2013年

【2013アニメ】「ヤマノススメ」アニメレビュー





(80点)全12話

人気イラストレーター・しろが描く“女の子だけのゆるふわアウトドア”コミック『ヤマノススメ』が、2013年1月よりTVアニメ放送開始!インドア趣味で高所恐怖症の「あおい」と、山大好きで常に周りを振り回す「ひなた」。幼馴染の二人は、幼いころ一緒に見た山頂の朝日をもう一度見る為、登山に挑戦することに。登山道具で料理対決したり、近所の小さな山に登ってみたり…。少しずつ知識を身につけ、登山仲間も増えて行く。あの日見た朝日を見られるのはいつ?TVアニメ「ヤマノススメ」公式サイト




女の子だけのゆるふわアウトドアアニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (80点)
完走難易度 超易しい

原作はしろ先生。

監督は山本裕介さん。

制作はエイトビット。

(C) しろ / アース・スター エンターテイメント

インドア派の主人公が、幼馴染のアウトドア少女に強引に引っ張りまわされるお話。

昔は一緒に幼馴染と登山を楽しんでいた主人公だが、ジャングルジムから転落してからというもの、高所恐怖症になってしまい、すっかりインドアになってしまう。

しかし幼馴染の熱烈な勧誘を受け、主人公は再び山登りに挑戦することになり…というストーリー。

有名なアウトドア作品だ。「ゆるキャン△」と並んでアウトドアアニメの二大巨頭だと勝手に思っているほど有名な作品。

アウトドアの魅力を掘り下げつつ、日常アニメらしい女の子の可愛さがしっかりあるという作品で、このアニメのおかげで登山に興味を持つ人が増えたとか増えないとか。

1期の尺は短めで1話3分程度。山の入門編には相応しい尺となっている。

しかし尺が短い日常アニメと侮ることなかれ。中身はぎっしり詰まっているアニメだ。

トラウマを抱える主人公が、昔の約束を思い出して山に挑戦することになり、最初は小さい山から初めて徐々に大きい山へ。

そして自分でも気づかない間に、山に登ることに面白さを見出すようになり、その前向きな気持ちが新しい仲間との出会いや心境の変化をもたらす。

そうして山登りの輪が広がっていき、どんどん賑やかに楽しく可愛く、ヤマノススメという作品らしさが出てくる。

キャラクターの内面の魅力も描かれている。例えば幼馴染の女の子は強引に主人公を引っ張りまわして、自分勝手に付き合わせているように見えて、そうではない。

主人公の内に秘めた山への憧れを引き出し、決して無理やりではない方法で主人公を再び登山の道に誘い、主人公のことを考えて最初は小さい山から始めて、主人公の「人見知り」という内面でさえも見通しているという意外な洞察力。

何も考えずに適当に行動しているように見えて、実は主人公のことをよく知っており、内気な主人公を変えようと頑張れる健気な女の子。

人に上手く頼ることができる幼馴染と、うまく人を頼れず自分の中で完結してしまう主人公。

真逆の2人が関わり合い、同じ登山という目標に向かって共に成長する。登山を通して2人の価値観や関係性にも変化が生まれる。

登山のいろは

(C) しろ / アース・スター エンターテイメント

登山のいろはもしっかり詰まっている作品だ。道具について、登山でのコツについてなどなど。1話3分という短い尺の中にも、登山の初歩的な知識が豊富に詰まっている。

登山については全くの素人なので、こういったノウハウ系のアニメは勉強にしかならない。見覚えのある「あの道具」の名前とか、登山に必要なモノとか心得とか。

一から十まで全て教えてくれるわけではないが、最低限必要な知識を網羅している。このアニメを観て登山にのめり込む人が続出するのも頷ける。

説明臭くならないように、あくまで可愛い雰囲気を大切に。もちろん山を軽視するような発言はなく、可愛いの中にも山と、そして自分自身と向き合う真剣さがある。

登山を通しての成長。登山の魅力がたくさん詰まっているアニメだ。

そして道中、または山頂で食べるご飯の味。それこそアウトドアでしか体験できない至極のひとときだ。観ているだけでお腹が空いてくる。(笑)

どうでもいいが最近はランダムに作品を選んでいるのに、どれもグルメ作品ばかりで飯テロの暴力が続いている。

もしかしたら無意識のうちに美食に吸い寄せられているのかもしれない。(笑)

総評:山に登りたくなる

(C) しろ / アース・スター エンターテイメント

タイトル通り、山に無性に登りたくなるアニメだった。

山登りは体力的にもキツく、アウトドアの中でもハードな部類に入るもの。

インドア派の人間からすれば、遠ざけるどころか視界にも入らないようなハードワークだが、このアニメではその山登りをあくまでポップに描いており、決してツライだけのものではないということを教えてくれる。

友達と一緒に見る頂上からの景色。苦労を分かち合い、一緒に食べるご飯の味。自分と向き合い、山登りの楽しさに徐々に魅了されていく主人公。

それらを見ていると、自然と山登りがしたいという気持ちになってくるから不思議だ。

インドア派で人見知りな等身大の主人公だからこそ、素直に感情移入できるし、「そこまで彼女を魅了する山登りとは?」と自然と興味も湧く。

女の子だけの日常アニメらしい可愛さを守りつつ、あくまで日常の範囲を出ないような優しく静かな、それこそ山の自然と調和するような落ち着きのある世界観は、心に安らぎと平穏をもたらし、一緒に自然を楽しんでいるような感覚すら味わえる。

1話3分というかなり凝縮された尺にも関わらず、中身が非常に濃い作品だ。

登山のノウハウはもちろん、先ほど述べた日常アニメの温かさや可愛さ、そして殻に閉じこもっていた主人公が幼馴染によって開放され、徐々に自分の意見を言ったり、積極的にコミュニケーションを取ったり、登山を通して成長していく過程まで描いている。

こんなものを見せられたら、そりゃあ山にも登りたくなるというもの。早速アマゾンで用具一式の値段を調べているのが何よりの証拠だ。(笑)

素晴らしい作品というのは視聴者を「その気」にさせることができる。それはゆるキャン△しかりグルメアニメしかり、スポーツアニメしかり。

そういった影響力を持つ作品だ。現在までに3期が放送されているのも納得するしかない。

作画は最後まで安定しているし、自然を描写する美術さんの仕事はきめ細やかで、手書きならではの温もりがある。

主要メンバーの声優さんも昔懐かしい感じ。井口さん、阿澄さん、日笠さん、小倉さんなど。8年前という事実を強く感じるメンツだ。(笑)

雑感:山に登ると決めた日

(C) しろ / アース・スター エンターテイメント

登山の経験は何度かある。作中にも一瞬出てきたが、山の中を走る「トレイルラン」という競技を体験したこともある。

山登りには作品を観る前から興味はあった。そしてこの「ヤマノススメ」という作品が最後の後押しをしてくれた。

絶対にお金を貯めて道具を揃えて「ガチ」で山登りをしようと心に誓っている。(笑)

幸い体力には自信があるので、中級向けの山なら今すぐにでも登り切る自信がある。もちろんなめてかかるのは危険だということも忘れてはいけない。

山登りへの憧れや興味を引き出してくれたヤマノススメ。可愛いだけじゃない。山の魅力がたっぷりと詰まっている素晴らしい作品だ。

ちなみにこの作品が連載されていた「月刊コミックアース・スター」という雑誌で、以前レビューした「まんがーる」という作品も連載されており、ヤマノススメも同じく看板作品だった。

残念ながらこの雑誌は廃刊となってしまったが、今もなお形を変えて存在しており、もちろんヤマノススメも絶賛連載中だ。

興味がある人はぜひ観て欲しい作品だ。インドア派の人にもオススメだ。




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