2021年

【2021アニメ】「のんのんびより のんすとっぷ」アニメレビュー





(85点)全12話

「旭丘分校」の生徒はたった5人。学年も性格も違うけれど、野菜を作ったり、虫捕りをしたり、楽器を練習してみたり・・・春夏秋冬の変わりゆく田舎生活はワクワクが止まりません。のどかでいつも通りだけど、くすっときて、ちょっぴり沁みて、心がほっこりする。まったりゆるゆるなメンバーが送る日常が、またまたはじまります。TVアニメ「のんのんびより のんすとっぷ」公式サイト




大人気ド田舎日常コメディ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (85点)
完走難易度 易しい

原作はあっと先生。

監督は川面真也さん。

制作はSILVER LINK.。

総評:郷愁

©2021 あっと・KADOKAWA刊/旭丘分校管理組合三期

「のんのんびより」のレビューを書くのは今回で3回目くらいなので、細かく評価するポイントもそれほどなく、今回は一気にまとめ方式で書いていく。

のんのんびよりの1期が放送されたのは今から8年前。そこから2期、さらに劇場版と続いて、2021年1月から3期が放送。隔世の感がある。

のんびよは田舎に住む女の子たちの日常を描いた文字通り「のんびり」したアニメだ。

日常アニメが私はあまり得意ではない。今までいくつもの日常アニメを観てきたが、中身のない日常を切り取ったようなアニメは起伏が無く退屈で、一番苦手なジャンルでもある。

このアニメもその類だ。だがなぜだろう。不思議と目が離せなくなる。

ド田舎の風景と5人の学生。さらに駄菓子屋や先生とのやり取り。非常にコミュニティは狭く、突拍子もない事件も起こらない。

それでも妙に安心する。変わらない日常があり、他のいろんなことが変わっても、のんびよだけは変わらない姿で「おかえり」と言ってくれるような安心感。

小1にしてませすぎているれんちょん。アホでいじられ役の夏海。ちっちゃくてツッコミ役の小鞠。小鞠大好きサイコパスな蛍。

ああ、全く変わっていない。何も変わらずに帰りを待ってくれていた。ありがとう。そんな気持ちだ。(笑)

ひどく郷愁を駆られる作品でもある。見渡す限りの緑、緑、緑。光を反射して輝く水面。風で揺れる草木。

空間だけ切り取られたような別世界。騒音は全くない。あるのは自然の音とキャラクターの声だけ。それがどうしようもなく愛おしく感じる。

自分の故郷ものんびよ程ではないが、結構な田舎だ。周りは田んぼだし、虫もいっぱいいる。学校も1クラスしかない。

だから無意識に自分の故郷と重ねて見ているのかもしれない。このアニメを観ていると目頭の奥が熱くなってくるのが分かる。

この気持ちをなんと表現すればいいのか。適切な言葉が見つからないからとりあえず「郷愁」としておこう。

エピソード自体も郷愁を誘うものになっている。

秘密基地があったり、ボール遊びで盆栽を壊して、怒られないように回避するために会議をしたり、一緒に畑仕事をしたり、駄菓子屋でお菓子を買ったり、ボール遊びをしたり。

田舎にゆかりのあることを網羅しつつも、キャラクター同士の関係性や個性がしっかりストーリーに乗っていて、癒しや郷愁にプラスしてくすっと笑えるようなシーンがあり、切なくなるような感動エピソードもある。

喧嘩しても一緒に遊ぶ。小さいころのことを思い出す。いつも喧嘩するのになぜかいつも一緒にいる。喧嘩することを全く嫌なことだと感じない不思議な感覚。

個人的にもそういう友達がいた。その友達はいつか腐れ縁となり、今では唯一の親友だ。喧嘩するほどなんとやら、というのはあながち間違いではない。

田舎の風景と共に、幼いころの記憶を辿れるような親近感の湧くストーリーになっており、とことん童心を掴んで離さない。

ここまで徹底して懐かしさに訴えかけてくる作品もそうはない。

さらにただ懐かしいだけではなく、しっかりと劇薬が混ざっていることも侮れない。

例えばそれは蛍が「こまぐるみ」なる小鞠の自作ぬいぐるみを多数所持しており、それを小鞠にばれそうになる一連の事件がそうで、れんちょんのませた言葉遣いや会話などがそうだ。

中盤で小鞠のしゃべるぬいぐるみを開発した蛍が、そのぬいぐるみの存在を小鞠に勘付かれそうになる騒動は腹を抱えて笑えるし、れんちょんが新しく出来た友達と一緒に科学について議論するシーンでは、あまりに小学生離れした会話にこれまた腹を抱えて笑けてしまう。

ただ平和な田舎ライフを描くだけではなく、そういった作品の世界観からは一見逸脱しているような「劇薬」も混ざっているから飽きが来ない。

かず姉と夏海が授業参観に備えて、夏海のお母さんに怒られないように一緒に勉強したり、当日お母さんの顔色をうかがいながら授業をしたり。

11話は一推しの神回だ。れんげを溺愛する駄菓子屋がれんげの前だけカッコつけようとするのが面白い。あの切り替えようは…リピート必至だ。(笑)

何気ない日常の中にある少しピリッとするような笑い。それがのんびよの独特の世界観を作っている。

何から何まで田舎の優しい風景に溶け込むような癒しに溢れており、1期と変わらないのんびよの素晴らしさが詰まった3期だ。

3期まで続くのも納得だ。「日常アニメとはこういうものだよ」という教科書と言っても過言ではない。もちろん主観だが。

終わって欲しくない。このままずっとこの子たちの日常を覗いていたい。願わくば作品の世界に入り、俗世から離れた生活を営みたいとさえ思っている…(笑)

決して病んでいるわけではないが、田舎生まれの田舎育ちならこの気持ちを理解してくれることだろう。

やはり自分の故郷と重ねて見えるから、ストーリーもキャラクターも、何割増しにも魅力的に見えるのかもしれない。

雑感:ありがとう

©2021 あっと・KADOKAWA刊/旭丘分校管理組合三期

故郷への寂寞の思いが呼び起こされる作品だ。アニメを観ながら心はすっかり昔に戻っている。

「あの頃こんなことがあったな…」とか、「そういえば自分も夏海たちのように秘密基地を作って遊んだな…」とか、「そういえばこうやって意味のないことで喧嘩したな…」とか。

気付けば無意識に過去を振り返っている。無理やりタイムスリップさせてくるアニメなどそうはない。

故郷に帰りたい。12話を観終わった今、強烈な望郷の念に駆られている。

そして、こののんびよは恐らく3期で完結となる。まさに今月、長らく続いた漫画の連載が終了した。原作が無ければ当然アニメ化は難しい。

最後はみんな笑顔でハッピーエンド。「毎日同じ道だけど毎日景色は違う。だから毎日が楽しい。」れんちょんの最後の言葉が胸に染みる。

当たり前のことでも、少し見方を変えればありがたみが分かることもあるし、考え方次第で毎日を新鮮な気持ちで過ごすこともできる。れんちょんの教えはいつも尊い。(笑)

12年間という長い歳月を経て、漫画もアニメもほぼ同時に完結。大往生。大団円。「のんのんびより」という癒し系ド田舎系日常アニメのことを一生忘れることはない。

過去に思いを馳せたい人にはぜひともオススメしたい。もちろんアニメ好きなら是非とも観ておきたいアニメだ。




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