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【2018アニメ】「やがて君になる」アニメレビュー

(76点)全13話

人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、
中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。
そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。
燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──
「私、君のこと好きになりそう」TVアニメ「やがて君になる」公式サイト

女子高生の百合を描いた青春アニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (76点)
完走難易度 易しい

原作は仲谷鳰先生。

監督は加藤誠さん。

制作はTROYCA。

特別

引用元:©2018 仲谷 鳰/KADOKAWA/やがて君になる製作委員会

主人公の小糸侑は誰かを「特別」に想う気持ちが分からない少女。

誰かを好きになり、恋をする気持ちが理解できないでいた。

生徒会に所属する七海燈子も同じ悩みを持ち、何度異性に告白されようと心が動くことがなかった。

そんな同じ境遇の2人が巡り合い、誰かを特別に想えないはずの燈子が、侑を好きになってしまうところからストーリーが始まる。

いわゆる「百合」というジャンルを扱った作品となっている。

当然世間的には百合や同性愛というのは「気持ち悪い」という視点で判断されることが多く、大いに人を選んでしまうジャンルだ。

この作品でも一線は超えないまでも、チュッチュするくらいにはしっかりとした百合描写があるし、思わず手で目を覆ってしまうようなシーンもある。

しかし不思議といやらしさがない。

背景キャラ絵ともに、全体的に明るすぎず暗すぎない絶妙な彩度で描かれており、百合アニメというより、落ち着いた日常アニメのような印象を与える。

そして「百合」を描いたアニメではあるが、女の子がイチャイチャするシーンをメインに扱っている作品ではない。

異性を好きになるのと同じような純粋な感情がそこにあり、衝動的というより、少しずつ動いていく感情の機微を丁寧に描いた作品になっている。

そのためかスッキリ&サラッとした仕上がりになっていて、百合が特段好きではない人でも、問題なく作品の世界観に入り込めるはずだ。

青春

引用元:©2018 仲谷 鳰/KADOKAWA/やがて君になる製作委員会

ありふれた学生の青春模様にも焦点を当てて描いているため、かたや青春アニメの顔も持っている。

テスト勉強をしたり、体育祭があったり、文化祭の準備をしたり。

そういった学園アニメ的な要素がむしろメインとなっている。

しかし他の学園青春アニメと一線を画すのは、やはり百合がコンセプトとなっていることだろう。

誰もいない生徒会室でキスをしたり、踏切前でこっそりキスをしたり、体育倉庫で2人きりでキスをしたり。

ところかまわずキスをするわけではないが、基本的には場所を選ばない。(笑)

「バレたらヤバい」という緊張感があるシチュエーションは百合アニメならでは。

所かまわず一目を気にせずではなく、「人目を忍んでバレないようにこっそりと」やるあたりに、「秘密の恋」が魅力的な百合アニメならではのドキドキ感が味わえる。

燈子と侑

引用元:©2018 仲谷 鳰/KADOKAWA/やがて君になる製作委員会

誰にも好意を持てなかったはずの燈子が、初対面の侑を好きになる。

最初こそ戸惑う侑だが、徐々に燈子の気持を受け入れていく。

2人の関係性の変化がじっくり丁寧に描かれた作品だ。

燈子からの好意に「同姓愛などあり得ない」という感情を持っていた侑だが、徐々に燈子の内面を知っていくことで、燈子と行動を共にするようになる。

そこで「侑も燈子を好きになる」という安直な展開に行かないところが、この作品らしさと言えるかもしれない。

燈子からの再三のアピールにも全くなびかない侑は、「決して燈子を好きにならない」と面と向かって燈子に宣言する。

にも関わらず、燈子は侑の傍にいたいと思い、侑も喜んで燈子の隣にいようとする。

現実の価値観では当てはめることができないような微妙な関係性だが、そこも百合を青春アニメとしてマイルドに描いた「やが君」らしさなのかもしれない。

心理描写も秀逸で、目の動きや、後ろ手に組んだ指の動き、目に映る自分の動きなどを、カメラワークを駆使して自在にキャラの気持ちを映し出す。

2人のつかず離れずの微妙な距離感が、演出やモノローグで丁寧に繊細に描かれていた。

最終話

引用元:©2018 仲谷 鳰/KADOKAWA/やがて君になる製作委員会

中盤で燈子の姉が死んだという事実が明らかになる。

完璧な姉のように自分も完璧でいようと振る舞っていはいるが、根は内向的な性格で欠点だらけなのが燈子の本性。

その本性を受け入れてくれる侑に燈子は惚れたという流れだ。

しかし2人は付き合ってはいない。

燈子は何度も侑に告白をするが、侑は誰かを決して特別に想うことはなく、そっけない態度で交わす。

にも関わらず常に一緒にいるし、燈子を甘えさせるし、キスまで許している。

侑の本当の気持ちがどこにあるのか、が序盤からの伏線になっている。

さらに終盤、文化祭の劇の準備において、姉の代わりになろうとする燈子に「ありのままでいて欲しい」と願う侑が行動を起こし、2人の関係が大きく動き出す予兆を見せる。

しかし…最終的な決着は見られなかった。

2人が結局どういう関係に落ち着いたのか、あやふやなまま終わっており、せっかく素晴らしい作品だったのにモヤモヤが残ってしまっている。

文化祭の劇も準備段階のままで中途半端だし、燈子が自分の気持ち&侑の想いと向き合った上でどう折り合いをつけていくのか、というところも疎かのまま。

ある程度尺を削ってでも、2人の関係がどう落ち着いたのかを描き切って欲しかった。

2期を想定した終わり方ならまだいいが、もう放送から2年が経過してしまっている。

時間が空けば空くほど、視聴者の気持ちは離れていってしまうが果たして…

総評:あと一歩

引用元:©2018 仲谷 鳰/KADOKAWA/やがて君になる製作委員会

ハイレベルな作画を始め、ドンピシャなキャスティング、透明感のある背景、秀逸な心理描写もあって、アニメとしてのレベルは本当に高い。

百合アニメながら「百合」という癖のある要素を感じさせず、純粋なラブロマンスとして非常に見どころの多い作品だった。

しかし最後のまとめの部分だけがどうしても腑に落ちない。

中盤以降、文化祭の劇に向けて準備をする生徒会メンバーの様子が描かれ、文化祭をラストの見せ場として持ってくるものだと誰もが思う。

だがせっかく準備した文化祭の本番が描かれないまま、最終回に2人でデートをするというシーンで終わっている。

ならせめて、「燈子がなりたい自分」と「侑が望む燈子」の2つにどう折り合いをつけたのか、だけでも描いて欲しかった。

2期が半年後に始まるとかならまだ良いが、2年が経過した現在でも2期が来ていないことを考えると正直厳しい。

2人の関係がどうなっていくのかを観る側に委ねるのも良いが、はっきりしないままというのはやはり落ち着かない。

ラストの展開以外は申し分ないクオリティだったし、終始透明感溢れる、いやらしさのないサラッとした百合アニメだった。

個人的な感想:2期来い

引用元:©2018 仲谷 鳰/KADOKAWA/やがて君になる製作委員会

私が2期が来てほしいと切に願う作品の1つだ。

百合アニメの中では間違いなくナンバーワンだと思っているし、実際に青春&百合アニメとしての評価はすこぶる高い。

だが「引き」を残したまま13話が終わっており、2年経過した今となっては作品への熱は徐々に冷めつつある。

もちろん私はいつまでも待つつもりだが、日々消費されていくアニメというコンテンツにおいて、2年というブランクはあまりにも長い。

1期で完結させるくらいの気概があっても良かったと思うし、文化祭をやるだけなら劇場版、もしくはOVAとして発売するのもありかもしれない。

いずれにしても、最終的に2人がどうなるのかをしっかりと描き切ってほしいと思う。

円盤の売上は全巻平均が3800枚と、百合アニメでは異例の人気を誇る。

しかし原作は半年前に完結済みで、2期を放送するメリットは薄れつつある。

2期制作を決断できるタイムリミットは、そう多くは残っていない。

時間が経てば経つほどファンから忘れられ、原作を買ってもらうという相乗効果にも期待できなくなる。

個人的には何が何でも2期をやって欲しいところだが、こればっかりはどうしようもない。

とはいえ、1期だけでも非常にクオリティの高い作品になっている。

百合が好きでない人でも楽しめる作品になっているので、ぜひ一度騙されたと思って観て欲しい。

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