2014年 

【2014アニメ】「世界征服~謀略のズヴィズダー~」アニメレビュー





(15点)全12話

過去の指導者たちが思い描いた世界征服は、ただの妄想に過ぎなかった。世界征服とは――― いまだかつて誰も成し遂げたことのない栄光。一人の幼女、星宮ケイトに為されるまでは、それがどれだけ恐ろしく輝かしい行いなのかを知る者は存在しなかった。TVアニメ「世界征服~謀略のズヴィズダー~」公式サイト




世界征服を目論む幼女を描いたファンタジー×ギャグアニメ

ストーリー
作画
面白い
総合評価 (15点)
完走難易度 普通

原作者兼監督は岡村天斎さん。

制作はA-1 Pictures。

世界征服

©hunting cap brothers/Aniplex・征服実行委員会

幼女が世界征服。なんというパワーワードだろうか。(笑)

三輪車に乗って空腹で倒れるような幼女が見据えるのは世界征服。

世界征服を目論む幼女をリーダーに据える組織に、家出をした主人公がひょんなことから加入を強いられるところから物語が始まる。

父親と喧嘩をして家出をし、家出途中でたまたま出会った幼女に無理やり組織の一員として迎えられる主人公。序盤から非常にテンポ良く進んでいる。

世界征服などという夢物語を幼女が掲げる構図というのは、非現実的かつ斬新で面白い。(笑)

しかもそれがただのほら吹きではなく、戦車数台を相手にしても簡単に捻るほどの戦闘力を有しており、ガチな世界征服に一介の家出少年が巻き込まれる。面白い。(笑)

1話の冒頭である通り、この作品はあらかじめゴールを最初に示すタイプの作品だ。荒廃した世界。そこに佇む幼女の像。彼女が世界征服を成し遂げたことを示す証拠だ。

1クールという限られた尺で、いかにして世界征服まで漕ぎつけるのか。それともまさかのどんでん返しがあるのか。絶妙なくだらなさが癖になりそうな作品だ。

名ばかり

©hunting cap brothers/Aniplex・征服実行委員会

1話の荒廃した世界はどこへやら。世界征服とは名ばかりの茶番劇が繰り広げられている。

主人公が料理係を任されたり、喫煙者を「征服」するために灰皿を壊したり、喫煙者を店から追い出したり、副流煙ごと体に注入する機械まで作って、喫煙者を排除しようとしている。(笑)

確かに征服の一環かもしれないが、どう考えても1クールで世界まで到達しそうにないペースでちんたらとやっている。

ストーリー自体はギャグチックで面白くはあるものの、どう頑張っても世界征服までたどり着きそうにない。

同じように世界征服を掲げるアニメで、かの有名な「鷹の爪団」がある。鷹の爪では征服がいちいちショボい。征服とは関係ないこともやっていたり、家賃の取り立てにあったりと、世界征服と現状のギャップが笑いの1つになっている。

だがこの作品は、中途半端に征服行為をしている。征服行為を「しているっちゃしている」ところが質が悪い。

やるならやる。やらないならやらない。結局どこを目指すのか分かりにくいアニメになっている。序盤の感じだと、一足飛びで世界征服なんて展開も予想できてしまう。

急変

©hunting cap brothers/Aniplex・征服実行委員会

序盤は平和そのもの。征服で思い浮かぶような侵略行為はなく、征服とは名ばかりだ。

だが中盤から終盤にかけてから、一気に作風が変わる。案の定、尺を無理やり押し込んだ感じになっている。

あれほど宝探しだ喫煙者の排除だ、地下探索だと、征服とは思えないようなことを延々としていたのに、突然親子・夫婦を巻き込んだバトルが始まっている。

親子といっても、事前に知らされていたり、匂わせがあった関係ではない。突然「このキャラクターとこのキャラクターは親子です。そして、このキャラクターとこのキャラクターは元夫婦です」というのがバトルのさなかに明らかになる。

さも当然のようにバトルが始まるのも不自然だ。前半と後半のストーリーがあまりに違いすぎる。

突然親子や夫婦の関係が明らかになったり、なぜかその夫婦が敵同士になって戦っていたり、さらには終盤、今までの不足分を取り返すかのように無理やりのバトル展開に繋がっている。

統一感がない。鷹の爪団のようなおふざけで征服ごっこをするなら最後までそうするべきだし、真面目に征服を目論むなら、徹頭徹尾征服だけを見据えて戦い続けるべきだ。

どこか作品全体がフワッとしている。1話の冒頭の征服の光景は、結局はただのフェイクに過ぎなかった。どんな壮大なことが起きるのか楽しみに観続けたが、結局世界が征服されることもなく終わった。

総評:騙された

©hunting cap brothers/Aniplex・征服実行委員会

1話の冒頭で期待させておいて、12話を観た挙句、何も残らない薄っぺらい征服アニメだった。

荒廃した世界。そこに立つ銅像。征服について大げさに語る老人。何も期待するなと言う方が無理な話だ。

だがそこまで引き込んでおいて、結局何もないというのは重罪だ。一体このアニメにとっての征服とは何だったのか。

まず完全に冒頭の光景は嘘であること。確かに銅像が立つようなシーンは最後にあるが、荒廃した世界などどこにもない。老人も登場しない。本格的な征服活動もしない。

序盤からギャグに走り、宝探しだ地下探索だ禁煙だなんだと、世界征服からは程遠いみみっちい活動ばかりをしている。

それが鷹の爪団のようなくだらないギャグになっていれば笑えるが、特に目的も中身もないことをグダグダとやっている。

かと思えば、中盤以降いきなり作品が変わったかのようにきな臭い展開になっていき、正義の組織であるホワイトライトの指令がアジトに侵入してドンパチしたり、その流れで突然親子、夫婦の関係がぬるりと明らかになったり、突然の黒幕登場、そして銃撃戦まで始まっている。

完全な置いてけぼりだ。尺を持て余してしまっているのが手に取るように伝わる。序盤のしょうもない日常回などやらずに、最初から世界征服だけを見据えた行動を取っていれば、間違いなくこんなことにはならなかった。

終盤に必然的に駆け足になり、これまたぬるりと出てきた黒幕の都知事によってズヴィズダーは指名手配される。意味が分からない。

ズヴィズダーは指名手配されるようなことは一切していない。悪の秘密結社という体ではあるが、悪事に手を染めることは一切ない。それなのに都知事に指名手配され、銃口まで向けられるのは意味が分からない。

ペルソナ5というゲームでは、正義の行いをした結果、怪盗団は命を狙われる結果になるも、それは善悪を同時に孕んでいるからだ。ズヴィズダーは悪と取られるようなことはしていない。

明らかに指名手配ありきだ。いきなり黒幕がドンと登場して、勝手に主人公たちをお尋ね者にして、つるし上げ、銃口を向け、これまた唐突に東京D.C構想を立ち上げる。展開が突拍子過ぎて、最後まで付いていくのでやっとだった。

天下のA-1ともあろう会社が、まさかこんな作品を生み出してしまうとは。オリジナル作品だけにゼロから作る難しさはある反面、如何様にも面白く出来るという側面もある。

それこそデカダンスのような自由さと王道を掛け合わせて、斬新な世界観でストーリーを作ることもできる。

しかし残念ながら、この作品には何もない。征服するのかしないのか。まずその根本から揺らいでしまっている。

雑感:蓮華ちゃんをもっと出せ

©hunting cap brothers/Aniplex・征服実行委員会

正義の味方ポジションで登場する蓮華ちゃん。彼女の可愛さと、主人公との敵味方の関係くらいしかこの作品には見どころはなかった。

蓮華ちゃんファンクラブの会員としては、もっと彼女の出番を増やして欲しかった。そうすれば多少は苦痛も和らいだはずだ。

むしろ設定や世界観からガラッと変えて、主人公と蓮華ちゃんのラブコメアニメをリメイクするのはどうだろう。(笑)

敵味方同士の関係で始まる秘密の恋。蓮華ちゃんのドジっ子な可愛さがもっと見られるようなストーリーの方が500倍面白い。

勝負を仕掛けてもいないのに、最終的に負けるというみじめな思いまでしている。可愛そうで仕方ない。蓮華ちゃんこそ作中で一番報われるべきキャラだ。それをああもあっさりと…

征服するのかしないのか。まずそのスタートラインから練り直して欲しい作品だ。興味がある人は観て欲しい。




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