2015年

【2015アニメ】『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件』アニメレビュー





(68点)全12話

ごく平凡な高校生・神楽坂公人は、ある日突然「清華院女学校」に連れてこられてしまう。伝統と格式あるこの学校に通うのは、名家の令嬢ばかり。おまけに外の世界に出たこともなければ、同世代の「男性」を見たこともないという超絶箱入りっぷり。世間と異性に免疫をつける教育のため、「庶民サンプル」として選ばれた公人だったが、ケータイ、ゲーム、漫画すら知らないお嬢様たちにとって「庶民」は憧れの存在で…!?いきなり、お嬢様にモテモテ生活スタート!ハートフル学園コメディ!TVアニメ『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件』公式サイト




箱入り娘が通う学校に連行される主人公を描いたハーレム学園コメディ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (68点)
完走難易度 易しい

原作は七月隆文先生。

監督は神保昌登さん。

制作はSILVER LINK.。

庶民

(C)七月隆文・閏月戈・一迅社/清華院桜藤会

タイトルにある通り、お嬢様学校に庶民代表として主人公が「ゲッツ」されてしまうところから物語が始まる。

箱入り娘しかいないお嬢様学校にある日突然連行され、お嬢様方からスマホや電車の定期券などを珍しがられ、まるで宇宙人と初対面したかのような新鮮なリアクションを見せている。(笑)

流石にお嬢様とはいえ、スマホくらいは知っているだろう。(笑) なんでもかんでも庶民が持ち込んだ者に対して驚く反応が、1話にして少しウザくなっている。(笑)

挙句の果てには、信号機や駅前の街並みに対しても驚きで卒倒する有り様で、もう庶民の基準が良く分からないことになっている。(笑)

名目としては、お嬢様が社会に出たときに戸惑い、現実逃避をしないように、高校生のうちに庶民の文化に触れておこうということが連行の理由らしいのだが、真っ先に取る手段が女子校に男を引っ張ってくることなのだろうか。(笑)

1話から気になるのは、既にキャラクターの顔が崩れ気味であること。そして、テンポが格段に悪いことだ。

前者はともかく、後者は由々しき問題だ。キャラクターの会話のテンポが遅い。Aと言ったことに対して間髪入れずにBと返し、さらにCと淀みなく答えることで生まれるテンポが、この作品には欠けているように思える。

特段キャラクターが深く思案することのないシーンでも、いちいち返答に一拍置いており、そのせいでコメディアニメの生命線となるテンポがなかなか生まれていかない。

尺稼ぎなのか何か他に意図があるのかは分からないが、止め絵を使うシーンが多く、キャラクターの躍動感の部分でも物足りなさを感じる。

だがキャラクターが増えるごとに会話のレパートリーも増えて、主人公がツッコミ役としてボケを捌くようになってからは、2話以降は良いテンポ感が生まれている。

ハーレム

(C)七月隆文・閏月戈・一迅社/清華院桜藤会

シチュエーションが既にそうだが、非常に分かりやすいハーレムアニメだ。

女の子しかいない学校に男子が一人。庶民かつ初めての異性を物珍しく扱い、常に視線を送り、一挙手一投足に注目し、その中で特にメインとなるヒロインが主人公に対して距離を近づけていく。

そして、主人公が手を加えるまでもなく勝手にハーレム王国は作られていく。なんて人生イージーなのだろう。(笑)

そんな個人的な妬みはさておき、ハーレム好きなら間違いなくハマる作品だ。

細かいことはどうでも良くて、とにかく可愛い女の子が一杯出てきて、平凡な主人公が特に理由もなくモテまくる。それは全男子が憧れるシチュエーションでもある。

だがそこに理由を求めると途端に破綻する。ひねくれ者の私なんかは、好きに細かい理由を求めてしまいたくなる性分なので、ハーレムアニメ自体は好きだが、恋愛アニメとしてはせいぜい庭園の池くらいの深さしかない。

1話から主人公に接近する金髪ヒロインは、何かと主人公と行動を共にして、ラブコメ定番のお風呂場トラブルを切っ掛けに異性として意識するようになり、1人で勝手に結婚だの結納だのと、妄想を膨らませている。

細かいことを突っつくなら、カップラーメンもスマホも知らない、当然男も知らないような花も恥じらう乙女が、2話の1つの出来事を切っ掛けに「恋」の感情に芽生えるのには違和感がある。

裸を異性に見られたというインパクトはそれほど大きいのかもしれないが、吊り橋効果とか特にそういうからくりがあるわけでもなく、さも決められていたかのように主人公を好きになっている。

まあこれを言い出したら、世のハーレムアニメは廃れてしまうのだが。(笑)

特に理由もなくヒロインが主人公を好きになる。もちろん理由があった方がベターだとは思うのだが、この手のラブコメではそれくらいが丁度いいのかもしれない。

ギャグ

(C)七月隆文・閏月戈・一迅社/清華院桜藤会

ギャグは個々の受け取り方次第で、面白くもなりつまらなくもなる。最も難しい要素だ。

なのであくまで主観で評させてもらうと、この作品のギャグは中々に自分好みだ。

まずは主人公がツッコミ役で安定していること。周りは世間からズレたお嬢様ばかりなので、そのたびにツッコミを入れて上手く場を回している。

お嬢様の世間知らずが垂れ流しのままだったら、恐らくウザさが倍増していただろう。(笑)

いちいち未知のものに大げさに反応されては、一向にストーリーが進まないので、イライラが止まらなかったことだろう。

また主人公は、女子高で変な気を起こさないために去勢するという学校の方針から逃れるために、自ら「筋肉男児好き」を演じつつ、メインヒロインのポジションにいる女の子とは軽快な漫才を披露している。

筋肉好きを演じることで、ヒロインとも微妙な軋轢が生まれ、それがまた恋路を邪魔するアクセントになっており、絶妙なくだらなさがツボにハマる作品だ。

主人公とメインヒロインの2人の関係性は、他のキャラクターにはないもので、彼女がお嬢様らしくない庶民派気質であることで、より主人公と近い距離で親密に掛け合っている。

それがかしこまって堅苦しい雰囲気の中で上手くアクセントになっており、さらには「ゲッツ」を生み出すきっかけにもなっている。(笑)

ヒロインが世間知らずなのをいいことに、嘘の習わしを教えて遊んだりしている。その関係性が心地良い。

アホ

(C)七月隆文・閏月戈・一迅社/清華院桜藤会

ギャグがハマると書いたが、終盤にはそのギャグのレベルがあまりに低俗になっている。(笑)

不謹慎とかつまらないとか、決して悪い意味ではないのだが、フジテレビ系列で放送されていた作品とは思えない、いや、だからこそのくだらないギャグを連発している。

それはかの有名なゲッツだ。ダンディ坂野や彼が愛用している黄色のスーツも登場するなど、とことんリアリティにこだわっている。(笑)

だが大真面目にふざけているので印象は良い。中途半端にオマージュを挟むのではなく、結構な尺を割いて「これいつまでやるの?」という感じで、大真面目にダンディ坂野の芸をヒロインに仕込んでいる。(笑)

さらにはその後も「シノビネーナー」という2チャンネル界隈では有名(らしい)なゲイが組んずほぐれつな動画が登場したり、主人公の真似をしようというくだりで、ヒロインたちがそのゲイの物真似を一斉に始めるというカオスなシーンもある。(笑)

前半からそうだし、何ならOPテーマの時点でもそうなのだが、結構オマージュを挟むシーンがあり、際どいラインを攻めつつも、堂々とふざけているので好感が持てる。

だが反対に、気になるシーンがいつになっても訪れないという問題もある。

前半からの伏線となっている主人公専属のメイドさんの正体や、突然別れることになった声優の仕事をしている幼馴染との再会とか、結局何も分からずじまいで投げっぱなしの伏線がある。

そこがモヤモヤポイントだ。確かにくだらないギャグで大いに笑わせてもらったが、それ以外のストーリーの部分で特に大きな進展はなく、結局なあなあで終わっているのが残念だ。

総評:ゲッツ愛

(C)七月隆文・閏月戈・一迅社/清華院桜藤会

ダンディ坂野から、一体いくらのお金を制作会社はもらっているのか、あるいは払っているのか。

または、制作会社のスタッフが人質に取られている可能性も否めない程、異常なほどのゲッツへの執着に溢れた作品だ。(笑)

もちろんゲッツが中心ではない。だが最終話の最後がゲッツで締めくくられた通り、もはやこのアニメは、実はゲッツに再ブームをもたらすために作られた計画の一部なのではと疑うほど、終盤はとことんゲッツを推している。(笑)

だが忘れることなかれ。これはギャグアニメではあるが、ラブコメハーレムでもある。そこを疎かにしてギャグ路線に走っているようにも見受けられる。

特に最後をゲッツで締めくくるなど異例中の異例だ。特に印象に残る最後の一幕で、ヒロインたちが一斉にゲッツを決めて終わるアニメなど観たことがない。(笑)

ギャグの範疇でやっているのかもしれないし、確かに面白いのだが、それはそれまでのアニメのストーリーを否定する行為でもある。

中身は結構まともにストーリーをやっているシーンもある。終盤のヒロインに持ち掛けられた縁談がそうだし、その縁談を破談にするために力を合わせる庶民部の頑張りがそうだし、ヒロインに念願の友達が出来たときがそうだ。

ところどころで男女のイチャイチャだけではなく、「女子同士の友情」というところも深堀りして、最初は顔を突き合わせれば喧嘩ばかりしていた関係が、いつの間にかお互いを認め合い、信頼し合う関係へと至っている。

ただハーレムで主人公がウハウハするだけのアニメではなく、ギャグを大真面目にふざけたり、女子同士の友情があることで作品全体のバランスが取れている。

だが、最後の最後で少しやっつけ感が残るような終わり方になっている。ゲッツ推しなのは分かるが、最後もゲッツで終える必要はあったのだろうか。(笑)

ギャグシーンに力を入れているのは作品全体から伝わってくるが、そこばっかりに集中した結果、肝心の観ている側がかゆいと思っているところに、なかなか手が届かないような作品になってしまっている。

定期的にCパートで登場しては「あいつどこ行ったのよ!」と孤高に叫ぶ幼馴染の存在や、何か意味ありげに主人公に仕えるメイドの腹の内も、結局分からずじまいだ。

気になるところをずるずると引きずった挙句、結局描かれないままで、どうでもいいギャグや2チャンのネタを披露する。見ようによってはただの迷走アニメだ。

思い切りふざけるギャグが好きな私みたいな人種なら、まだ許せるかもしれないが、気になるモヤモヤを抱えたまま、結局お預けで裏切られた人からすれば、怒りが沸々と湧いているかもしれない。

原作からの改編がどれくらいあるのかも気になるところだが、このアニメの制作時点で、もっと先に進むような展開もあったはずだ。

それは例えば、ヒロインの誰かが主人公との関係で一歩前に出るとか、幼馴染がヒロインレースに名乗りを上げるとか、メイド長がまさかの許嫁カミングアウトするとか。

ギャグなんぞにうつつを抜かさずに、本格的にストーリーを前に進めるような展開が1つでもあれば、この作品への印象はもっと良かったはずだ。

いずれにしろ、個人的には内容の酷さとは対照的に、それほど印象は悪くない。

頼りがいのある主人公がいて、ツッコミがあって、おふざけがあって、思わずにやけるような微笑ましいポイントがあって、主観的に見て「当たり」な部類のラブコメだ。

雑感:大人の事情

(C)七月隆文・閏月戈・一迅社/清華院桜藤会

どうやら原作のタイトルは、正式には「ゲッツ」ではないようだ。恐らく時勢柄、いろいろと配慮した末の改編だろう。

それにしても、度々ゲッツが登場するのにはただただ笑うしかなかった。しかもゲッツ調印式なる謎の儀式まで取り行われ、正式にゲッツの使用権を獲得するというプロセスを踏んでまでゲッツを登場させているのだから、製作側のおふざけも極まっている。(笑)

1話丸まる尺を使ってゲッツをフィーチャーしたり、まさかの本人を声優として起用して「ゲッツ」だけを言わせたりなど、正気の沙汰ではない。(笑) 前代未聞というより意味不明だ。(笑)

原作者かスタッフの中に、ダンディ坂野に命を救われた人でもいるのだろうか。何かしらの深い理由がないと説明ができない現象だ。(笑)

ゲッツをとことんやりきる不退転の覚悟は伝わったが、それが絶望的に作品とは何の関係性も見えないところが惜しい。

せいぜいタイトルとのこじ付けくらいだろう。個人的にはゲッツなどどうでもいい(笑)から、伏せていた関係性をどこかのタイミングで出して欲しかった。

2期の可能性が薄いことを考えても非常にもったいない。大人気声優が幼馴染。目の前に一攫千金のチャンスがあるのにみすみす見逃したようなものだ。

興味がある人は観て欲しい。ギャグ強めのラブコメが好きな人は絶対にハマる作品だ。

参考動画↓


何してんねんwww




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