあるが、モテるモテないどころか、友達も作れないほどのこじらせぶりだ。

人によっては傷口が抉られるキャラ設定になっている。

見た目もお世辞にも清潔とは言えず、片目が隠れたロングへアと、クマだらけの疲れ目は他を寄せ付けない存在感がある。(笑)

引用元:©谷川ニコ/スクウェアエニックス・「ワタモテ」製作委員会

基本的にストーリーは鬱展開だ。

主人公がボッチなりに何とか楽しもうと頑張った結果、やっぱり痛い目を見て、より一層孤独に心を痛めるという内容になっている。

救いもない。

口下手な主人公に誰も関わろうとせず、空気のように扱い、決していじめられたりはないのだが、存在を完全に忘れられている。

家に帰っても数少ない心を許せる弟に無下に扱われ、中学時代唯一仲の良かったボッチ友達の親友も、派手に高校デビューをして学生ライフを満喫している。

四面楚歌という言葉がこれほど似合うキャラもそうはいない。(笑)

何をしても空回りして何をしても失敗して心を開ける人もいなくて…こちらまで鬱になってしまうような暗い展開ばかり。

一体このアニメで何を感じて欲しかったのだろうか、という素朴な疑問が浮かんでくる。

一応コメディアニメという括りにはなっているが、ボッチ陰キャ根暗アンチヒロインがただただ恥をかいて失敗するばかりのアニメで、どう笑えばいいのだろうか。

もしかしたらこの手のアニメで笑える猛者はいるのかもしれないが、きっと陰キャとは無縁の生活を送った者だけに違いない。(笑)

陰キャの傷を抉りに抉るような描写しかなく、同じような体験をしたことがある身としては、過去の自分を振り返ってどんよりとした気持ちにしかならなかった。

下手をしたらそこら辺のグロ系のアニメよりよほど鬱展開で、こうしてアニメを観終わった後でも、気持ち悪い余韻だけが心を支配しているという状態だ。(苦笑)

傷口を抉るだけ

引用元:©谷川ニコ/スクウェアエニックス・「ワタモテ」製作委員会

主人公は自分を変えようとあらゆる手を尽くす。

イメチェンをしたり、乙女ゲーをやり込んだり、新しい自分を装ったり。

しかしどれも予想通り失敗に終わる。

基本的にストーリー展開は単調で何のひねりもない。

リア充っぽいことでリア充になろうとするけど、結局失敗する。

これが30分12話続くものだから、もはやただの苦行でしかない。(笑)

我々陰キャの傷口に塩を塗りたくることが目的だ、と言わんばかりの構成になっており、アニメとしての面白さは演出を除いて皆無に近かった。

ただでさえクラスでの立場が弱いキャラが、失敗続きでさらに追い込まれていく様子など全く面白くもなんともない。

しかも主人公は謎のプラス志向の持ち主で、自分が失敗したことを他人のせいにして、自分の「根本」を変えようとはしない。

見ていてイライラするし、根暗と相反する性格、つまり「ギャップ」も全くないのでキャラが立っていないばかりか、もはや壊滅的とも言える。

総評:ただのボッチはつまらない

引用元:©谷川ニコ/スクウェアエニックス・「ワタモテ」製作委員会

ヒロインと思えないような風貌で、ヒロインと思えないようなダミ声で、ヒロインと思えないような暗い性格で、そのくせ変なところでポジティブで。

主人公の陰キャ生活を描いたアニメでありながら、その主人公が全く魅力的ではないという、キャラ設定の時点で死んでしまっている稀有な作品だった。

斬新といえばそうなのだが、一体何をテーマにして何を視聴者に感じて欲しい作品だったのか、制作陣の意図が全く読めない。

他のボッチキャラと比較してみると、その差は明らかになる。

有名な「俺ガイル」という作品の主人公・比企谷八幡こと「ヒッキー」は、ボッチキャラとして他の追随を許さないほど人気がある。

彼はクラスで完全に孤立している自他ともに認めるボッチで、「わたもて」のヒロインと境遇も風貌も瓜二つだ。

ヒッキーが魅力的なのは、モノローグで垣間見える彼のユーモアあふれる人間性だったり、ボッチではあるが意外な行動力と優しさがあって、家に帰れば小町という可愛い妹がいるという意外性だったり、にある。

見た目と性格のギャップ。

そして、彼が認識するボッチという境遇と、実際には彼の優しさを知っている人がいて、家にはボッチの妹とは思えない可愛くて社交的な妹がいるという現状とのギャップ。

様々な「ギャップ」こそがヒッキーの魅力で、陰キャボッチ特有の行動をしても、そこに共感とも似た「面白さ」が生まれる。

しかしこの「わたもて」の主人公は恐ろしいくらいに、ただの根暗陰キャボッチでしかない。

見た目通りの引っ込み思案な性格で、卑屈で陰湿な一面も持ち合わせており、さらに家に帰っても特に仲の良くないありふれた弟しかいない。

さらに、どぎつい下ネタも平気でぶっこむような下品さもあり、気持ち悪い変顔をしたり嘔吐したりするシーンもあったりで、人間の「陰」の部分をかき集めたようなキャラだった。

これがハマるアニメファンはいるのだろうか…

これだけ癖のあるキャラを愛でられる人は、かなり筋金入りの喪女好きだと断言できる。(笑)

作画はシルリンなのでもちろん無駄にレベルが高く、最初から最後まで安定していた。

演出もかなり凝っていたし、何とか救われない主人公を立てようと必死に面白くしようとしていた頑張りが見えた。

今回の評価のほとんどはその「演出面」の頑張りだけと言ってもいい。

ボッチがボッチをしているだけのアニメなど、ボッチの経験がある身からしたら共感よりも先に、心にモヤがかかるような気持ち悪さが来てしまった。

個人的な感想:青春の痛みを思い出した

引用元:©谷川ニコ/スクウェアエニックス・「ワタモテ」製作委員会

青春の痛みを思い出した30分12話だった。

もしかしたらこれこそが、制作陣の感じて欲しかったことなのかもしれない。

1人で昼ご飯を食べたり、ビジネスボッチをしているだけだと、誰に向けてかもわからない言い訳をすることで心の平穏を保ったり。

あるあるネタで共感することができたのは確かだが、それはプラスの意味の共感ではない。

トラウマを呼び起こすような「共感」で、暗い学生時代の思い出を思い出して、今でも若干鬱状態のままだ。(笑)

きっとこの作品を面白いと思う人はいわゆる陽キャの人達で、同じような陰キャをしていた人は私と同じように、主人公に感情移入ができずに作品に入り込めないかもしれない。

円盤の売上は全巻合わせて1200枚ほどで意外と数字は伸びているが、2期の可能性はほぼゼロで間違いない。

どうやら原作ではアニメ以降の展開で、主人公が大きく成長した様子が描かれているそうだ。

もし2期があるなら楽しみだし、その成長を1期で描くことはできなかったのか…と思うのも正直なところ。

ボッチ主人公が好きな人は一度視聴してみてはいかがだろうか。

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